ゴスロリファッションとは【イラストで解説】
大人のファッション用語
かわいいような怖いような「ゴスロリファッション」。甘くてかわいいロリータファッションとはどうやらちがうようです。ゴスロリファッションとはなんなのか、どんなブランドがあるのか、イラストとともに、ファッションライターの佐藤あさひさん に解説してもらいます!
真っ黒なドレス、独特なヘアメイク、かわいいのに神秘的なファッション……。
超個性的ではありますが、愛好家の多い「ゴスロリファッション」。
ゴスロリってロリータとはちがうの? ちょっと憧れるけれど、どうやって着ればいいの? どこに行けば買えるのかな? そんな疑問をお持ちの方もいるでしょう。
このコラムでは、ゴスロリファッションの種類やブランド、ゴスロリワールドの魅力についてお伝えいたします。
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ゴスロリとは
ゴスロリとはゴシック&ロリータの略です。
まるでお姫様かお人形のような「少女的なロリータファッション」と、暗黒・神秘主義・死への憧れといった「ゴシック精神」が結びついてうまれた、日本独自のストリートファッションになります。
ゴシックファッションはイギリスなどの海外で本格的な愛好家がいるファッションで、まるで吸血鬼か魔女のような黒ずくめの神秘的なスタイルです。ヴィクトリア朝のドレスのようなスタイルも含みます。
そして、日本では真逆ともいえるロリータファッションと見事に融合しました。
ゴスロリの特徴
ロリータファッションが見た目の愛らしさを追求するのに対し、ゴスロリファッションは精神性を大切にする特徴があります。
ロリータファッションの愛らしさや少女性は取り入れつつも、教会の荘厳な美しさや静謐で神秘的な美しさ、廃墟や墓場、吸血鬼や魔女などに魅力を感じる「ゴシック精神」を持っています。
ゴスロリの最大の特徴は、自分が愛好するゴシック趣味をファッションで表現しようとしているところにあるでしょう。
後述しますが、日本でのゴスロリブームにはヴィジュアル系のバンドが大きくかかわりました。
このため、ゴスロリファッションを好む方はヴィジュアル系が好きな人が多かったのですが、ここ最近では音楽とファッションは関係なく着ている方もたくさんいます。
ゴスロリの歴史
海外の本格的なゴシックファッションとはまたちがった特徴をもつ「日本のゴスロリ」。
ゴシックのもつ暗黒性や神秘的な思想が、ロリータファッションのもつ「無垢な少女特有の残酷さ」と相性抜群だったことが融合のきっかけでしょう。
「ゴスロリ」という名称はともかく、退廃的な黒い服に少女服のようなかわいい装飾を加えたスタイルは、ロリータよりわずかに遅れたものの1980年台には登場していたようです。
特に日本では1990年台に大ブームとなったヴィジュアル系が、舞台衣装としてゴシックファッションを多用したこともあり、多くの少女ファンたちがゴスロリファッションを着用しました。
一番有名なのは「MALICE MIZER(マリスミゼル)」でしょう。メンバーのMana様はご自身でエレガント・ゴシック・ロリータの服ブランドを設立し、バンド解散後もブランドは絶大な人気を誇っています。
白ロリ黒ロリとのちがい
よくいわれるのですが、白ロリ・黒ロリとゴスロリはまったくちがうものです。
白ロリ・黒ロリはあくまでロリータファッションにおける「甘ロリ」内の一ジャンル。
過剰な装飾や少女服のもつ愛らしさを、白一色や黒一色のスタイルで楽しむことが目的であって、決してゴシックを表現しようとはしていません。
対するゴスロリは、愛らしさの中にも「暗黒性・神秘性といったゴシック思想」を忘れません。
甘ロリに代表されるロリータファッションはメイクもかわいらしいものを追求します。
一方のゴスロリは死人を思わせる白さにするためにチークをはぶいたり、黒いシャドウを使ったり、口紅も青や黒や血のような赤を選んだりすることが多いのです。
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ゴスロリブランド
ゴスロリを代表するブランドをいくつかご紹介致します。
ブランドによって「ゴシック」と「ロリータ」のさじ加減がちがい、退廃的なブランドからかわいい要素が強いブランドまでそれぞれ特徴があります。
Moi-meme-Moitie(モワ・メーム・モワティエ)
上述したヴィジュアル系バンド「MALICE MIZER」の元メンバーであるMana様が設立した、エレガント・ゴシック・ロリータブランドです。
黒と青がメインカラーで、十字架・バラ・コウモリなどのモチーフが大人気。
ロリータ要素の強い「E.G.L(エレガント・ゴシック・ロリータ)」というラインと、男性も着用できる中性的でゴシック要素の強い「E.G.A(エレガント・ゴシック・アリストクラット)」という2つのラインがあります。
Victorian maiden(ヴィクトリアンメイデン)
最近はどちらかというとロリータファッションの要素が強くなりましたが、繊細なバラ柄に黒生地を組み合わせたりと今でもゴスロリの要素が見受けられます。
実は2000年のブランド設立当初、等身大の「棺桶」を販売していたことでも有名です。バラの花で満たした棺桶をベッド代わりにするゴスロリ少女もいたようです。
ATELIER PIERROT(アトリエピエロ)
無地かバラ柄が多く、黒・白・青といったオーソドックスなゴスロリファッションブランドです。
体形を美しく見せるようにウエストを絞ったり、たっぷりしたスカートが特徴のドレスを数多く販売しています。
ATELIER BOZ(アトリエボズ)
ブランドコンセプトが「中世ヨーロッパ」で、ダークな色調ながらエレガントかつクラシカルなワンピースがメインのブランド。
そのまま舞踏会に行けそうな「ドレス」調のお洋服もあり、メンズのブランド展開もあります。カップルで着ればホラー映画の主人公に見えることでしょう。