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仕事の仕方や傾向は? 「ゆとり世代」の特徴

山本喜一(社会保険労務士)

中田ボンベ@dcp

ゆとり世代社員の特徴

ゆとり教育を受けた世代のうち、そのほとんどがすでに社会人となっていますが、仕事面ではどのような特徴があるのでしょうか? 同じく山本先生に聞いてみました。

仕事の仕方

ゆとり世代特有の仕事の仕方としては以下の傾向が強いようです。

(1)嫌いなことはしない

たとえば、オフィスにかかってきた電話を取らないので「どうして取らないのか」と聞くと「対応できないので、取りたくない」と答えるなどです。「失敗したくないからやりたくない」など、個人の感情で業務をするかしないかを判断することが多く見られます。

(2)ストレス耐性が低く打たれ弱い

業務上の注意をした翌日から出社しなくなり、そのまま連絡がつかなくなったなど、すぐに「駄目だ。辞めたい」と深く落ち込んでしまう傾向があります。ストレスに慣れていないことで、自分のストレス解消方法がわかっておらず、感情をコントロールできなくなることも多く見られます。

ちょっと注意をされたり、挫折に直面したときに、失敗を乗り越えようとか、これまでの経験を生かして次は失敗しないようにしようという気持ちがありません。叱られると過度に落ち込んでしまい、元気になるまで時間がかかるので、取り扱いに注意が必要です。

職場の人間関係

チームプレーが苦手

自分中心で物事を考え、他人のことを考えない人もいます。ゆとり世代は基本マイペースな人が多いと感じます。「個の力」を重視し「チームプレー」が苦手なので、チームとしてうまく行動できず、チームでひとつのことを成し遂げるということが苦手です。

リアルなコミュニケーション力が低い

また、SNSが発達したことにより、リアルなコミュニケーション力が低く、自分から積極的に人とかかわろうとしない傾向もあります。上司や先輩が声をかけても反応が薄く、相手と仲よくなろうという気持ちが見えない態度です。マイペースでまわりと積極的・主体的にかかわろうとせず、気を利かせることがないので、言われたことしかしません。その点もほかの世代とトラブルになりやすい要因です。

仕事への価値観

(1)上昇志向がない(出世に興味がない)

仕事よりもプライベート第一主義で、ゆったりと生活したい人が多いため、会社でも出世を気にしたり、出世競争に参戦することがありません。そのため、人よりもがむしゃらに働いてリードしようとするガツガツしたタイプとの相性が悪いです。

(2)給与が多くなくてもいい

給与の額について、「責任が大きくなったり自由が少なくなるくらいなら、生活できる程度の給与があればいい」と考える傾向にあります。昇進についても、責任だけ大きく増えて給与がそれほど上がらないとなると、その昇進を断る人もいます。

(3)自分の時間を確保したい

古い世代には、自分の出世や会社のためにとがむしゃらに働く人がいますが、ゆとり世代はあくまでプライベート優先です。そのため、残業や会社の親睦会より、友だちとの予定を優先します。アフター5に会社の付き合いを求めると平気で断ります。また、上司からの飲みの誘いに対して「それ残業代出ますか?」と言う人もいます。

(4)興味があることにはとことんこだわる

自分が興味のある内容だと、普通の人では考えられないような細かなところまで調べたり、その内容について会社の誰よりも詳しくなったりすることがあります。

次ページ:ゆとり世代社員との上手なコミュニケーション方法

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