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もう家政婦はイヤだ! 第2の人生を歩もうと考える、女の熟年離婚は損? 得?

長い結婚生活、家庭を顧みない夫に家政婦のような扱いしかされず、それでもじっと耐えてきた方。しかも夫が定年となり毎日家でぐうたらな暮らしぶり。もう、何をするにも生理的に受けつけない……そこでふと頭に浮かぶのが離婚でしょう。離婚をすれば第二の人生を好きなように歩める♪ 少々生活が苦しくたって、こんな夫といるくらいならマシ!と思いがちですが、ちょっと待って!熟年離婚は思った以上に、苦労しそう。そこでお金の面から損か得か、考えてみました。

離婚をして、もらえるお金は4種類


1)財産分与
これは結婚期間中に夫婦で築き上げた財産を、分けましょうということ。ただし結婚前から所有していた夫の家をあなたが守ってきたとしても、これは財産分与に入りません。退職金は財産分与の範囲内、ふたりでためた貯金も範囲内、など財産分与に該当するもの、しないものが細かく分けられています。借金も財産分与の対象!

2)慰謝料
夫または妻の浮気やモラハラ、DV、精神的苦痛に対して支払われるもの。性格の不一致は範囲外です。

3)養育費
食費、被服費、教育費を、親権者ではない側が親権者に支払います。子供が社会人として自立するまで。成人ではないので注意。

4)年金分割
年金を受け取る権利を夫婦で分けます。対象は婚姻期間中の厚生年金・報酬比例部分だけ。夫が厚生年金に入ったことがなければ、分割する年金はゼロ。夫の年金が全部分割されるわけではありません!

離婚をして、もらえなくなるもの


1)年金
何とか裁判を起こしても年金分割制度での分割は、厚生年金の1/2です。でも「遺族年金」なら争うことなく、3/4がもらえます。また、条件はあるもの、「加給年金」という扶養手当も! 家族手当みたいなものですから、離婚すればもちろんもらえません。

2)夫の相続財産の1/2以上
財産の相続権は、当然なくなります

3)保険金
受取人をあなたにしてあった場合、離婚によって変えられてしまう可能性が高いですね。
離婚をするともらえるものももらえなくなることが多いようです。それでも我慢ならない!という人は、一度実際に生活費を計算してみるのもいいでしょう。

こんな体験談を目にしました。

夫は家族のためを思い、病気を患っていたこともあり、自分に多額の生命保険をかけていました。妻はそうとは知らず、看病疲れとこれまでの苦労した結婚生活に疲れ、離婚を決断。とにかく自由になれたことはうれしかったのですが、現実はアルバイトをしながらの大変な生活でした。夫は病床から見事回復し、事業にも成功し、若い女性と再婚。かたや細々と孤独な生活を続ける妻。離婚を決断したのは間違っていたのだろうか、と複雑な気持ちだそうです。

お金ばかりが豊かな暮らしの条件ではありませんが、熟年ともなるとあらゆる面でお金はかかってきます。実際に身体にガタも来ますし、稼ぐことすらままならなくなるでしょう。熟年離婚で自由を手に入れるとしても、現実的な側面をしっかり見据えてから決断してくださいね! 楽しいシニアライフのために、今から準備しておくこともあるような気がします。

(鈴木ナナ/studio woofoo)

※この記事は2015年09月18日に公開されたものです

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