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【女の嘆き】「仕事ができない新入社員」の汚名は、どうやって返上すればいい?

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

<今回の嘆き>
今年の4月に入社した新入社員です。正式に配属が決まり、直属の上司がトレーナーになりました。事前に研修があったとはいえ、現場で新しく体験することも多く、思うように動けません。トレーナーに何度も同じことを尋ねては、「この前も教えたけど、メモは取っている?」とため息をつかれ、慌ててミスをしては、「ちょっと焦りすぎじゃない?」と呆れられ、なにかと人格を否定されているように感じて落ち込んでしまいます。社会人生活がはじまったばかりなのに、早くも仕事ができない人だと思われているようでつらいです。

 新しい環境では、誰しも本来の力をうまく発揮できずに悩む時期があります。この時期を突破するために必要なことのひとつは、業務の“仕組み(骨組み)”を知ることです。課された業務が何を達成するべきもので、どういう手順が必要で、どんな内外機関と協働して行われるのかという体系立てられた知識や経験があってはじめて、自分がその場で何を求められていて、どう振る舞うべきかが見えてきます。業務の仕組みを知らなければ、その業務を一連の流れとして見ることができず、意味を持たないバラバラの作業をこなすことになります。この状態が続くと、自身のモチベーションも保ちにくい上に、周囲の人たちからは「飲み込みが悪い」「応用がきかない」などという不名誉な評価を受けることになりがちです。

仕組みを知ることは、何も特別な人にしかできない難しいことではありません。たとえば、セルフサービスの飲食店の仕組みを知っているか知らないか、ということを例にとってみます。仕組みを知っている人は、自ら注文カウンターに赴き、メニューを見ながら注文をし、会計を先に済ませるという手順がわかっているので、店内に入ったらまずレジやメニュー表がある場所を探します。一方、仕組みを知らない人は、とりあえず空いているテーブルについたまま、自ら注文をするという行動を起こそうとしないかもしれません。極端ではありますが、これが仕組みを知らないことによって、自分がどう振る舞うべきかがわからず、目的を達成できない状態です。このことは、新しい環境やはじめての経験にはありがちなことであり、一度仕組みを知ってしまえばなんということはない種類のものです。

<女の嘆きの処方箋>

●その1 業務の“仕組み”を知るために周囲の協力を得る

はじめての業務で、その仕組みを十分に知った上で動ける人はほとんどいません。もし差が出るとしたら、業務の仕組みを見抜こうという意図があるか、周囲の協力を仰げるかという部分です。一度でも経験すれば、難なく仕組みを見抜ける人もいれば、何度もていねいに教わったり反復したりすることで自分のものにする人もいて、それも個人差の出るところ。

仕組みを見抜くための手っ取り早い方法は、わからないことがあっても実践してみること。そして、その実践について熟達者からアドバイスをもらうことです。自分なりに業務を行った経緯を、経験が十分にあるトレーナーに報告して、無駄と思う部分や改善の余地がある部分を、その理由とともにアドバイスしてもらいましょう。「なぜ無駄なのか、なぜ改善すべきなのか」という理由の中に、業務の仕組みを知るためのヒントが凝縮されているはずです。その際に留意すべきことは、自分の個人的な能力や人格について是正を求められていると思わないこと。アドバイスをもらう目的は、業務を円滑に行うための大前提である仕組みをいち早く知ること。あくまでも、仕事の効率を上げるために協力してもらっているのだという姿勢を保ちましょう。

●その2 自発的なコミュニケーションで協力体制を築く

多くのトレーナーは、トレーニー(指導を受ける人)が何につまずいているのか、どんなサポートがあれば伸びるのかを知りたいもの。トレーニーがやるべきことは、「自分は、なぜできないのか」という内向きの視点を、「自分は、どうしたらできるのか」という外向きの視点へ切り替えること。自発的にコミュニケーションをとることで、トレーナーとともに、問題解決をするという協力体制が築きやすくなります。

~自発的なコミュニケーションの例~
○口頭での業務説明を理解するのが苦手な場合
「視覚で把握したことは忘れにくいので、図式化された資料やサンプルなどがあれば業務説明のときに一緒に見せていただけると助かります」

○研修で得た理論と現場での実践が結びつかない場合
「実際にやってみて腑に落ちると安心するので、今からシミュレーションしてみていいですか。おかしなところはその場で指摘していただけると助かります」

○業務の一部を「作業」として任されてやりにくい場合
「お時間があるときでいいのですが、この業務の全体的な位置づけや目的を教えていただけますか。業務の流れを早くつかみたいので、ぜひお願いします」

新しい環境に入ったばかりのときは、誰でも「いまいち輝けない時期」があるものです。その時期に、必要以上に自尊心を損なうことなく、まわりのサポートを得ながら社会人としての顔(役割上の作法)を獲得していけたらいいですね。

※画像は本文と関係ありません

(心理カウンセラー:三吉野愛子)

※この記事は2015年08月31日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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