毎日の「みそ汁」が便秘解消に効果的なワケ
女性にとって悩ましい「便秘」問題。何日も続くと、お腹が張ってつらいだけでなく、肌の調子もイマイチに……。お腹をスッキリさせたいけれど、薬には頼りたくない! という人も多いですよね。そんな女性を困らせる便秘を改善させるためには、「みそ汁」がいいって知っていましたか? そこで、便秘解消に「みそ汁」が効果的な理由について、管理栄養士の伊達友美先生に伺いました。
■日本人にはヨーグルトより「みそ」が◎
伊達先生によると、そもそも便秘の原因は、腸内環境の悪化だといいます。そこで摂取したいのが「乳酸菌」。ヨーグルトに動物性乳酸菌が含まれることは知られていますが、実は、みそにも大豆由来の植物性乳酸菌が豊富に含まれていて、腸内環境を整えてくれるそう。
「日本人には昔から食べなれている植物性乳酸菌が合いやすいので、みそはオススメ。アルカリや酸に強く、調理で加熱しても乳酸菌の力が保たれるのも特長です」と伊達先生。みそは加熱しすぎなければ、乳酸菌が腸まで届いて活性化すると言われています。
また、大豆に含まれるレシチンにはデトックス作用があり、体の中の毒素を排泄してくれるので便秘解消に役立つとのこと。
「逆に言うと、便秘になりやすい人はそういった成分が足りていないのかも? 普段からおみそ汁を飲まない人が増えてきているので、それがひとつの原因ですね」(伊達先生)。
■「みそ汁」パワーで冷え性も解決!
さらに伊達先生は、「冷え性に悩む女性にもみそがオススメ」と続けます。女性の便秘の原因は冷えや血行不良によるものが多く、そうした不調はビタミンEが改善してくれるそう。
「みそはビタミンEも一緒に摂れるし、マグネシウムも多く含まれています。マグネシウムはカサカサの便に水分を少し与えて出しやすくしてくれるので、便秘の人には重要なんですよ」(伊達先生)
さらに、水分不足の人は、冷たい水を飲みすぎるとかえって腸が冷えて便秘になることがあるので、腸を動かしやすくするためには温かい水分を摂ることが大切なのだそう。
「実は食物繊維もみそには多く含まれています。それを温かい水分、つまりおみそ汁として摂ることで腸を動きやすくしてくれるのです」と伊達先生。お茶など飲み物を飲むのとは別に、毎日「みそ汁」を摂ることも便秘改善のポイントなんですね。
■便秘に効くみそ汁の具材は?
ただ、「みそ汁をちゃんと摂る」ことがスッキリお腹にとって欠かせない、とは言っても、なにかと忙しい人にとって毎日「みそ汁」を作るのは少しハードルが高いような気がします……。
「和食は一汁三菜が基本です。汁物を必ず一品添える食べ方は、食文化としてもすごく重要。みそ玉をお休みの日にまとめて作り、ラップして冷蔵庫に入れておけば、お湯を加えるだけでおみそ汁が作れるのでオススメです」(伊達先生)。
「みそ玉」は、かつお節と、ワカメやフリーズドライのネギなどの薬味をみそで練って、丸めれば完成! それをマグカップに入れてお湯を加えれば、あっという間に「みそ汁」のできあがりです。みそ玉を作っておけば、毎日手軽に「みそ汁」が飲めそうです。
今回は、伊達先生イチオシの「便秘に効果的な具材」も教えてもらいました。
・海藻類(ワカメなど)
・なめこ
・山芋
・里芋
・オクラ
・納豆
・ごぼう
・人参
・かぼちゃ
伊達先生によれば、「ぬめりけのある野菜やきのこ類など、水溶性のある食物繊維を多く含むものが便秘には特に効果的。根菜類も食物繊維を多く含んでいるのでオススメです」とのこと。海藻類やなめこ、里芋などはみそ汁でも定番の具材なので、積極的にチョイスしたいですね。ほかにも、薬味にネギやタマネギ、ショウガや七味唐辛子を入れると、血行をよくして、体を温めてくれるのでオススメなのだそう。
また、「今日は『みそ汁』の気分じゃないな」というときは、「サラダのドレッシングにみそを混ぜたり、バーニャカウダにつけるディップとしてみそを使ってみては?」と伊達先生。乳酸菌を摂るという点では、みそを加熱せずに生で摂るのが理想的。みそ汁以外にも、どんどんみそを活用したいものです。
これから薄着になる季節。冷房のきいたところで長く過ごすことも増えてくるでしょう。体が冷えて便秘がちになる前に、しっかりと「みそ汁」を飲んで、ポッコリお腹も解消しちゃいましょう!
(鈴木亮介/OFFICE-SANGA)
※画像は本文と関係ありません。
※この記事は2015年05月27日に公開されたものです