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【女の嘆き】ワケあり女で、文句ある!? 感情的にならずに切り返すには、どうしたらいい?

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

<今回の嘆き>
大学卒業と同時に結婚し、2年で離婚。25歳のときに今の会社に就職しました。今年30歳を迎えますが、いわゆる同期がいないため自分しか頼れず、年齢よりも大人びて見られることもあります。離婚したことは後悔していないし、出会いがあればまた結婚してみたいとも思います。ところが先日、後輩の男性に「先輩、ワケありなんですよね」と言われたことで気もちが揺らいでいます。同世代とはちがう経験をしてきたことが、すべてワケありというひと言で片づけられるのかと思うとむなしいです。

離婚に対する価値観は人それぞれですが、ゴシップ記事やワイドショーなどでは、離婚歴のある人を大げさに取り上げる風潮があるのは確かです。多くの人にとって、自分の常識ではかれない相手に歩み寄るという未知の領域への冒険をするより、相手の生き方にレッテルを貼って、慣れ親しんだ安全な領域にとどまるほうが楽なのです。

今回の場合も、本人は誇りを持って日々を生きているのに、「ワケあり」のレッテルを張られたことで、それまでのつらい経験、苦渋の決断、再起への努力のプロセスですら、すべて「失敗」とひとくくりにされたように感じたのでしょう。むしろ、ワケありの苦労や孤独の中でこそ、自己信頼や他者への慈しみが育まれるのですが、世の中には、そういった精神的財産の価値を理解できない人もいます。プライベートな経験が話題になるときは、目の前の相手のタイプを見極めて対処しましょう。

<女の嘆きの処方箋>

●その1 すべての人に理解してもらう必要はない

私たちは、誤解されたと感じると、正しく理解してもらおうと説明をしたくなりますが、その必要はありません。苦労をした人の体験談は、今まさに逆境にある人や人生の転機を迎えている人、または他者の体験から学ぼうとする人にとっては価値がありますが、そうでない多くの人にとっては好奇心の対象でしかありません。興味本位で聞いてくる相手にプライベートの切り売りをして傷つくことは、できる限り避けたいもの。苦労したことの価値は当事者が一番わかっているはずなので、「万人に理解されないからといって、自分の価値が減るわけではない」とドライに受け流すやり方も身につけて。

●その2 相手の独特の価値観を知って、冷静さを取り戻す

一般的に、人は自分の価値観フィルター(色眼鏡)を通して世界を見ており、好き勝手にものごとをとらえる傾向があります。たとえば、後輩男性の色眼鏡として「女性は一歩下がって男性に従うものだ」「女性はひとりでは生きられない弱い存在だ」というものがあった場合、自分の意志で離婚を決断し、たくましく自分の居場所を切り拓いてきた女性の生き方を、ありのまま受け入れることが難しいわけです。それで、「ワケあり」という既存の価値観になんとか押し込めようとしたのかもしれません。こういう場合は、彼にとってあなたの生き方が珍しかったというだけで、あなたの本質的な価値にかかわることではないと考えましょう。

●その3 複数の切り返し方を用意しておく

自分の歴史から過去の体験を完全に切り離すことは難しいもの。しかし、ときに古傷が痛んだとしても、自分を成長させてくれた貴重な経験であることに変わりはないはず。その価値がわからない人にまで、いちいち自分の生身の感情を見せる必要はありません。相手の出方や、そのときの自分の気分によって、複数の切り返し方(演技でかまいません)をあらかじめ考えておくといいでしょう。以下に一例を挙げてみます。

○先輩として、穏やかに諭してみせる
「どういうつもりで聞いているのかわからないけど、このご時世、そういう質問はコンプライアンス意識を疑われるよ。気をつけてね」

○毅然とした態度で払いのけてみせる
「たとえワケありだとして、あなたに迷惑かけた覚えはないけど。気安くプライベートに踏み込まないでほしいな」

○しみじみと等身大の本音を言ってみせる
「ワケありって、離婚のこと? 確かに大変な時期もあったけど、おかげさまで自信もついたし、たくさんの人に支えられていることもわかったし。ワケありというほどかわいそうなものじゃないから心配しないでね」

○大人のユーモアでかわしてみせる
「やっぱり、忍んでも忍びきれないワケありの魔力ってことよねぇ。一度ハマったら抜け出すのが大変よ。興味本位で踏み込まないことね~」

生きていれば誰でも、ワケあり体験のひとつやふたつあるものです。自分の人生に誇りを持って、前を向いて歩いていきましょう。

※画像は本文と関係ありません

(心理カウンセラー:三吉野愛子)

※この記事は2015年08月10日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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