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嘘の見抜き方。表情やしぐさに「嘘のサイン」はあらわれるの?

平松隆円(化粧心理学者)

彼のようすがなんだか変。婚活で出会った男性にふたまたをかけられている気がする。直感は「彼は嘘をついている」と告げているけれど確証がない、見抜きたい……! 人が嘘をつくときに、表情やしぐさに“嘘のサイン”は出ていないものでしょうか。相手の嘘を見抜く方法ははたしてあるのか、化粧心理学者の平松隆円さんにおたずねしました。

恋人の行動がなんだかあやしい……。そんな経験はありませんか? そんなときはきっと、相手を追及するでしょう。

その結果、「あっ、嘘ついてる」とわかる場合もあれば、「なんか腑に落ちないけど、嘘をついてるようにも見えないな……」ともやもやする場合もあるでしょう。果たして、相手の嘘を見抜く方法って、あるんでしょうか。

ドイツの心理学者シュテルンは、『嘘とはだますことによってある目的を達成しようとする、意識的な虚偽の発言』と定義しています。

男と女で“嘘”しぐさにちがいはあるの?

嘘 見抜く

嘘にまつわる研究をいろいろと調べてみても、“男女で嘘のつきかたにちがいがあるか”という研究は見つかりませんでした。男女という性差では、嘘のつきかたにちがいはないのかもしれません

ただ、“嘘をつきやすい”とか、“だまされやすい”という性質には、特徴があるようです。

嘘をつきやすいタイプの特徴

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嘘をつきやすいタイプは、対人信頼感が低く、子どもの頃は親の言いなりで、“審美型の価値観を重視”しているといいます。

わかりやすくいうと、基本的に他人を信頼していない人というのは、常に他人に対して「だまされるかもしれない」と警戒します。そのため、他人に対する思いやりに欠け、嘘をつきやすくなるというんです。

また、子どものころに、親に対して“本来の自分ではない”いい子を演じていたため、嘘をつくことに自然に慣れたのではないかと考えられています。

さらに、美しいものを重視するため、“自分をより良く見せよう”と嘘をつきやすくなるといいます。ちなみに、嘘をつきやすいタイプは、「嘘をついている」という自覚はあるのだとか。

だまされやすいタイプの特徴

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だまされやすいタイプは、理論型ではなく、親のしつけがきびしかったといわれています。わかりやすくいうと、“自分で物事の判断をするのが苦手”なタイプです。

そのため、相手の言うことをすぐうのみにしてしまい、だまされてしまうのだとか。また、親のしつけどおりに行動していたので、自分で考えるという経験が少なく、結果的に相手のいうことをうのみにしやすくなるといいます。

嘘をついているときの表情・しぐさはどんなもの?

では、人が嘘をついているときの表情やしぐさには、どんなものがあるのでしょうか。

嘘 見抜く

これについては、はっきりとしたことはわかっていません。ドラマや映画などで、嘘を見破るシーンが出てきますが、あれが嘘かというと、そうともいいきれません。“視線や顔の表情、話すスピード”なんかがヒントだなんていわれますが、これも個人のクセがあったりするので、じつはヒントになりません。

研究をいろいろ調べてみてわかったことは、むしろ真実と嘘を見分けることは難しいという結果があるくらいなんです。

嘘 見抜く

人のしぐさや表情は、その人が生きる文化や社会によっても変わってきます。そのため、普遍的にこれで嘘を見破れるという方法はないんです。日本でも、嘘に関する研究はさまざまにおこなわれていますが、はっきりと嘘を見破る方法についてはまだ解明されていません。

「でも、私は恋人や友だちの嘘はわかる!」という人もいるでしょう。それは、相手が恋人や友だちだから。日常的に接している相手だからこそ、嘘をついていないとき(=日常のようす)とついているとき(=日常とはちがうようす)のちがいを感じとれるからです。つまり、嘘をついているときの決まったパターンが、普遍的にあるわけではないんですね。

嘘を見抜くための質問のしかた

とはいえ、嘘をついているのか、本当のことをいっているのか、そのちがいを際立たせることはできるかもしれません。

とことん追及する質問をする

嘘 見抜く

たとえば、アメリカの表情研究の第一人者であるポール・エクマン(Paul Ekman、アメリカのテレビドラマ『Lie to Me』の主人公カル・ライトマン博士のモデルとなった人)は、人は嘘をつき終えるとホッとすることから、一瞬口元がゆるんだり、口が開いたり、逆にうれしさが表情に出ないように口に力が入ってしまったりする、と指摘しています。

実際にこういう表情になるかは別として、相手が“嘘がばれないだろうか”と不安になるように、質問をたくさん投げかけて追及していくのはありかもしれません。よほど念入りに準備をしていたり、嘘をつき慣れていない限り、とっさについた嘘はほころびだします。そうならないように人は警戒して答えていきます。とことん追及して、最後に「わかった」とひとこと言えば、相手はホッとするでしょう。そこでそのホッとした表情がふだんどおりかどうかを見きわめる、という方法です。

想定外の質問をする

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相手は、嘘がばれないように身がまえているはずです。そんなときに、とっぴょうしもないような質問をしたり、いったん話題を変えて油断させてから、またその嘘に関する質問に戻る、というのもいいかもしれません。

ふいうちをされて挙動不審になったり、口ごもったりして、普段とはちがうようすをから読み取ることができるでしょう。

結局、嘘を見破るのは簡単ではない

嘘を見抜く具体的なテクニックを期待して読んでくださった方にはガッカリさせてしまったかもしれませんが、つまり、それだけ嘘を見破ることは簡単なことではないんです。とはいえ、嘘が必ずしもよくないかといえば、人間関係を良好に保つためには本音と建て前(=嘘)を使い分けることも必要といわれています。あんまり、嘘を見破ろうとしないことも、大事かもしれませんよ。

(平松隆円)

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※画像はイメージです

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※この記事は2019年07月24日に公開されたものです

平松隆円(化粧心理学者) (化粧心理学者)

1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、タイ国立チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。日本やタイを拠点に、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。

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