お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

人のあくびを見ると、思わず自分も……。どうして?

あくび■「伝染するあくび」の不思議
眠たかったり、退屈していたりすると思わずあくびが出ますよね。学校や職場ではできるだけしないように気をつけていても、ふと気を抜いた瞬間に出てしまうことも……。また、話をしている相手があくびをすると、つられて自分もあくびをしてしまう、といったこともあるでしょう。このような「あくびが伝染する」現象、不思議だと思いませんか?
■相手への共感を意味していた!?
実は、あくびに関しては謎が多く、動物があくびをする理由もはっきりとは解明されていないのです。過去に「酸素が足りないからあくびをする」といった仮説もありましたが、部屋の酸素濃度を変化させてもあくびの回数に大きな変動はなかった、とする海外からの報告もあり、現在では否定的な見解のほうが多いようです。人によっては、あくびをしている絵を見ただけでもうつってしまうという方もいますよね。

一方、なぜあくびがうつるのかについても、まだ研究段階で確実なことはいえないのですが、どうやら脳と密接な関係があるようなのです。特に、家族や恋人、友人など親しい間柄であればあるほど、あくびが伝染する確率は高く、また速いスピードで伝わるといわれています。実際に脳の画像を調べた研究では、あくびをしているときには、自分や他人の感情を処理する部分の脳が活性化していることがわかっています。このことから、あくびの伝染は、自分の前にあくびをした人に対する「模倣(まね)」や「共感」をあらわすのではないかと考えられています。

■“共感”という感情のない赤ちゃんには、伝染しない
このことを裏付ける例としては、まだ「共感」といった複雑な感情が発達していない赤ちゃんではあくびの伝染は見られないこと、自閉症や統合失調症患者など、表情やちょっとした振る舞いから相手の気持ちを読み取り、共感するといった部分を苦手とする人には、あくびの伝染は起こりにくいことなどが挙げられます。
■まとめ

現代の科学をもってしても、わからないことだらけでとてもミステリアスなあくび、この文章を読んでいるうちにあくびをした方もいるかもしれませんね。「退屈」、「眠気」ではなく、「共感」によるものだとうれしいのですが。

(文:32歳女性内科医/Doctors Me、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.31)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年11月17日に公開されたものです

SHARE