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メンタルが弱い人の特徴とは? 7つの鍛え方と向いている仕事

笹氣健治(心理カウンセラー)

メンタルの弱さの原因って?

メンタルが弱い人の特徴を見てきましたが、それは生まれつきなのか、という疑問がわいてくるかもしれません。脳の機能の個人差が影響している可能性は否定できませんが、基本的には、育てられ方の影響が大きいと考えられます。

自分に自信が持てない育てられ方とは?

例えば、何かをうまくやったとき、「上手にできたね!」「〇〇ちゃんは本当にすごいね!」と言われて育った場合と、「それくらいはできて当然ね」「もっと上手にできるようにがんばりなさい」と言われ続けて育った場合とでは、その後のメンタルに違いが生じます。

子どもは親や大人の言うことを素直に受け止めます。

前者のように言われたら、「わたしはデキる子だ」と信じるようになります。すると、困難なことがあっても挫けず頑張り続ける人に育ちます。

一方、後者の場合は、「これくらいで満足してはいけない」と思うようになり、困難なことがあったときには「わたしはダメな子だ」と思い込んでしまいます。

それゆえ自信が持てなかったり、他者評価が気になったりと、メンタルが弱い人によく見られる特徴を持った人に育っていくのです。

メンタルを鍛える7つの方法

メンタルが強い人も人間ですから、誰しも心が不安定になることはあります。

本当の意味でのメンタルの強さとは一時的なものではなく、心をコントロールして常に安定した状態にできることなのです。

では、どうやって心をコントロールすればいいのでしょうか? 誰にでもできるメンタルの鍛え方を紹介しましょう。

(1)緊張しそうな時は事前準備をする

初めての職場で自己紹介をする、大勢の前でプレゼンをする、といったように人前でしゃべるのは、かなりストレスフルな状況です。

そんな時に役立つのが、「原稿を準備すること」と「練習すること」です。

本番での緊張を軽減するために事前準備をすることは、メンタルトレーニングの基本の1つなのです。

もちろん、いくら準備しても本番でアガってしまうことはありますが、全く準備しない状態に比べたら緊張の度合いは低くなるはずです。

それに、原稿を用意しておけば、頭が真っ白になったとしても、何とかその場をしのげます。

「最悪の場合でも何とかなる」という安心感を持てる状況づくりも、メンタルの強さを保つ要因となり得ます。メンタルが弱い自覚がある人ほど、しっかり準備することを意識しましょう。

(2)場慣れする

慣れないことをするときは、誰でも緊張したり不安になったりするものです。

例えば、クレーム対応。初めてのときはドキドキして逃げ出したくなるかもしれませんが、何度も対応しているうちに当初ほどドキドキしなくなります。

具体的なトレーニング方法としては、少しずつ場慣れしていくことが役に立ちます。

同僚にクレーマー役をしてもらって模擬対応をする。ひとりで対応しないで上司や先輩が対応している場面に同席させてもらう。軽いクレームのときに途中から代わってもらって対応する。といったように場慣れを繰り返していくことで、クレーム対応にかんするメンタルは強化されていきます。

(3)ハードルを下げる

例えば、接客販売の場合、「お客さまに買ってもらわなきゃ」「ノルマを達成しなきゃ」と思うからプレッシャーに押しつぶされそうになるのです。こういうときは、自分のハードルを下げましょう。

「今日は〇名のお客さまにあいさつをする」「今日はお客さまに新作を紹介する」といった簡単な目標を設定し、決して売ろうとはしないで、その目標達成だけを考えます。

「あいさつをするだけ」「新作を紹介するだけ」であれば、それほど緊張せずに行動できるのではないかと思います。自分にとって高いハードルを設定してしまっているからプレッシャーを感じるのであって、低いハードルを設定すれば、それほど怖がらずに接客できるはずです。

「売らなくていいんだ」と気軽な気持ちで接客したほうが、かえって売れたりするかもしれません。

(4)嫌な出来事は考えるのをやめて忘れる

怒られたり注意されたりして、気持ちが凹んで落ち込んだ時は、どうすればいいでしょうか? 理想は、反省すべきところは反省し、的外れな点や納得できない点は反論する、もしくは、受け流すという態度です。

とはいえ、痛いところを突かれたら、たいていの人がそれどころではなく、嫌な気持ちになりますよね。

そうなってしまったら、もうそのことは考えるのをやめて、忘れるに限ります。

忘れるためには、両手を目の前で「パン!」と叩いてみてください。一瞬思考がストップするので、その後は別のことを考えるようにします。モヤモヤが残るかもしれませんが、時間が経つにつれて消えていくので、それまではひたすら我慢です。

嫌な出来事を早く忘れる能力も、ある意味、メンタルの強さと言えるでしょう。

(5)恐怖を感じたら合理的に考える

自分がミスしたことを上司に報告する時に、怖くてなかなか言い出せず、自分のメンタルの弱さを感じることがあるかもしれません。

叱責される、会社や顧客に迷惑がかかる、信頼を失う、評価が下がる……といったさまざまな恐怖が頭の中に湧いてきて、逃げ出したくなる。このような恐怖を乗り越えられるのも、メンタルの強さです。

恐怖を乗り越える1つの方法は、合理的に考えることです。例えば、次のように考えられます。

「報告するのは怖いけど、報告が遅れると、事態がさらに悪化する可能性があるし、隠蔽してバレたらもっとやばいことになる。遅かれ早かれ問題が発覚するなら、腹をくくって今すぐ報告するのがベストだ」

このように合理的にプラスマイナスを考えることで、勇気を振り絞って恐怖を乗り越えられるようになります。

(6)最悪どうなるかを考える

恐怖を乗り超えるもう1つの方法として、最悪どうなるかを考えてみる方法もあります。

例えば、クレームで怒りまくっている顧客にビビってしまい、逃げ出したくなった時などは、最悪のケースを想像してみましょう。

「最悪の事態になるとしたら、それはどういう状態か?」

「最悪の事態になった時に、失うものは何か?」

「もし最悪の事態になってしまったら、そこからどうやって解決できるか?」

この3つを自問自答してみると、実は「最悪の事態とはそれほど大したことではない」と分かって、何とかなりそうだと思えるものです。

すると、気持ちが少し楽になって、少しだけ耐えて頑張ろうと思えるかもしれません。

(7)自分を説得する

失敗した時、「何て情けないんだ」と自分を責めて落ち込んだり、「自分はもう無理だ」と心が折れて憂うつになったりするかもしれません。しかし、自己否定はやめましょう。

自己否定を続けていると、どんどん気分が落ちていって立ち直れなくなってしまいます。

自己否定をやめるには、自分を肯定する言葉で自分自身を説得することが効果的です。例えば、次のような独り言を何度もつぶやいてみてください。

「たいていはうまくいくのに、今回は裏目に出ただけのことだ」
「経験したことがない失敗なので、十分な対策ができなかっただけだ」
「失敗したからって、命までとられるわけではない」

失敗を正当化することで、自己否定は止まります。あとは、今回の反省を次回以降に生かすよう考えていけるといいでしょう。

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