「伺わせていただきます」の正しい敬語表現【メール例文】
「伺わせていただきます」を伝わりやすくするには?
「伺う」は「行く(訪ねる)」「聞く」「尋ねる」の謙譲語であるため、ビジネスシーンにおいて用いることが多い敬語。下の例文を見ながら、相手に伝わる言い方を確認しましょう。
(1)「行く」の意味で使うとき
(例)取引先に電話で「明日の15時ごろに行く」と伝える場合
「明日の15時ごろに御社へ伺います」
ここでの「行きます」は謙譲語Ⅰの「伺います」に言い換えます。「伺わせていただきます」ではなく、シンプルに「伺います」と使うことで、回りくどい印象を与えない表現となります。
(2)「行ってもいいか」の意味で使うとき
(例)取引先に電話で「明日の15時ごろ行ってもいいか」と尋ねる場合
「もしよろしければ、明日の15時ごろ御社へ伺ってもよろしいでしょうか」
この場合、「行ってもいいですか」を「伺ってもよろしいでしょうか」に言い換えます。相手のところへ行くことに対して、許可を求めるときなどに用いる表現です。
また、こちらから相手先へアポイントをとるので、「よろしければ」や「差し支えなければ」といった相手の立場を思いやる言葉を添えると良いでしょう。
(3)「行きたいです」の意味で使うとき
(例)取引先に電話で「明日の15時ごろ行きたい」と伝える場合
「差し支えなければ、明日の15時ごろに伺いたいのですが、ご都合はいかがでしょうか」
もしくは
「こちらの都合で申し訳ございませんが、明日の15時ごろに伺いたく存じます。○○様のご都合はいかがでしょうか」
「行きたい」の敬語は「伺いたい」や「伺いたく存じます」が適切です。
(4)「行きました」の意味で使うとき
(例)昨日の15時ごろ、取引先へ行ったことを伝える場合
「昨日の15時ごろ、A商事へ伺いました」
謙譲語Ⅰの「伺う」を用いることで、自分のことをへりくだり、A商事を高めた言い方にします。
(例)先週、出張で東京へ行ったことを上司へ伝える場合
「先週、出張で東京へ参りました」
この場合、自分の行為である「行きました」は「参りました」を用います。「参る」は謙譲語Ⅱに該当します。謙譲語Ⅱは、自分側の行為・ものごとなどを話や文章の相手に対してへりくだって表現する言い方です。
(5)「行けません」の意味で使うとき
(例)会食に誘われたが行けない場合
「この度はお誘いくださり、誠にありがとうございます。あいにく、その日は出張のため伺うことができません。大変申し訳ございません。次回はぜひご一緒できますことを楽しみにしております」
「行けません」を「伺うことができません」に言い換えましたが、「伺うことが難しい状況です」に置き換えても構いません。置き換えることで、相手により柔らかい印象を与える断り方になるでしょう。