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【女の嘆き】産休中で仕事をしていないのに、夫の愚痴も聞けない私は、妻として失格?

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

<今回の嘆き>
現在、産休中の身で、日中は子どもと2人で過ごしています。最近、仕事が忙しくなった夫が愚痴をこぼすのですが、私自身も慣れない育児で心身ともに余裕がなく、いつも言い合いになってしまいます。仕事もしていないのに夫を支えることすらできず、仕事のストレスを家に持ち込む夫にイライラする自分が嫌になります。この状態のまま仕事に復帰したら、家庭が崩壊しそうで怖いです……。

夫をねぎらい支える理想の妻のイメージと、育児疲れで夫をうとましく思う現実の自分とのギャップに葛藤が生じている……。こんなとき、「夫を思いやれない妻が悪いのか、妻の気持ちを考えられない夫が悪いのか」という二元論的な視点に立つと葛藤は深まるばかり。冷静に考えれば、誰でも心身に余裕があるときは、理想の妻のイメージに近い振る舞いができるし、いくつもの要因が重なって不調のときは、理想とはほど遠い振る舞いをすることもあるはず。いつでも正しくあろうとするよりも、「今の自分と相手」をありのままに受け入れ、そのときどきに合った現実的な方策でストレス状況を緩和させることが必要です。

<女の嘆きの処方箋>

●その1 自分を責める“厳しすぎるルール”を手放す

疲れているときに夫にやさしさや愛を求められると、「これ以上、私に求めないで」「私を攻撃しないで」と感情的になってしまうのは、相手の期待に応えられない未熟で無力な自分の姿を突きつけられるように感じるから。そんなときの妻は、自分の頭の中で何度も自動再生される“厳しい倫理観に基づいたルールやメッセージ”と闘っています。

○厳しいルールやメッセージの例
「限界までがんばりなさい」
「どうしてそれぐらいできないの」
「本当に何をやってもダメね」
「ぐずぐずしないで早くやりなさい」
「言い訳はやめなさい」
「自分を甘やかしてはいけません」

どんなに疲れていようと、上記のようなメッセージが頭の中で自動再生されるとしたら、なんとか自分を守ろうとして怒りがわくのも当然です。そんなときは、「がんばって夫を支えなくちゃ」という義務感よりも、「しんどいな、私も誰かに支えてほしいな」という欲求に目を向けることが大切です。

●その2 人にやさしくなりたいときは、まず自分にやさしくする

自分もしんどいのに何の助けも借りず、夫を支えようとしてもうまくいきません。「私はしんどくても我慢しているのに、目の前の夫ときたら、なんて甘ったれているんだろう」とイライラするのが関の山。誰かを助けたいときこそ、自分が助けてもらう体験が必要です。

筆者の話で恐縮ですが、私は疲れていて家族にやさしくできないとき、マッサージやカウンセリングを利用したり、信頼する友人たちに力を借りたりします。自分が本当に助けてほしいときに適切にケアされる体験をすると、幸せで満たされた気持ちや勇気がわいてくるのです。そうなってはじめて、相手を思いやる心の準備が整います。まずは自分をケアして心地よさを感じ、その心地よさをおすそ分けする気持ちで相手に接すると、自分も楽だし、よい関係を長く保てます。

○自分をケアする方法の例
・「無理だ、嫌だ」と思うことを根性でやりすぎない
・「遊ぶ、ぼーっとする、眠る」ことを自分にゆるす
・一時保育や実家の協力を得て、自分の時間を満喫する
・保育サービスがついている講座や集まりに参加する
・無料のホットラインなどで話を聞いてもらう
・信頼できる相手に気持ちを受け止めてもらう
・似たような立場にある人と情報交換をする
・マッサージやエステで身体をいたわる

●その3 表面的なイライラではなく、本当の気持ちを伝える

理想の妻であらねばならないプレッシャーが自分を追い詰めているとわかったら、それを夫とも共有してみましょう。もしかすると、はじめての育児で疲れている妻に愚痴ってしまうことや、妻を支えてあげる余裕がないことを、夫自身もふがいなく思っているかもしれません。このようなことは、お互いが怒りや勢いにまかせてやり合っている間には語られないデリケートな本音。「あなたを楽にしてあげたいが、そうできない自分に腹が立つ。理想の妻(夫)でないことを責められているように感じてしまう」という本当の気持ちを伝え合うことは、お互いの状況を理解し、無理のない範囲でいたわり合う気持ちを引き出すきっかけになるでしょう。

※画像は本文と関係ありません

(心理カウンセラー:三吉野愛子)

※この記事は2015年07月26日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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