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【働き方ラボ Part2】1カ月育休取得のヤフー男性社員が語る「断然取るべき理由」

女性と仕事との関わりは十人十色。私らしい働き方、私らしい生き方を模索するイマドキ女性たちに、識者の見解や企業の取り組みを通して、女性を取り巻く社会環境を読み解きます。

ヤフーのパパママ社員たちが集まり情報を共有する「育児休業者座談会」。男性の育児休業取得者として、インナーコミュニケーション室の高橋正興さんが壇上に立った。高橋さんは娘が生まれた昨年の11月5日から、約1カ月間の育児休暇を取得。出産当日の5日は午後休を取り、翌日は有休、7日~11日は特別休暇(配偶者出産休暇)を取り、12日はいったん出社して仕事を整理。13日から翌月の11日まで育休を取得したという。

インナーコミュニケーション室の高橋正興さん(右)と話を聞く女性社員(左)

育休を取った理由は2つ。1つは「毎日のことであれば、妻にとって夫が一番気楽に使える相手だから」。すなわち、出産直後の妻のケアとサポートだ。もう1つの理由は「小1の長男のジェラシーケア」。第二子出産後に、第一子が「赤ちゃん返り」を起こすなどナーバスになることはよく知られている。一時的に妻が第二子、夫が第一子と役割を分担するチーム体制をつくるというわけだ。

実はこの2つの理由のほかに「裏目標」があったという。それは、長期休暇によって「たまった家庭内タスクをこなすこと」と「生活習慣を改善すること」。日本企業の一般的な会社員にとって約1カ月の休暇は長い。育児が目的の休暇ではあるが、できるだけ有効利用するための「裏目標」も設定し、育休後の生活に備えた。

育休中は朝5時半から6時頃には起床し、洗濯、朝昼晩の食事作り、買い物、ゴミ出し、皿洗い、子どもの送りだし、掃除(2日に一度)、息子のお風呂や寝かしつけなども行っていたという高橋さん。育休を経験して、「育休は状況を整えて断然とるべき」と強調した。

理由は、生まれたばかりの娘の顔を毎日見られたことや、息子との時間をたっぷりと楽しめたこと。また、妻とのコミュニケーションも増えた。さらに大きかったのは、「家事負担の大変さを知ったこと」だという。たとえば、毎日3回の食事作り。作ること自体も大変だが、メニューを考えることがすでに「ひと仕事」だと実感したという。「料理は片づけて皿洗いするまでが料理」「抱っこはおむつを替えて寝かしつけるまでが抱っこ」と、「楽しいところだけやって育児をやった気にならないことが大切」と話す様子から、この気付きが復帰後の家事分担につながっているだろうことをうかがわせた。

家事や育児は一人ではできない。日本社会において男性の育児休業取得はこれからの課題だが、体験者が積極的に事例を語ることは、「男性も育休を取って当たり前」の空気をつくることにつながるだろう。

(次回更新)女性の育休取得経験者が語る、育休中の過ごし方の秘訣

(小川たまか/プレスラボ)

※この記事は2015年12月12日に公開されたものです

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