承認されたい大人が、承認されるために唯一やるべきこと
承認されたい人は、他者から承認されることばかりを意識し、望み、求めます。自分が他人を承認することなど考えてもいません。ここに盲点があるんです。実は、承認されている人は、他者を承認している人です。
承認されている人は、心に余裕が生まれるから他者を承認できる……というわけではありません。他者を承認するから、いい関係になって、他者から承認されるというほうが正解です。ということは、承認されたい人がやるべきことは、まずは自分から他者を承認することなんですよ。
■承認することで、いい人間関係を作る
他人を承認するということは、相手をほめ、認めるということが基本です。相手のすばらしいところを認めてしまうということは、自分のすばらしくないところを認めているようで、嫌な気分になるという人もいるでしょう。他人を承認してしまうと、自分が負けた気がする……これでは承認することなどできません。
承認すれば、相手はうれしくなりあなたに対していいイメージを抱きます。いい関係を築く方法です。もちろん、その後どのように振る舞うかは相手次第です。調子に乗って偉そうにされたら嫌だと不安になる場合もあるでしょう。でも想像してもわかりません。やってみればすぐにわかります。実際は大人同士の関係で、承認されたことで調子に乗る人はマレですよ。万が一そうなったときは心の中で承認を取り消し、その後のかかわりをやめればいいだけです。
■承認の仕方
承認というと、「いいね」と相手に評価コメントをすることのように誤解している人がいます。相手の言動行動に対して評価をしているように見えると、むしろ関係は壊れてしまう場合もあります。大人同士の承認は、共感からのスタートです。それは好意を上手にばらすことと一緒です。
「私も同じように思っていた」「私もそれが好き」……判断したり評価したりではなく、「私も同じ」「私も好き」を伝えることが大事です。言葉だけではなく、相手と同じ感情を、顔や声の表情で表すことがポイントです。恋愛感情など必要はありません。異性でも同性でも方法は同じです。
「勘違いされたりしませんか?」と心配する人もいますが、勘違いではなく、これが承認しているということです。言葉で承認するときは、できるだけ具体的にわかりやすく、相手に伝わりやすくすることです。
■承認する人の気持ちを知る
実際に承認しようと思うと、今度は承認することがいかに難しいのかがわかります。ひとこと「あなたに賛成!」と伝えたい気持ちがあっても、どのタイミングで、どんなふうに伝えたらいいのかと迷ったり、そもそも私なんかにそんなことを言われても重いかな? 負担かな? などと考えるとどんどんわからなくなって、結局何も言わないほうがいいかもしれないと思うことになったり。
承認したくないからではなく、承認するところがないからでもなく、気持ちがあってもなかなか承認できないという現実を知れば、承認されていないと思っていた自分が、承認されることがひとつもないダメ人間というわけでもなく、承認したくないと他者から拒絶された人でもないことに気づきます。
■「承認されたい人」から「承認する人」へ
承認されたい人は、実は他人を承認するのが苦手な人です。私なんかが他人を承認できる立場じゃない……なんて、承認することも怖がってあきらめていませんか? 承認する人に資格も決まりもありません。誰が承認してもいいんです。
承認されたらうれしいだろうと思うなら、承認して、誰かを喜ばせてみませんか? 「私に承認されても誰も喜びません」と思い込んでいるなら、ためしに承認してみてください。あなたからの承認で輝きはじめる人がいます。その人はあなたに感謝し、あなたのおかげだと言うでしょう。それが、他者を承認して、他者から承認される人になるということです。あなたは誰かの役に立ちながら、承認される人になっていきます。
■羽林由鶴からのメッセージ
承認されている人は、他人を承認している人。でも、大人になればなるほど、関係の薄い人に対して、わざわざ「あなたはすばらしい人ですね」なんていいません。承認されたいなら、まずは相手に興味を持って接し、承認する機会を作ること。これがお互いの距離を縮める方法です。その結果、承認しあう関係になっていけます。
(羽林由鶴)
※この記事は2014年04月02日に公開されたものです