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オトナ女性はもっと「素直」になってみよう

内藤みか(作家・イケメン評論家)

年を重ねるごとに、いろいろな言い訳ばかりが増えていって、素直にストレートに気持ちを伝えることができない。そんなジレンマにおちいっている女性がとても多いのです。

特に30代を過ぎると、相手に配慮するあまり、考えすぎてまわりくどくなってしまいがち。

素直になるためには、どうしたらいいのでしょうか。

彼の立場を考えると、出すぎたまねができない

素直になりたい

R子さんという、ある30代の女性がいました。

職場に以前からいいなと思っていた男性がいるのですが、彼が来月、転勤になることが決まりました。さみく感じながらも、準備で忙しいだろうし、あまりこちらから誘っても悪いからと、彼の状況を思いやり、遠慮していました。

彼のLINEは知っているし、転勤先も電車で1時間とかからないのだから、また連絡できる、そう考えていたのです。

送別会の日も、R子さんは「落ちついたら飲みにでも行きましょう」と言うのが精いっぱいでした。彼もにっこり笑って「そうですね」と言ってくれたので、未来に向けての希望も持てたからいい、と思ったのです。周囲には同僚もいて、恋愛めいた話をするのもはばかられたので、それ以上はひかえてしまったのでした。

彼が転勤して1カ月ほどして、そろそろ落ちついただろうから、連絡してみようかなと考え始めた R子さんの耳に入ってきたのは、彼に恋人ができたという情報でした。

若いころのように“直球で勝負”できなくなってしまった

素直になりたい

相手はなんと、同じ部署で働いていた新入社員の女性でした。「会えなくなってしまうのはつらい」と、彼に捨て身のアプローチをしたのだそうです。

送別会の後、「話があるので、少しだけお茶してください」と彼をLINEでひきとめ、そのときに「ずっと好きだったんです」と告白したのだとか。

最初は驚いていた彼も、彼女の真剣でいちずなアプローチにほだされ、お付き合いすることになったということでした。

その話を聞いて、R子さんはかなり落ち込みました。どうしてもっと早く彼に気持ちを伝えることができなかったのだろう、自分も勇気を出して告白できていたら、もしかしたら彼は自分と付き合ってくれたのだろうか、などと後悔ばかりが浮かんできますが、もうどうしようもありません。

年齢を重ねるたびに、どんどん“まわりくどく”なってしまう

素直になりたい

実はR子さんは、彼に気持ちが伝わっている、と誤解していたのです。安心していたので、急いでいませんでした。

「落ちついたら飲みにでも行きましょう」と声をかけたら、「いいですね」と言ってくれたので、彼のほうもR子さんに気があるのでは……と期待してしまったのです。けれどR子さんは「2人で飲みに行きましょう」とは言っていないわけで、彼が“社交辞令的なもの”だと解釈した可能性は高いでしょう。

けれど、あまり恋愛慣れしていないR子さんは彼の「いいですね」を、“デートにOKしてもらえた”と拡大解釈し、彼の転勤が落ちつくのを待ってしまったのです。彼と2人で何度か飲みに行き、仲よくなって、お付き合いに発展できたらいいな……と、長い目で考えていたのでした。

そんな悠長なR子さんを、新人の女の子が、光の速さで抜き去ってしまったのです。

まわりくどいと、男性に気持ちが伝わらない

素直になりたい

R子さんは、自分の気持ちが伝わっているとばかり思っていたのですが、後日聞いてみると、彼はまったく気づいていなかったそうです。

そしてデートの誘いではなく、「みんなで飲もうね」という意味合いだと受け止めていました。R子さんは普段から、さりげなく彼にだけ「おつかれさま」などとねぎらいの言葉をかけたり、親切に接してきたりしたつもりでした。けれどそれも、彼は「他の社員にもやさしくしているんだろう」と、特別なものだとはわかっていなかったのです。

R子さんも恥ずかしいので、まわりくどい誘いかたしかできなかったのですが、本当はもっとはっきりと「2人で飲みに行きたいな」と伝え、彼の反応を見るべきだったのかもしれません。

それに、彼の転勤をさびしく思う女性は“自分だけではないかもしれない”と考え、早めに行動に出ることも必要だったのではないでしょうか。

男性は女性の複雑な気持ちを読み取るのを、とても苦手としています。はっきり伝えないと、彼は好意を好意だとすら理解できないままかもしれません

「察してほしい」と「ヒントがほしい」

素直になりたい

女性は男性に対しはっきりと感情を出さず、ほんの少しヒントを出すだけで、「あとは察してほしい」と“相手に丸投げ”してしまう傾向があります。

若い女性の場合は、このヒントがとても簡単なので、男性も察しやすく、行動しやすいことが多いのですが、年齢を重ねるにつれて恋のかけひきも巧妙になっていくのか、女性が男性に出すヒントがかなりむずかしいものになってしまいがちです。

そこには「男性のほうからアプローチしてほしい」という女性の本音があるのですが、男性も、自分に気があるのかどうかわからない女性を誘うのは怖いのです。

彼と仲よくなりたいのなら、それを単純に表現したほうが効果的です。

「もっとお話ししてみたいな」「一緒に飲んだら楽しそうですね」と言われてイヤな気持ちになる男性はいないでしょうし、これなら恋の告白よりもずっとカジュアルなので、言いやすいはずです。

高校生が出てくる映画やドラマで“素直”を取り戻す

素直になりたい

「でもどうやって素直になったらいいのかわからない……」

そんな人には、高校生が出てくる映画やドラマがオススメです。たとえばレンタルや動画配信で手軽に観られるものだと、『好きっていいなよ。』『ママレード・ボーイ』『俺物語!!』といった少女マンガ原作の作品は、ヒロインがまっすぐで、きっと胸がキュンとするはずです。ヒロインに感情移入して鑑賞すれば、いつもよりも少し素直な自分になれるかもしれません。

それから、『今日、好きになりました。』(AbemaTV)という、高校生の恋愛リアリティーショーもオススメです。複数の男女が好きな人に告白するまでを追った、ドキュメンタリータッチの、とてもリアルなものなので、参考になります。

ひたすら素直な彼らを見ていると、「こんなふうに告白できたらかわいいだろうな」と思えますし、なにより“シンプル”であると、こんなにも伝わりやすいんだということが見えてくるはずです。

素直なほうが、もっと恋愛がうまくいくなら……

素直になりたい

素直になるのは照れくさく、恥ずかしいことかもしれません。けれど、素直になったほうが恋愛が何倍もうまくいくとしたら、どうでしょう。

もちろん素直になるイコール、すぐさま「好きです」ということではありません。そういう大事なセリフは、肝心のときまで取っておきましょう。

まずは「ステキですね!」「そういうところ尊敬します」などの“カジュアルなほめ言葉”を、素直に口にするところからはじめてみましょう。彼がうれしそうな顔をするなど、けっこう短期間で、2人の間の空気が変わってきたことを実感できるかもしれません。

(内藤みか)

※画像はイメージです

※この記事は2019年08月26日に公開されたものです

内藤みか(作家・イケメン評論家)

作家。慶應義塾文学部卒(通信課程)。著書80冊以上。大学時代に官能小説でデビューし、ケータイ小説で話題に。その後電子媒体を中心に活動。原作&脚本の舞台「男おいらん」が再演を繰り返し、脚本参加のラジオドラマ「婚活バスは、ふるさとへ」(YBS)が文化庁芸術祭優秀賞など脚本でも活動。複業のイケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。著書に「イケメンと恋ができる38のルール」(ベストセラーズ)「美男子のお値段」(角川学芸出版)「男はときどき買えばいい」(マガジンハウス)「いじわるペニス」(新潮社)など。

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