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幸せなはずの「追われる恋」が、短命恋愛に終わるワケ

恋愛部長

「恋愛適齢期」が訪れるまで待ってみる

人生には、年齢には関係なく、さまざまな「今すべきこと」があります。たとえば、仕事に打ち込んで、結果を出すことかもしれませんし、やりがいのあることを見つけるために、あれこれトライしてみることかもしれません。もちろん、人生の伴侶を見つけて、子どもを産むことだってあるでしょう。でも、それは、一概に、「何歳はこれをやるべき」というふうに決まっているものではないし、個人個人の今までの人生の流れによって、変わってくるもの。人生とは、階段のようなもので、ある程度の“溜め”があって、そこの延長線上に次のステップがくる。決して、それまでにがんばってきたものではないものが突如出現することはないのです。たとえ、急にスポットライトを浴びて有名になった、シンデレラみたいな人がいたとしても、本人の、長い間コツコツとその道を極めて来た延長線上に、大きな飛躍がある。そういう意味で、明日は、今日の続きなんです。

だから、30歳になったから今までとはまったくちがう世界に飛び込む、とか、35歳になったから誰でもいいので結婚する、とか、そういうふうには人生はできてない。何かが熟したときに、次のやるべきことが現れてくる、そんなイメージです。そんな中、必ず恋愛がなければならない理由などないです。むしろ、人生の大切なジャンプのときに、恋愛が阻害要因になることだって、多々あります。

たとえば、私は、30代半ばにして、その当時付き合っていた人とお別れしたんですけど。その人と付き合いながら、私にはある夢があった。仕事上でのキャリアアップにつながることです。それを、当時の彼に話したら、一笑にふされたんですね。そんなことは必要ないし、馬鹿げていると。そうだな、とそのときは思いました。仕事も忙しかったし、彼との時間も大事だったから。でも、彼とお別れした後、急にその夢が頭に浮かんだんですね。そこからは、何の迷いもなく、その目標に打ち込みました。ちょうど失恋後で、恋愛に割いていた時間がまるまる空いたところですし(笑)、集中できましたね。その後、私は夢を叶えて、その後のキャリアにも役立つ経験を積むことができましたし、それに関連したことで、新しい彼もできました。

今思っても、あそこで、前の恋愛にこだわらず、いったん自分のキャリアアップに時間を割けたことがよかったんだと思う。人生では、恋愛以外に費やす時間も大事だということです

もしも、今、恋愛をする時期ではないのだったら、無理やり恋をしなければと思ってもうまくいかないのは当たり前です。それは、つまり、恋愛適齢期にはない、ということだと思う。別に、年齢が上なら適齢期がくるわけでもないですよ。人生のうちの、たとえば、仕事がひと段落した35歳から37歳が恋愛適齢期の人もいるでしょうし、人生の先が見えずに不安で、誰か伴走者が必要な25歳から29歳が恋愛適齢期の人もいるでしょう。その期間が長いか短いかも人それぞれ。でも、言えることは、誰かの手を必要としているとき、誰かを自分の分身のように愛さずにはいられない時期というのはあります。ある人といると、自分が無限の力を得たような、万能感を得られる。誰かとともにいる自分を素直に受け入れられる時期です。そういうときには、不思議と心が開いているものなので、どんどん恋の話も舞い込む。今までなんとも思っていなかった周囲の人の中にも、特別な魅力を感じることもあるでしょう。他人とつながりを持つことに、たとえようもない喜びを感じることになります。恋愛とは、そういう心の状態でするのがいちばんです。

恋愛は、結婚に直結します。結婚は出産に。だからこそ、女性はタイムリミットがある。それは事実です。でも、だからと言って、何事も恋愛優先にすることはありません。自分の人生にも、物事の順序がある。何かに打ち込み、すべきことをする時期がある。そのときに、無理やり恋愛を優先させることはない。というか、心が熟していないと、恋愛はできない、と思います。恋とは、損得勘定でできるものではありません。付き合う、というのも同じです。心に恋する余裕があり、その人を求めている状態でないと、うまくいきません。そして、別にそれでいいじゃないか、と私は思うんです。

恋をしなければ、というのは、単なる思い込み。まわりからの情報による強迫観念みたいなもの。本当は、そんなにいつも恋などしていなくていいんです。恋以外に集中することがあるなら、それをまずがんばればいい。その結果、自分という人間の心が耕されて、もっと別の視点ができ、そこから新たな出会いや、他人に対する発見が生まれる。

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