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頭痛は鎮痛薬の飲みすぎでこじらせる!? 「薬物乱用頭痛」を防ぐための鎮痛薬の服用法とは?

頭痛を感じると、その痛みを抑えるために鎮痛薬を服用する人も少なくないはず。でも、それが頻繁になると頭痛をこじらせてしまう危険性があるのだとか。東京女子医科大学脳神経センター頭痛外来客員教授の清水俊彦先生に詳しく聞いてみました。

「頭痛が起きるたびに鎮痛薬を服用し、それを頻繁に繰り返していると、徐々に痛みに対して脳が敏感になり、普段なら感じないような痛みまで感じ取るようになってきます」と清水先生。しかも、鎮痛薬が効いている間は痛みがおさまっても、薬の効果が切れるとまた頭痛がして鎮痛薬を飲み続けるという薬物依存の状態に。こういった薬の飲み過ぎによりこじらせてしまった頭痛のことを「薬物乱用頭痛」と言うそう。

「薬物乱用頭痛」になってしまうと、ほぼ毎日、朝から頭全体がぼわーんとした感じがし、痛みが出てきます。そのため、起きてすぐに鎮痛薬を服用する人も。そうすると、次第に痛みへの不安から抑うつ状態になったり、パニック発作を起こしたり、さらには、歳をとって頭痛がなくなった後も耳鳴りやめまい、不眠、イライラなど、さまざまな不快症状が出るなど、脳が必要以上に過敏な状態になってしまう可能性も!

「それなら、頭痛が起こったときに鎮痛薬の服用を我慢すれば『薬物乱用頭痛』にならないのでは?」と思うかもしれませんが、痛みを我慢し続けても、やはり痛みの水面下で脳が過敏な状態になり、頭痛が慢性化する危険性があるので、うまく鎮痛薬を活用するのがポイントです。

では、どのように鎮痛薬を服用すればいいかというと、服用回数を月10回までにとどめること。それ以上飲んでしまうと、脳が「薬物乱用頭痛」を起こしやすい状態になってしまうからです。また、できるだけ薬の主成分が単一成分のものを服用すること。複合成分の薬はものによって飲むと眠くなったり、成分の中に無水カフェイン(カフェイン水和物)を含んでいる場合は、鎮痛薬への依存が起こりやすいと言われているためです。

「頭痛とうまく付き合うには、緊張型頭痛の場合はストレッチをしてみたり、片頭痛の場合は強い光やニオイを避けるなど、頭痛が起こるのを未然に防ぐよう生活習慣や生活環境に気を配ることも大切です。でも、頭痛の前兆症状などが起こって鎮痛薬を使う際には、必ず用法・用量を守って服用してください」(清水先生)

ただ、服用回数が月10回以上になった場合はもちろん、もし鎮痛薬の効果が薄く感じてきたなど、気になることが出てきたらすみやかに医師の診察を受けてください。

(取材協力:清水俊彦、文:戸川光里)

※一部画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.31)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2015年10月05日に公開されたものです

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