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山本裕典は「悪い男」? 空白の2年間を告白

マイナビウーマン編集部

約2年間、芸能界から姿を消していた「あの男」が帰ってきた。

2017年3月に前事務所との契約が終了になり、芸能活動を休止していた俳優の山本裕典さん。ドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』や『桜蘭高校ホスト部』などで女性たちの人気をさらっていただけに、その報道が出たときは世間を騒然とさせ、同時にあらゆる“悪い噂”も飛び交っていた。

そんな山本さんが芸能界に本格復帰を決めた今、何を語るのか。活動休止していた本当の理由や、今の正直な気持ちを聞いた。

活動休止して1年は、テレビをつけられなかった

「今日はよろしくお願いします!」

初めて会った山本さんが、噂で聞いていたイメージとあまりにもちがうものだから驚いた。ひと言で言うなら「明るくてやんちゃなお兄ちゃん」。メイクさんやカメラマンさん、まわりのスタッフ全員を巻き込んで笑顔にさせるほどの快活さがあり、それでいて礼儀も正しい。

だけど活動休止の理由を聞くと、明るい笑顔から一転、どこか物悲しそうな表情を浮かべた。

「所属していた事務所との契約が終了になり、当時はいろんな報道をされました。それこそ、犯罪やクスリをやっているとか、ありもしないことばかり。本当の理由は、単純に方向性の問題。それだけなんです」

芸能活動を休止している間は、飲食店の経営やクラブのDJなど、それまでとはまったく別の分野に没頭していたという山本さん。しかし、心のどこかで“芝居”への未練があったのかもしれないとも語る。

「休止してから最初の1年は、テレビをつけられなかった。自分より年下の俳優たちががんばっているのを見るのがつらかったんです。それでも芝居を見るのは好きなので、NetflixやAmazonプライムで映画を観ることはありました」

休止期間中も、仕事のオファーが来ることは度々あったし、復帰を待ち望むファンからのコメントも多かった。だけど「いつか戻りたいけど、まだいいかな」の繰り返し。なんとなく踏ん切りがつかず、先延ばしにしていたそう。

そんなある日、山本さんの気持ちを突き動かす出来事があった。

「地方のとある居酒屋で、たまたま意気投合したお客さんに『裕典が表舞台に戻ることを待っている人のほうが圧倒的に多いと思うよ』と酔っ払いながら言われたことがあって。そのときは『そんなことねーだろ、別に』って突っぱねちゃったんですけど、その言葉がずっと心に引っかかって離れなかったんです」

DJ活動をしているときも、俳優時代から応援してくれているファンが来てくれたのを見て「本当はこの子たちも僕の芝居を見たいのかな」と考えるようになり、いつしか「支えてくれている人たちに恩返しをしたい」という気持ちに変化していった。

優等生でいようとするのは、もうやめた

活動休止から約2年後。2019年3月公演の舞台『となりのホールスター』主演と、広告の仕事の話が同時期に舞い込んできた。2つのオファーがたまたま重なって、「今が戻るべきタイミングかもしれない」と感じた山本さんは、芸能界への本格復帰を決めた。

「叩かれるのは十分承知です。怖いけど、失うものは何もない。経験値には自信があるから、焦らずに自分のペースでがんばります」

復帰を公表してから間もなく、LINE LIVEの生配信にも登場。ファンからの「どうして休んでいたんですか?」「休止中は何をしていたんですか?」などの質問コメントにもすべて正直に答え、その堂々とした姿はSNSやネットニュースでも話題になった。

優等生でいようとするのは、もうやめました。今は応援してくれるファンを大事にできたらいいなと思っています」

そう言って、吹っ切れたように笑う。「ほかにも何か心境に変化はありましたか?」と聞くと、今度は真剣な眼差しをこちらに向けた。

「仕事へのスタンスもだいぶ変わりましたね。2年前までは変なプライドが邪魔をして、ドラマに出るにも『3番手以内の役じゃないと嫌だ』と思うこともありましたが、今はどんな仕事にも誠実に取り組もうと思っています。ご縁があればたくさん話し合って、もちろんバラエティ番組などにもどんどん挑戦してみたいです」

毎日忙しなく仕事に追われているだけでは、見えないものがある。休んでいた2年間があったからこそ、モチベーションが増し、自分が本当にやりたいことや大事なものが見えてきたのだろう。だからこそ山本さんは「2年間休んでよかった」と語る。

「1年前はつけられなかったテレビも、今は毎日つけていますよ(笑)。昨日も、杉咲花ちゃん主演のドラマを観ました。花ちゃんとは昔『桜蘭高校ホスト部』で共演していたんですけど、当時はすごく小さかったのに今は主役を張っているなんて、本当にすごいですよね。僕も負けていられないなぁと思いました」

嘘か本当かもわからない噂のせいで、一時期は「悪い男」というイメージがついてしまっていた山本裕典さん。だけど、もっとみんなに知ってほしい。たった30分の取材でそんなイメージをあっさり覆してしまうほど、誰よりも正直で、ものすごく真摯に仕事に取り組む、かっこよくて素敵な俳優さんだってことを。

(取材・文:高橋千里/マイナビウーマン編集部、撮影:masaco)

※この記事は2019年02月01日に公開されたものです

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