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【新連載】Facebookにあがる幸せそうな彼女の姿がうらやましくて……

それでも頼んだ料理がやってくると、
ふたりとも弾けるように話し出した。
不思議なもので、美希といっしょだと、
学校の帰りに買い食いをしたことや、
おたがいの家で試験勉強をした、
もうずっとずっと昔のことが、
つい昨日のように鮮やかによみがえる。

ランチを終えて、その辺を散歩して、
またゆりかもめに乗っても話題は尽きず、
何度も何度も、お腹が痛くなるほど笑う。
そうしてまたわたしたちは、
汐留駅のからくり時計の前で別れる。

「それにしてもおたがい、
相手をうらやましがってたなんてね」
美希が言うと、わたしたちはまた笑った。
「美希、元気でね」
「うん。香澄、また会おうね」
これから先、わたしたちが再び会えるのが、
何年後になるのかはわからない。
でもその時は今日みたいにきっとまた笑い合える。

わたしは急に思い立ってスマートフォンを開き、
仁にメッセージを送った。
「来週の日曜会いたい。何時になってもいいから」

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