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デング熱以外にも、まだまだある。知っておきたい蚊が媒介する病気

蚊■蚊による4大感染症
以前、デング熱の感染が日本で注目を集めました。デング熱は蚊が媒介して感染しますが、実はデング熱以外にも蚊が媒介して感染する感染症があります。

1:「ウエストナイル熱」

ヨーロッパや中東、アメリカ、カナダと広い地域で流行が見られます。感染しても80%は症状が出ず(不顕性感染といわれます)、症状が出た場合でも頭痛や発熱、筋肉痛といったインフルエンザによく似た症状が見られます。

2:「チキングニア熱」

デング熱と同じようにヒトスジシマ蚊とネッタイシマ蚊と呼ばれる蚊によって媒介されます。症状はデング熱とよく似ていて、38度以上の高熱、関節痛、発疹などが見られます。重症化すると脳症や劇症肝炎を発症する場合もあります。

3:日本脳炎

昔から日本に存在している病気です。日本脳炎に感染しても発症するのは100~1,000人に1人程度といわれていますが、一度発症すると高熱、まひ、意識障害をともなう脳炎を起こし、20~40%が死亡するといわれています。予防接種があるので、予防接種をきちんと受けておくことが大切です。

4:マラリア

年間2億人が発症し、200万人が死亡している、世界でもっとも怖い病気のひとつです。典型的な症状は38度以上の高熱で、重症化すると腎不全、肝不全などの症状を起こして死亡する場合があります。マラリアの場合には予防薬・治療薬が存在するので、流行地域に行く場合には予防薬を内服してから行くようにしましょう。

■流行地域に旅行に行った際には要注意
現在、日本国内で流行している病気はなく、また人から人に感染することはないので必要以上に怖がる必要はありません。ただ、東南アジアなどのこうした病気が流行している地域に行く場合には、長袖、長ズボン、靴下、帽子などで肌の露出をできるだけ避けるようにしましょう。マラリア以外の蚊が媒介する感染症は、現在のところ予防薬や特効薬はなく、感染してしまった場合には対症療法が中心になります。東南アジアなどを旅行した後で、発熱や関節痛などの症状が見られる場合には早めに医療機関を受診するようにしましょう。
■まとめ

このように蚊が媒介する感染症には、さまざまなものがあります。海外旅行に行かれる際は、流行している病気を確認し、蚊にさされないようにしましょう。

(文:36歳女性内科医/Doctors Me、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.31)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年11月18日に公開されたものです

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