人の悪口でも? 脳を老化させる原因、医師の見解は?
■人の悪口が脳を老化させるのか?
最近、書籍や海外の研究者の発表で、「人の悪口が脳を老化させる」という主張を目にすることがあります。しかし、基本的にそのようなことはないと思います。具体的に調査をしたわけではありませんが、人の悪口を言うにも感情をともなっていたりそれなりに脳を使っており、またそのようなことをすることが脳の老化とつながる関連性が医学的・理論的に説明できないと思うからです。
脳の老化の主な原因は加齢にともなう動脈硬化やタウ蛋白(たんぱく)といった老廃物の蓄積、神経変性、脳萎縮などが考えられていると思います。また、80歳の方の約半数が何らかの認知症になるとの情報もあります。それらを明らかに遅らせ、また予防することもできるのが動脈硬化を避けることなのです。
■脳の老化の予防方法
具体的には高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などの予防や禁煙が挙げられます。どのような影響があるのかも合わせてみていきましょう。
・高血圧
まず第1に減塩です。健康的とされる和食は塩分が多いのが欠点で、世界的には1日あたり5~6gの塩分摂取がよいとされますが、日本人の平均は10~12gと非常に多く、高血圧だけでなく腎臓や胃などにもとても負担をかけてしまいます。また、ストレス・疲労をためたりすることも血圧上昇につながりますし、寒いだけでも血圧は上がります。体重も重たいとそれだけ毛細血管が増え、送り出す血液がたくさん必要なので血圧もその分上がります。
・喫煙
血管を収縮させるのでそれで血圧が上がってしまいます。タバコの吸いすぎには注意しましょう。
・糖尿病
一気にドカ食いすることを避け、吸収が早いブドウ糖の多いものはなるべく避けることが大事です。そういった点では清涼飲料水などは避けるべきでしょう。野菜やきのこ、海藻などもよく取り入れたバランスのいい食事を3食、適量でとるようにしましょう。
・脂質異常症
特にLDL-コレステロールの高値に気をつけましょう。一般的な方は140未満、糖尿病がある方は120未満、心血管系疾患の経験がある方は100未満に抑えることが推奨されています。卵の黄身や肉類など動物性食品に多く含まれているのでこれらの摂取を少なくすることが大事です。
・高尿酸血症
脂質異常症とおおむね同じことがいえます。
■まとめ
人の悪口はある程度、ストレス発散になりよい面もあるのかもしれませんが、大きなトラブルにならないよう場所と話す相手には注意しましょう。
(文:30歳女性内科医/Doctors Me、構成:マイナビウーマン編集部)
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※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.07)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2015年01月19日に公開されたものです