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基本のビジネスマナー。正しい「お辞儀の仕方」とは

松本繁美(マナーアドバイザー)

ビジネスマナーとしてのお辞儀のポイント

一般的なお辞儀の種類についてわかりましたね。

しかし、ビジネスシーンでは、また違うルールが存在します。場面によって変わる、正しいお辞儀について先生に詳しくお聞きしました。

お辞儀するときの距離

お辞儀をするときは、ひじの長さの2倍ほど距離を取る

ビジネスの始まり、名刺交換時のお辞儀は不可欠で、互いの第一印象となる大切な要素です。このとき、相手との距離はどれくらい取ればよいのでしょうか。

これは、あいさつをしたり、物(名刺や書類など)を受け渡すのに必要な距離となります。

両腕の脇を締めひじを90度に曲げて、手先を前に出したときの距離で、相手も同様なので「ひじから中指までの長さ×2」が相手との距離の目安です。

これ以上遠いと、お尻を突き出した不格好なお辞儀になってしまいますし、近すぎても圧迫感や不快感を与えかねません。コミュニケーションを取りやすい距離感を認識できるようになりましょう。

着席時のお辞儀マナー

着席時はイスの横に立ってお辞儀するのがビジネスマナー

応接室や会議室など椅子がある場合、椅子の横であいさつやお辞儀をしてから着席します。

この時、お客さまを招く立場であれば、入室時はお客さまより後に座り、退出時はお客さまより後に席を立つよう気をつけましょう。

和室でのお辞儀マナー

和室でのお辞儀マナー

和室では「頭の位置」で関係性をはかるので、立ち上がってあいさつすると相手を見下ろすことになってしまいます(「頭が高い!」というセリフもありますね)。

座ったまま「座礼」をしますが、一度座布団をはずして畳の上でお辞儀をします。

手の付き方などはさまざまですが、まずは座布団から下座に降りるということを覚えましょう。

マナー違反なお辞儀

マナー違反なお辞儀

頭だけ下げる

マナー違反なお辞儀として、頭だけピョコリと下げるお辞儀が挙げられるでしょう。

腰から頭まで背筋を一直線にするのが望ましいですが、頭だけでお辞儀をする人が意外と多いようです。

頭だけペコペコ何度も下げる

同様に、頭だけペコペコ何度も下げるのも考えもの。お辞儀は回数ではなく、一度でも丁寧さや相手を敬う気持ちを表現できます。

座ったままお辞儀する

お辞儀は通常、立ってするものです。

たとえば、上司や先輩、客先より先に着席して待っていたとしても、相手が入ってきたら起立して「立礼」をします。座ったまま頭を下げるというのは、相手に不遜な印象を与えてしまいます。

立ちあがってまでお辞儀をする必要がないとき、例えば訪問先でお茶を運んでくれた人などには着席のままでも「ありがとうございます」などと声をかけ、少し頭をさげます。

猫背でのお辞儀

また、姿勢が悪く猫背なのもNGです。きちんと姿勢を正して、お辞儀をしたいものです。

笑顔に勝るビジネスツールはない

会釈は、廊下や道ばたで上司や先輩、知人やお客さまを見つけても、距離があって声をかけられないシチュエーションでも活躍します。

立ち止まって、にっこりと会釈をしましょう。笑顔に勝るビジネス・ツールはありません。

丁寧でしっかりしたお辞儀は、相手にとっても気持ちのよいもの。

さりげない笑顔とアイコンタクトをまじえて、すてきな印象を与えられる、そんなお辞儀ができるようになりたいですね。

(松本繁美)

※この記事は2017年08月28日に公開されたものです

松本繁美(マナーアドバイザー)

1994年に研修会社エル・ステーションLTD.を設立。マナーをはじめとして各種企業研修、講演会のプロデュースを手がける。専門学校の客員講師、雑誌や新聞のマナー記事の監修、TV番組のコメンテーターとしても活躍中。テーブルマナー、冠婚葬祭、ビジネスマナーなど、今どきのマナーのデザインで定評がある。

著書、監修 「ビジネスマナー講座」「冠婚葬祭暮らしのマナー大百科」(日本文芸社)、「大人のマナー基本はこれだけ」(講談社)、「贈るとお返しのマナー」「日常の食卓マナー」「はじめてのテーブルマナー」(主婦の友社)、「女性のためのマナーブック」(大泉書店)など多数

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