お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

プレッシャーが人に与える影響―「ヤーキス・ドットソンの法則」

大事なことを任されたり、人から期待されたりするときに感じる「プレッシャー」。強すぎると、ストレスとなって体調に悪影響を及ぼすこともありますが、程よいプレッシャーは逆に良い結果をもたらすことも。今回は、プレッシャーが人に与える影響についてご紹介しましょう。

【緊張しても瞬時に抜け出せる方法とは?「パブロフの犬になる」】

「プレッシャーを感じるとき」って、どんな状態?

プレッシャーとは、精神的な不安や緊張から過呼吸になり、「歓喜レベル」が異様に高まった状態のこと。大事な試合や舞台、テスト、商談など、「失敗は許されない」と思う局面で感じやすいと言われます。プレッシャーを感じると動機が激しくなったり、冷や汗が出たり、手足や唇が震えたり、めまいや吐き気が起こったりします。しかしあくまで精神的なものなので、プレッシャーの要因がなくなると症状は治まります。

多すぎても、少なすぎてもダメ

「プレッシャーに負けた」なんて言い方、よくしますよね。確かにプレッシャーを感じすぎると、良い結果がついてこないことも多いもの。でも実は、プレッシャーは多すぎても少なすぎてもダメなんです。

それを証明したのが、マウスを使った実験で発見された「ヤーキス・ドットソンの法則」。白と黒の目印を区別するよう訓練したマウスに、間違えたときだけ電気ショックを流して学習を促す、というものです。この実験で、ある一定のレベルまでは電気ショックが強くなるとマウスの正答率が上がり、強くなりすぎると逆に正答率が下がることがわかりました。つまり、最も高いパフォーマンスを出せるのは、適度な刺激(プレッシャー)を感じているとき、というわけです。

大舞台で「成功する人」と「失敗する人」の違い

「ヤーキス・ドットソンの法則」は、人間にも当てはまります。例えば、オリンピックに出場する選手たち。一流選手でも本番で練習通りの実力を出し切れない人は、電気ショックが強すぎた、あるいは弱すぎたマウスと同じです。一方、4年に1度の大舞台でメダルを獲ったり自己ベストを更新したりする選手は、ハイパフォーマンスを実現するための適度な刺激があったのだと考えられます。大事な局面で成功するためには、「ちょうどいいプレッシャーを感じること」が大きなカギを握っているというわけです。

過度なプレッシャーは、精神にも肉体にも悪影響を及ぼす。しかし、だからと言ってリラックスしすぎると、かえってパフォーマンスは下がる……。このしくみを理解して、プレッシャーを味方につけられれば、日常生活や仕事におけるセルフマネジメントも、もっとうまくいくようになるでしょう。

※この記事は2013年12月04日に公開されたものです

SHARE