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【マネーレッスン】本当に自分のためになる? 「転職」にまつわるマネー事情

ヨダヒロコ/六識

風呂内 亜矢

風呂内 事務職であれば、経理処理ができるとか、秘書的な業務ができるとか、パソコン処理能力が高いとか、そういったところで他の応募者との差をつけることとなります。それらのスキルを客観的に判断する材料になるのが、資格でしょう。「簿記検定」や「秘書検定」、マイクロソフトのスペシャリストである「MOS」など業務に見合った資格を取得するのは、転職を有利に運ぶ方法のひとつです。

とはいえ、先ほども言ったように、単純に給与がアップしたからといって、そのまま生涯年収がアップするとは言えません。就労状況が悪く、長時間労働を余儀なくされ、そもそも仕事が続けられなくなってしまう可能性もあります。退職金も、就業年数に応じてパーセンテージを決めている会社はけっこうありますので、場合によっては今の会社に勤め続けるほうが最終的に手にする退職金が多いことも。そもそも退職金が出ない会社に転職してしまうケースだってあり得ます。

編集部 そう考えると、見極めが難しいですよね。ようこさんは今の収入でも貯蓄は確保できている上、月々の支出が収入を上回っているわけでもないので、安易に転職を考えないほうがいいのかもしれません。

風呂内 そうですね。転職先での仕事によほど求めるものがあれば別ですが、ただ条件面だけを上げようという転職では厳しいでしょうね。今の日本はどうしても新卒での就職活動がいちばん活況なので、転職でそれを上回るのは、自分の眼力に相当自信がないと難しいと思います。それなら、前述した資格取得を、転職のためではなく現職で評価を上げるために狙うという方向にシフトするのも選択肢としてはアリだと思いますよ。

編集部 今の仕事で給与のアップをめざすわけですね。ほかにも、転職の前にお金の面で心がけておくべきことはありますか? たとえば、なかなか転職活動がうまくいかないときに備えて、ある程度の生活費は貯めておいたほうがいいのでしょうか。

風呂内 退職すると雇用保険から失業手当が支給されますが、自己都合の場合、実際に振り込まれるまで3カ月半~4カ月はお金が入ってこないという状況が発生します。しかも、もらえるようになっても給与の半分ほどしか支給されませんから、生活費の6カ月分くらいは貯蓄を確保しておきたいですね。ベストなのは、次の会社が決まってから「辞めます」と伝えること。そして、どんなに仲のいい同僚でも、転職先が決まるまでは口外しないのもポイントです。

編集部 たしかに、転職活動が周囲にバレて、決まるまでの社内環境が悪くなるのは避けたいですね。最後に、30歳までに500万円以上の貯蓄をめざすようこさんがその目標を達成するために、現状ベースの収入でもできる家計簿の見直しポイントがあれば教えてください。

>次ページ:ようこさんの家計簿をチェック。見直すべき項目はどこ?

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