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知ってるようで知らない。「トランスジェンダー」とは何か

豆 林檎

トランスジェンダーは自己診断できる?

今回も、「自分がトランスジェンダーかも、と思った人向けに、セルフチェックできるリスト」を依頼されたのだが、トランスジェンダー「かもしれない」という状態がもし存在するのであれば、多くの場合「自分は同性愛者かもしれない」と一度は悩んでいると思う。

本来、「恋愛対象」と「自認する性別」に関連性はないのだが、同性愛者の人も「同性を好きになるということは、自分は逆の性別で生まれてくるはずだったのでは」と悩む人も少なくない。

それは一様に、世間がヘテロセクシャルを前提として回っているからだ、と思っている。

性同一性障害の診断ができるのは専門の医師のみ

トランスジェンダーの中でも、トランスセクシャル(性同一性障害)と診断できるのは、専門的な知識を有する医師のみだ。

(戸籍の性別変更をするための)法律的な基準

法律的には、性同一性障害特例法で定められた規定があり、これは2004年に施行された。この法律が、心と体の性が一致せず、体の性別に強い違和感を抱える性同一性障害の人たちの戸籍の性別変更を可能にしている。

1. 20歳以上
2. 現在結婚していない
3. 未成年の子どもがいない
4. 生殖腺や生殖機能が永続的にない
5. 専門的な知識を有する医師2名以上によって、「性同一性障害」の診断を受けている

4.を満たすには事実上、性別適合手術を受ける必要があり、手術を受けたくないトランスセクシャルたちを悩ませている。

2.に関しても、問題は浮上している。京都市の50代の企画経営者が性同一性障害と診断されて女性への性別適合手術を受けた。しかし、結婚しているために戸籍を変更することができなかったため、現行の性同一性障害特例法の規定は違憲であると主張し、2019年2月6日、京都家裁に裁判を申し立てることがわかった。

トランスジェンダーのセルフチェック

たとえば、自分がトランスセクシャルではなくとも、Xジェンダーや2スピリットかもしれない、と疑っている人は、自分に下記を問うてみてほしい。

・第二次性徴期に自分の体の変化がはじまったとき、猛烈に違和感を覚えて、自分の体が嫌になったことがある。

・自分の「セックス」に合うトイレに入っているのに、周囲の目が気になる。

・トイレで「こちらは男性用(あるいは女性用)ですよ」と声がけされたことがある。

・洋服を買うとき、つい自分と反対のセックスの服に目が行く、もしくは反対のセックスの服ばかり買ってしまう。

・今日は男! 今日は女! と、日によって自分のジェンダーが揺らぐ。

・会社や学校、公共の場で「男性(あるいは女性)なんだから○○しろ(したほうがいい)」などと言われることが苦痛だ。

・行動原理や好みに、性別が含まれていない(女の子だからプリキュア! 男の子だから仮面ライダー! ではなく、幼い頃から性別の好みに囚われたことがない)。

大まかに言えば、「自分が自認している性別に、一度でも疑問を抱いたことがあるかどうか」をキーに考えてみると、わかりやすいかもしれない。

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