汗で肌が荒れるの……? 皮膚科医に聞く、夏のあせも、汗荒れ対策
本格的な夏になり、毎日暑い日が続きますが、みなさん汗対策はどのようなことをしていますか? ワキ汗や化粧崩れといった外見面だけではなく、あせもや汗荒れといった汗によって引き起こされる肌トラブルに悩んでいる女性もいるようです。今回は、「よしき皮膚科クリニック」(東京都中央区)の吉木伸子先生にあせもや汗荒れの原因と対策について聞きました。
Q.汗に関する肌トラブルで悩んでいることはありますか?
ある……38.2%
ない……61.8%
■かゆい
・「汗でかゆくなる」(29歳/医薬品・化粧品/秘書・アシスタント職)
■かぶれる
・「肌が弱いので、かぶれる」(26歳/アパレル・繊維/販売職・サービス系)
・「首筋が汗や水分で荒れやすいです」(34歳/医療・福祉/専門職)
・「股のあたりが汗で蒸れてジュクジュクになって皮膚がボロボロになるのが悩み」(35歳/小売店/販売職・サービス系)
■あせもができる
・「あせもができる」(27歳/その他/秘書・アシスタント職)
・「汗をかくところにあせもができてかゆいこと」(27歳/医療・福祉/専門職)
・「普段からあまり汗をかかないのですが、夏になり肘の裏や柔らかい部分に汗をかくと自分の汗にまけてしまい、かゆくなり赤くなり、あせもみたいになってとてもかゆい」(33歳/小売店/販売職・サービス系)
※マイナビウーマン調べ。調査日時:7月、調査人数:102人(22歳~34歳の働く女性)
マイナビウーマンの読者に上記のようなアンケートをとったところ、4割弱の人が汗による皮膚トラブルについて悩んでいるという結果が出ました。
さらに、肌トラブルが「ある」と回答した女性に悩みが解決したかどうかを聞いたところ、
94.9%の女性が「していない」と回答しました。理由として、「薬をぬっても一時的な効果で継続してかゆみをおさえられない」(27歳/医療・福祉/専門職)、「そういう体質なんだと思う」(27歳/建設・土木/秘書・アシスタント職)といった回答が挙がりました。
<あせもと汗荒れのちがい>
吉木先生:汗をかく季節になると「汗によるかゆみ」を訴える患者さんが増加します。汗をかくような作業環境や衣類で蒸れるような状況では、あせもや汗荒れに注意が必要です。
あせもは急激な発汗によって汗管が閉塞し、汗が詰まった状態になると発症します。小さな水疱がぽつぽつとでき、かゆい場合とそうでない場合があります。汗荒れは、乾燥やまちがったスキンケアによって皮膚が傷んだところに自分の汗が刺激になってかゆみが生じるものです。赤みを帯びてかゆくなり、かくとひりひりすることがあります。
それでは、下記のチェック表であせもや汗荒れになりやすい肌かどうかをチェックしてみましょう。「あてはまる個数が多いほど危険度大」です。
<「あせも・汗荒れ」危険度チェック表>
他のひとより汗をかきやすい
敏感肌だと思う
日中は外回りが多い
激しいスポーツをする
冬でもよく汗をかく
サウナ等、汗をわざと出すようなことを頻繁にしている
肌がかぶれることがよくある
汗をかいてもそのままにしてしまう
暑いところで作業する
制服等で蒸れたりこすれたリしやすい服を着る
<あせもと汗荒れの原因>
吉木先生:特に女性の場合は、あせもの原因として、下着のしめつけ、化繊の通気性の悪い下着を着ていることが挙げられます。汗荒れに関していえば、たとえば脇を剃って肌が敏感になったところに汗をかいて汗荒れになるなどがあります。
<あせも・汗荒れの予防>
吉木先生:あせもや汗荒れができやすいのは首や髪の生え際、ひじ、膝の内側といった関節の内側、おなかのベルトまわり、下着があたる部分、背中、太ももの後ろなどです。汗荒れを防ぐには衣類を工夫して通気性をよくすると同時に、肌を清潔にし、保湿も心がけましょう。入浴の際は、ゴシゴシ洗わないでやさしく洗いましょう。入浴後は保湿をしてクリームやローションを塗りましょう。
<あせも・汗荒れの対策>
吉木先生:あせもの場合は、かかずに放っておけば数日で自然治癒します。かゆい場合は市販のあせも用の薬を塗ってケアしてください。汗荒れの場合は、角質層を痛めないように保湿し、肌を健康に保つことが大事です。
<まとめ>
吉木先生によると、汗荒れで悩んでいる人の特徴として「年齢を問わず洗いすぎによる乾燥肌の人が多い」とのことです。汗をかくとつい体をゴシゴシと洗いたくなりますが、体はやさしく洗って入浴したあとやムダ毛の処理をしたあとは肌を保湿することを忘れないようにしたいですね。それでもあせもや汗荒れが改善しないようなら皮膚科を受診しましょう。まだまだ暑い日が続きますが、快適な夏を過ごしたいですね。
(取材協力:ユースキン製薬、よしき皮膚科クリニック、文:マイナビウーマン編集部)
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.21)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2016年08月14日に公開されたものです