お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

会議中なのに……突然の眠気に耐えられないのは病気?

Doctors Me

1カ月以上、続くようなら要注意

日中、突然の眠気に襲われたことはないですか? 睡眠不足、またはシフト制勤務の方には経験があるのではないでしょうか。しかし、睡眠時間が不足しているわけではないのに、日中、社会生活に支障をきたすような猛烈な眠気が生じたり、あるいは実際に眠ってしまうようなことが毎日、少なくとも1カ月以上続けば、過眠症かもしれません。

過眠の症状がみられる主な病気には「ナルコレプシー」、「睡眠時無呼吸症候群」があります。この2つの特徴を見ていきましょう。

過眠症の代表的な2つの病気

1.ナルコレプシー

「ナルコレプシー」は、夜間にしっかり眠っているにもかかわらず、日中に、耐えられないほどの強い眠気や居眠りが突然しかもひんぱんに現れる「睡眠発作」を主な症状とする睡眠障害です。

睡眠発作は毎日のように起こり、しかも、通常では考えられないような状況、たとえば、食事、会話、重要な会議や商談などの最中にも眠ってしまいます。居眠りは10~20分と短く、すっきりと目覚めることができますが、数時間後にはまた強い眠気に襲われます。

睡眠発作のほかのナルコレプシーの特徴的な症状としては、大笑いしたり、感激したり、びっくりしたり、などの急激な感情の高まりが誘因となって、ひざや腰や首、あるいは全身の筋肉が突然緩んで力が入らなくなる「情動脱力発作」、寝入りばなや目が覚めたときに体を動かそうとしても動かすことができない「金縛り」の状態になる「睡眠まひ」、入眠時に現実と錯覚してしまうほどの鮮明な夢を見る「入眠時幻覚」などがあります。これらの症状の出方の強さや程度には個人差があり、すべての症状が現れるわけではありません。もし、ナルコレプシーを疑うような症状がみられる場合は、できるだけ早めに精神神経科、神経内科などの専門医を受診しましょう。

2.睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、夜間の睡眠中に、呼吸が一時的に停止する状態や呼吸する力が低下する低呼吸の状態を何度も繰り返すことをいいます。睡眠が妨げられ熟睡することができないため眠りが浅くなり、日中に強い眠気があるほかに、朝起きたときに頭痛がする、頭がいつも重い、集中力が続かない、夜間のトイレの回数が増えるなどの症状が現れます。

睡眠時無呼吸症候群は、舌の付け根や軟口蓋(なんこうがい)といわれる部分が落ち込んで上気道がふさがれたり、「肥満」のために首の周りや気道、舌についたぜい肉が気道を狭くしてしまうことなどで起こります。また、肥満ではなくても「あごが小さい」、「あごが後退している」、「首が短い」、「へんとう腺や舌が大きいために気道が狭い」、「アレルギー性鼻炎などで鼻が悪い」、「加齢のために気道を広げておく筋肉が衰える」なども睡眠時無呼吸症候群を引き起こす原因となります。

このように、睡眠時無呼吸症候群では呼吸の一時停止や低呼吸によって血液や脳の酸素不足が続くため、血圧が上昇し、循環器障害や高血圧症、心不全、心筋梗塞などの心疾患、脳梗塞などの脳卒中のリスクが高くなります。習慣的に大きないびきをかく場合や気になる症状がある場合は、一度、呼吸器内科や耳鼻科、いびき外来などを受診し検査を受けておくといいでしょう。

まとめ

強烈な眠気に加えて、ナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群の症状がある場合には、すみやかに病院を受診し、治療をするようにしましょう。

(文:30歳女性内科医/Doctors Me、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.07)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年12月12日に公開されたものです

Doctors Me

医師をはじめ、歯科医、薬剤師、介護福祉士、栄養士、獣医、心理カウンセラーの6つの士業・専門従事者を擁する、総合型の健康Q&Aサービス。2013年8月のサービス提供開始以来、『安心をもっと身近に』というサービスコンセプトのもと、医師だけにとどまらず、専門資格を持つ多様な回答者を増やし、場所や時間を気にすることなく、さまざまな悩みを気軽に相談できるサービスを実現。https://doctors-me.com/

この著者の記事一覧 

SHARE