結婚式のお呼ばれスタイル。恥をかかない服装マナーとは【イラスト付き】
20代も半ばになると、結婚式やその披露宴にお呼ばれする機会が増えてきますよね。
結婚式は冠婚葬祭のひとつで、正式(フォーマル)な場所です。新郎新婦はもとより、そのご両親や親族、会社関係者など周囲の人たちにも失礼のない服装が求められる、マナーが必要な場所です。
TPPPO®︎(時・場所・立場・人<相手>・機会)※に応じた装いで臨みましょう。マナーに応じた装いが、心からの祝福の気持ちを表現するのです。
今回は、20代の女性に向けた、結婚式のお呼ばれスタイルを解説します。
これが正解! 結婚式・披露宴のお呼ばれスタイル
結婚式や披露宴といったフォーマルな場所には、「礼装」と呼ばれるスタイルで参列します。
礼装は、大きく正礼装・準礼装・略礼装があります。親族の結婚式であれば、正礼装か準礼装を、親しい友人や仕事関係者で祝辞やスピーチをおこなう場合は、準礼装がよいでしょう。
一般の友人や仕事関係者であれば、略礼装でOK。ただし、略礼装といっても、礼装の一種であることをお忘れなく。
またひと口に「お呼ばれスタイル」といっても、服装はその場所や昼夜、季節などに応じて、それぞれにマナーがあります。お呼ばれするシーンと立場にふさわしい服装で参列することを心掛けましょう。
昼の披露宴
ドレス(ワンピース)について
まず、昼間の服装のマナーの基本として、素材は光沢のないもの、そして肌を露出しないという原則があることを覚えておきましょう。
日本ではワンピースといいますが、海外ではワンピースのことをドレスと呼びます。
昼間の正礼装は、長袖でスカート丈は足首が隠れるロング。準礼装は、長袖~中袖でスカート丈はふくらはぎ程度の長さ。略礼装は長袖~中袖で、座ったときに膝が隠れる程度のスカート丈が上品です。ジャケットを羽織る場合は、コサージュをつけると華やかさが増します。すべてにおいて、ドレスではなくジャケットとスカートの組み合わせでも構いません。
花嫁の色といわれている白は控えましょう。結婚式やその披露宴にお呼ばれをして参列する目的は、新郎新婦の結婚を心から祝うことです。主役は新郎新婦です。特に新婦を象徴する白を着ることは配慮に欠けるマナーのない人と思われてしまいます。
白以外であれば、特にどの色がよいという決まりはありません。黒や紺など、落ち着いた色を着用する場合は、アクセサリーの色で明るさを増すように工夫をしましょう。
また、明らかに殺生をイメージさせる毛皮や爬虫類系、ヒョウ柄などの素材は控えます。
靴について
礼装には、女性はパンプスを合わせるのが一般的です。しかし、身体や体調などの理由からパンプスを履けない方もいらっしゃるでしょう。そういう人はもちろん、無理をして履くことはありません。
パンプスを着用する人は、5センチから7センチ程度のヒールのものを履くと高すぎることもなく歩きやすいでしょう。また、これくらいのヒールの高さがあれば、ドレスとのバランスもよく脚を美しく魅せることもできます。
デザインは、つま先もかかとも覆われているプレーンな型が靴の格付けとしてNO.1なので、フォーマルな結婚式、披露宴ではプレーンなパンプスがマナーとして正解です。
オープントゥやバックストラップのサンダル、ミュールなどは靴の格としては低め。おしゃれなミュールもたくさんありますが、ミュールはもともと、大切な靴を保護するためにその上からつっかけて履いていた大変カジュアルなランクの靴です。もともとは乗馬用の靴であるブーツも同様、フォーマルな席には不向きといえますね。
また、フォーマルな場所の靴の素材は、布製が正式です。これは、殺生をイメージさせる革製品がこのような正式な場所にはふさわしくないという考え方からです。
しかしながら、現実的な問題として布製の靴はあまり店頭にありませんし、普段着用する機会も少ないでしょう。
大切なことは、このような知識は持っておき、意識をしておくことです。その上で、自分がどうするかを決めるのがベストです。
とはいえ、前述のとおり、革製品でも、明らかに殺生をイメージさせる爬虫類系やヒョウ柄、毛皮つきなどは控えましょう。できたら光沢やラメのないものが望ましいですね。
色の選び方ですが、ドレスが薄いピンク色であれば、靴は黒ではなく、ベージュのほうがマッチします。全体の色のバランスは大切です。
バッグについて
会場に持っていくのは、小ぶりなバッグひとつです。
小ぶりといっても、貴重品、ハンカチ、お化粧直し品、カメラ(スマホなど)は入るものが便利ですね。
クラッチバッグタイプでもハンドルつきでも構いません。
昼間ですから、光沢のない素材で、靴と共布であるのが正式です。
アクセサリーについて
昼間の式や披露宴には、ダイヤなどキラキラ光るものは控えます。光らないマットなアクセサリーが正式です。パールは昼も夜もOK。
ネックレスは長すぎると食事の際などに邪魔になる可能性があるので、首元におさまる長さが無難です。また、ネックレスとイヤリング(ピアス)は、セットでつけるのが正式ですので、どちらかひとつをつけるのも控えましょう。ネックレスとイヤリング(ピアス)を両方つけることが正式なトータルファッションのマナーといわれています。
コサージュをつける際にも光沢のないものを選び、華やかさを演出します。
髪型について
お辞儀などもするので、髪の毛が顔にかからないよう、肩よりも長い髪の毛はアップにまとめて華やかな雰囲気にするのがいいでしょう。
お祝いの席ですから、髪型も普段より華やかにして祝福の気持ちを表しましょう。
自分でセットするのが難しい場合は、美粧院でセットしてもらうのもひとつです。ショートヘアの人は、耳の上にちょっとした飾りをつけてみるのも素敵ですね。
夜の披露宴
ドレスについて
夜のドレスの基本は、腕を出してもいいということです。
夜の結婚式、披露宴の場合の正礼装は、スカート丈が足首よりも長いロングで、肩は出さないノースリーブ。ロングの手袋をしてもOKです。準礼装のスカート丈はロングかふくらはぎくらいまで。背中の開いているドレスでもOKです。略礼装は、スカート丈は膝丈程度で、ノースリーブです。
素材は、光沢のあるシルクやラメ入りなどが正式です。
色は昼間同様に白は控えます。あくまでも、新郎新婦が主役であることを心得て、新婦よりも目立つことはNG。ビビット系のお色は控えたほうが無難ですね。
また、新婦のお色直しのドレスと同じ色にならないようにしたほうがいいともいわれています。仲のいい友人や親戚であれば、事前に聞いてみてもいいですね。
また、殺生をイメージさせる柄や素材のものも昼と同様に控えます。
靴について
基本は昼間と同様ですが、夜は光沢のあるエナメルやラメ入りの素材はOKです。
バッグについて
昼間同様に、靴とお揃いの素材のバッグを持つのが正式です。
夜はキラキラとビジューやスパンコールつきのものでもOK。
大きさは、昼間と同様に小ぶりなものを持参します。
アクセサリーについて
夜は、ダイヤなどキラキラと光るアクセサリーをつけましょう。
昼同様にネックレスをつけるなら、イヤリング(ピアス)もつけるのが正式です。
髪型について
こちらも、昼同様です。ヘッドアクセサリーは光物をつけることで、さらに華やかさが増します。
二次会のみ参加の場合
二次会といっても、結婚をお祝いする場。基本的には、略礼装で参加すると心得ておけば問題ありません。
二次会でも、披露宴で見せることのできなかった新婦のドレス姿が披露される場合がなきにしもあらず。そういう意味においても、略礼装で参加していれば安心です。
とはいえ、マナーは、TPPPO®︎が大事。ひと言に二次会といっても、その会場や自身の立場などによって服装も変わります。
たとえば、二次会が高級レストランやホテル内のお店、船上、船内といった、高級な場所であれば、略礼装で参加しましょう。カクテルドレスや、膝丈のノースリーブドレスにコサージュやアクセサリーで華やかさを増すのがベストです。
靴とバッグは共布が正式ですから、こういった場所での二次会は可能な限り正式なスタイルで参加しましょう。きっと「わかっている女性」と評価されるはずです。
髪型は、ヘアアクセサリーはつけなくてもいいですが、ロングヘアの人は、アップにまとめたほうが、華やかさが増すのでオススメです。
一方、上記以外の場所であれば、略礼装でも少しカジュアルに近づけてもいいですね。
たとえば、ワンピースであっても、コサージュはつけずに、ネックレスとイヤリングのみのアクセサリーにする。靴とバッグは、共布でなくてもよく、殺生を連想させない革製品であればOKである、と変化します。
また、仕事などでも着用しているスーツやワンピースであれば、小ぶりのコサージュやブローチをつけるなどの配慮でお祝いの気持ちを表現しましょう。
なお、明らかにカジュアルなお店で、親しい友人たちのみでの集まりの場合で、新郎新婦からの案内も「ラフな格好で」とあれば、そうすることがマナーとなります(念のために事前に確認しましょう)。
その上でラフな服装で参加することはアリです。その場合は、ラフな服装のなかにも、新郎新婦を祝福する気持ちをさりげなく伝える配慮があると素敵ですね。
たとえば、夕刻から夜の二次会であれば、キラキラハートのブローチをつけるなどです。
結婚式・披露宴に参列するときと二次会のみ参加のときの服装のちがい
招待状に、「平服でお越しください」と記載があれば、結婚式、披露宴、二次会であっても、その指示に従うのがマナーといえます。平服というのは、略礼装のことです。
特に指示案内がない場合は、前述のとおり、それぞれの場面においてTPPPO®︎に応じて異なります。
二次会はその形態や趣旨にもよりますが、結婚式や披露宴と比較し、フォーマル度が下がります。そこで、正式なスタイルでなくてもいいという点がもっとも大きなちがいとなります。
たとえば、英国などでは、女性はスカート(ドレス)が正式ですから、正式な場ではパンツスタイルの女性は会場に入れてもらえないこともよくあります。しかし、二次会であればパンツスタイルでもOKというようになります。
続いては、季節別の服装マナーについて解説します。