仕事や恋愛で、関係をより深く出来る方法―「返報性」を利用して関係を深める

スーパーの試食コーナーで実演販売員の人から手渡しで試食品をもらったとします。そのとき、「試食しちゃたからには購入しなくては!」という気持ちが起こることがありますよね。それは「お返ししなくちゃ」という本能的な気持ちが働いているためです。
【好きな人へのアプローチ方法「成功→酔ったふりして甘える」「失敗→好き好き攻撃をやりすぎた」】
そして、この感情は人間関係全般で起こりうるものなのです。
■恋愛における「好意の返報性」
例えば、あなたにとっては可もなく不可もなくといった印象の男性から、明らかにアプローチされていると気がついたとします。初めはなんとなく受け流していたのに、何度もそういう体験をすることによって、自分自身もその男性に対して好意を抱くようになる……こんな体験をしたことのある人もいるのではないでしょうか?
これは「好意の返報性」という心理が働いていることが考えられます。
ここで言う「返報性」とは、「何かをしてもらったらお返ししなければならない」という感情を抱くことを言います。この場合は「好意」を受け取ったため「好意」をお返ししたというわけです。逆に、「嫌悪」を受け取ったらやはり「嫌悪」を返すという心理が働きます。
確かに、自分のことを好意的に見てくれる人に対しては敵意を抱くことはありませんよね。そして、自分のことを明らかに嫌っている人に対して好意を持つ人もなかなかいません。相手に対して発信する「好き」「嫌い」の感情は、その人を通して自分に返ってきます。
■「返報性」を利用して関係を深める
誰かとの関係をよくしたい、深めたいと思うなら、この「返報性」を利用してみるのもひとつの方法です。
例えば「苦手だなぁ」と思っている人がいるとします。しかし、仕事上その人とは一緒に組むことが多く、できるだけスムーズな関係を築いておきたい……そんなとき、どういう行動を取ったらいいでしょうか?
あなたの苦手意識は、はっきりとではなくても相手に伝わるものです。でも、それでは関係がよくなることはありませんよね。それなら思い切って、相手へ好意をアピールするのはいかがでしょうか?といっても、好意的な感情がひとつもないのにそれを出すことはできないですよね。
まず、相手を観察し、少しでも「いい」と思えるところを探してみましょう。相手を認めることによって自分自身の気持ちも変化し、関係性が変わってくるかもしれません。
また、逆に好意を寄せている人には、さりげなくアピールしてみましょう。ただし、いきなり強いアプローチをすると、相手がドン引いてしまう可能性も! まずは、相手がほんのちょっと気がつく程度のアピールを目指しましょう。
ただ、相手があなたのことを疎ましく感じているようなら効果はあまりないと思ってよさそうです。あくまでも、相手の出方や様子を探りながらアプローチしていくことが肝心なのです。この「返報性」を利用して、苦手なあの人とも、ちょっと気になるあの人とも、距離を縮めてみてはいかがでしょうか?
※この記事は2013年12月07日に公開されたものです