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若者の結婚離れが深刻に? これからの結婚のあり方とは

にらさわあきこ(文筆家、美容研究家)

こんにちは。「恋愛・婚活研究所」主宰のにらさわあきこです。最近、若い人たちの結婚離れが深刻化していると言われます。どうしてそんな風に言われるようになったのでしょうか? 実情と原因を紐解いていこうと思います。

結婚離れが深刻化!?

まずは、実情から見ていきましょう。5年ごとに行われる国勢調査では、年齢別の結婚率を発表しています。その中で20代後半~30代前半の結婚率の変遷を取り上げてみましょう。

結婚離れは本当に深刻化しているの?

2015年の国勢調査によると、25~29歳の男性では、およそ3人に2人(72.7%)が未婚、女性は6割(61.3%)が未婚でした。30~34歳では、男性はおよそ半数(47.1%)が、女性は3人に1 人(34.6%)が未婚でした。30年前にさかのぼって1985年のデータと比べてみると、25~29歳の男性では60.6%が未婚、女性では30.6%が未婚(つまり女性の7割が20代で結婚)で、30~34歳となると、男性の未婚は28.2%、女性は10.4%でした。つまり30年前までは30代半ばまでに結婚する人が、男性では全体の7割、女性では9割だったのです。

<出典>http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/data/mikonritsu.html

結婚離れの主な原因とは?

では、なぜ結婚しない人たちが増えたのでしょうか? 結婚率の低下は、最初、「晩婚化が進む中での現象」としてとらえられていました。つまり、結婚するのが遅くなっただけという認識です。実際、平均初婚年齢は2015年時点では、夫が31.1歳 妻が29.4歳でした(厚労省「人口動態統計」より)。30年前と比べると、夫は3歳、妻は4歳上がっており、晩婚化が進んでいます。しかし、その後年齢を重ねて「そろそろ結婚したい」と思ったときにスムーズに結婚できるかというと、実際には難しく、「結婚するには積極的に活動しなければ」との意見から、『婚活』という言葉も生まれました。そうして今や、35歳以上の未婚率も上がり、一生結婚しない男女が増えているのではないかと予測されるようになりました。

若者の結婚離れが進んだ背景

そもそも晩婚化、すなわち「若者の結婚離れ」はどうして進んだのでしょうか? ひとつには、女性の社会進出が進み、いわゆる結婚適齢期という概念が変化したことが挙げられます。80年代までの女性は、「クリスマスケーキ」に例えられたことがあるように、24歳までに結婚するのが一般的とされる風潮がありました。けれどその後、4年制大学に進学したり、仕事を持つ女性が増えた結果、結婚を意識し始める年齢は後ろ倒しになっていきました。それと同時に、出産年齢に関する状況や意識も変わり、「少しぐらい遅くなっても」と考える男女が増えたことも若者の結婚が減った理由でしょう。

さらに、この10年ほどは、長引く不況から経済的な不安定さを感じる男女が増えており、取材する男性からは、「一人前になるまでは結婚できない」「収入が安定するまでは」という声を多く聞かされるようになりました。一方、女性の側からは、「出産時に収入が得られなくなることを考えると、今の自分の倍の収入がある男性が望ましい」という声が挙がっており、そのミスマッチも結婚離れを進めている要因のひとつと考えられるかもしれません。

働き方の変化も要因

また、「そもそもの出会いがない」という男女がとても多いです。働き方が以前と変わり、終身雇用時代のように同じ職場にずっといることで作られる「人間関係」が持ちづらくなったのも理由のひとつかもしれません。つまり、「身近にある人間関係から結婚に至る関係を作りづらくなっている」のがひとつと、職場で「おせっかいな既婚者」との関係ができづらくなったことが原因です。自力で結婚相手を探さない場合の「他力」が身近になくなった……という事態です。日本では、お見合いという形式があるように、少し前までは「他力」で結婚していた人が多数でした。また職場や親せきからの圧力のようなものもあり、「何歳までに結婚しなければ」という意識や、実際の紹介が結婚を後押しした面もあったでしょう。それらが近年失われたことも、結婚離れが進む一因となったのではないでしょうか。

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