風疹、はしか、おたふくかぜ……大人がかかると危険なのはなぜ?
■子どもだけの病気ではない。大人こそ要注意
風疹やはしか、おたふくかぜ、どれも聞いたことがある病気ではないでしょうか。これらは、昔から一般的に子どもの病気だと思われていました。確かに以前は小さいお子さんのかかる病気でしたが、最近は大人にも増えており、なおかつ子どものときにかかるよりも、ひどい症状になることがあります。一体どうしてなのでしょう?
■子どもよりも高い免疫力・抵抗力が重症化の一因!?
病気に対する免疫や抵抗力は子どもよりも、大人のほうが高いため、軽く済みそうにみえます。しかし実際のところ、その免疫力によって、侵入してきたウイルスに対し、より激しく攻撃を行うため、抵抗をしているときに見られる発熱などの症状が強く出てしまうことがあり、重症化しやすいとされています。また、成人の場合はもともとさまざまな疾患を患っている方も多く、それが重症化につながるというのも理由のひとつに挙げられるようです。
さらに、子どものときにかかる場合よりも、合併症が起こりやすいこともあります。たとえば、はしかでは一度感染すると、肺炎や脳炎などの重篤な合併症を起こすこともあります。この発生確率もやや大人のほうが高いといわれているのです。風疹では、特に抗体をもっていない妊娠20週までの妊婦が感染すると、生まれてくる赤ちゃんに先天性風疹症候群といって、心臓や聴力などに問題が生じることがあります。最近、この先天性風疹症候群の赤ちゃんが増える傾向にあり、成人期の予防接種の大切さが主張されています。
おたふくかぜでも、子どもでは合併症はほとんどないのですが、15歳以上の男性の約30%が睾丸炎を併発します。これは、睾丸が炎症を起こし、痛みと腫れをともない、発熱するといった症状をともないます。成人女性の場合、約7%が卵巣炎を併発。症状として、下腹部痛などがみられます。
■まとめ
これらは、子どものときに予防接種をせず、かからないまま大きくなってしまったり、予防接種での免疫が落ちてきてしまい、大人になってからうつってしまうこともあります。大人になってからも予防接種を受けて防いでいくことが大切ですね。
(文:38歳男性内科医/Doctors Me、構成:マイナビウーマン編集部)
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※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.07)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2015年01月12日に公開されたものです