人間関係リセット症候群の特徴や心理とは? 治し方・接し方のコツ
▶次のページでは、人間関係リセット症候群診断や、陥りやすい人の特徴、対処法について紹介します。
あなたは予備軍? 人間関係リセット症候群診断
誰でも人生で一度や二度は「すべてリセットして、誰も自分のことを知らない世界に行きたい!」という思いにかられたことがあるのではないでしょうか。
まずは自身が人間関係リセット症候群になりやすいタイプであるか、簡単な診断をしてみましょう。当てはまると思うものに1問1点としてチェックを入れていってください。※どちらかというと当てはまる、というものもチェック対象です
この際、すべての合計をカウントするのではなく、【A群】1~5、【B群】6~10に分けてそれぞれ何点かを計算してください。そして多いほうだけに11の点数を(これに当てはまった人のみ)加えます。なお、A群とB群の点数が同じだった場合は自分の特徴にもっとも当てはまると思う番号があったほうの群を優先してください。
例)3、7、8、10、11にチェックを入れた場合は【A群】(=3)の点数が1点、【B群】(=7、8、10)の点数が3点となり、これに11の1点を加えるので合計4点となります
【A群】
1.人の顔色や場の空気を気にする
2.自分が人からどう見られているかが気になる
3.自分に自信がない
4.完璧主義者である
5.プライドは高いほうだ
【B群】
6.面倒くさがりである
7.独りで行動することは苦にならない
8.要領がいいタイプだ
9.他人から「鈍感・空気が読めない・マイペース」といった指摘を受けたことが何度かある
10.自暴自棄になりやすい
【他】
11.物事や人間関係を損得勘定で考えることが多い
点数が4点以上になった方は人間関係リセット症候群になりやすいタイプです。点数が多ければ多いほどなりやすいといえます。
人間関係リセット症候群になりやすい人とは?
人間関係リセット症候群になりやすい人の特徴としてイメージされやすいのは、真面目で細かいことを気にして場の空気を読み過ぎるあまり、疲れてしまってバーンアウトするという状況です。
しかし、実際はそういう人ばかりではありません。
前述した診断テストを2パターンに分けたのはそのためで、チェック項目6~10を読むとわかりやすいのですが、こうしたタイプとは真逆のタイプもまた人間関係リセット症候群になりやすいのです。
むしろ、孤独を恐れずマイペースですべてをリセットしても新しい環境にすぐ順応できる能力を持つ人のほうがリセットを実際に実行する確率は高い傾向にあります。
人間関係リセット症候群の治し方・対処法
まずお伝えしておきたいのは「人間関係リセット症候群=悪しきこと」ではないということです。もっとも大切なことは自分の身体と心が健康であること。どのような原因であってもそれを脅かすような状況になればリセットすることはむしろ良いことなのです。
ただ「実際にリセットしたら多くの人に迷惑をかけるので、そこまで追い込まれる前にセルフケアで乗り切りたい」「リセットしてしまったあとにいつも後悔する」という人のために、先ほどの診断結果別に対処法をお伝えしたいと思います。
【A群】1~5のチェックが多く入った人
限界まで自分を追い込んでしまう思考の癖を修正していきましょう。
そのために必要なことは「プチリセット」という考え方。追い込まれてきているな、と感じたらその時点で肩の力を抜くことを心がけましょう。
「明日は明日の風が吹く」「なんとかなるさ」など、自分にとって気持ちが楽になる言葉を決めておき、目の届くところに書いて貼って置くのもオススメです。
【B群】6~10のチェックが多く入った方
このタイプは他者の感情を読み取ることが苦手ですが、実は自分の感情にも疎い場合が多いです。
リセットしたくなったら「これをしたらまわりにどんな影響があるか」をしっかりと考えてみることはもちろんですが、「それによって自分の感情がどのようになるのか」ということもじっくり考えるようにしましょう。
また、ストレスが溜まってくると自分で自分のことを構わなくなる「セルフネグレクト」の傾向がある人はリセットしやすいタイプ。普段から日常生活をていねいに送ることを心がけてください。
人間関係リセット症候群の人への接し方
自分が人間関係リセット症候群に陥ってしまった場合の対処法を考えてきました。
逆に、周囲の人がリセットしようとしている姿を見て、心配に思うこともあるでしょう。それが仲の良い相手ならなおさらです。
あなたは仲良くしたいのに、相手がリセットしようとしていたら……。最後に、そんな時の接し方のコツを考えていきます。
(1)一定期間そっとしておく
他人と関わりたくないという人の気持ちを、無理やり変えようとするのは逆効果かもしれません。まずは相手の気持ちを尊重して、深く関わらない期間を作ってみましょう。
気持ちの整理ができれば、相手から連絡を寄越してくれることもあるはずです。
もしくは、普段通りのコミュニケーションができるようになってから、また徐々に歩み寄っていくのもいいでしょう。
相手の気持ちを察知し、無理強いはせず、ゆっくり関係を構築していくのです。
(2)リセットの原因を考える
相手は、なぜ人間関係をリセットしようとしているのでしょうか。その原因を考えながら、根本解決ができるように立ち回りましょう。
嫌なことがあったようであれば話を聞いてあげる、人間不信になっていそうであればその原因が自分にもないか探ってみる、などといったやり方です。
元々ドライな性格なのであれば、しつこくしすぎず、心地良い距離感を保つのも大切です。
相手の様子を見ながら、コミュニケーションを取ってみましょう。
(3)リセットしたい気持ちに共感する
人間関係リセット症候群になっている相手は、「誰も自分のことを分かってくれない!」という不満を抱えている可能性があります。
従って、「そういう気持ちになることもあるよね。分かるよ」と共感してあげるのも効果的かもしれません。
ただし、理解できないのに共感を示すのは逆効果。自分が自暴自棄になった時の気持ちを思い出しながら、相手の心に寄り添ってあげるのです。
(4)根気良く声をかけ続ける
人間関係リセット症候群に陥る人は、元々コミュニケーションが得意ではない可能性も高いです。自分から他人と仲良くすることが苦手な人も多いでしょう。
従って、どんなに塩対応をされても、根気良く声をかけ続けるというのは1つの手。
「この人は、何があっても自分を見捨てないんだな」と思ってもらえれば、徐々に心を開いてくれることもあるかもしれません。
もちろん、本当に嫌がっている様子なら、その時はそっとしておいてあげましょう。
(5)話を聞いてあげる
声をかけ続け、相手と少し会話ができる状態になったら、とことん話を聞いてあげましょう。
「どうしたの? 何かあった?」と優しく聞いてあげるのがポイントです。わけもなく人間関係をリセットしようとする人は少ないでしょう。その根底にある悩みを聞いて、寄り添ってあげるのです。
相手が話したい様子であれば、聞き役に回って相槌を打ってあげましょう。

聞き上手になる方法を解説します。
人とのつながりは「面倒」で「楽しい」
いつでもつながれる時代だからこそ、その状況を当たり前とせず、自分の中の「バランス」を時々チェックするように心がけてください。
人や社会とつながっている環境は、面倒なこともたくさんあります。でも、つながっているからこそ楽しかったり、うれしかったり、感動したりすることもたくさんあるのです。
そのリセットは本当にあなたにとって必要か、ちょっとだけ立ち止まって考えてみましょう。そこで、最善の答えが見つかるかもしれませんよ。
(小日向るり子)
※画像はイメージです
※この記事は2019年08月28日に公開されたものです