“子育て期間”を視野に入れて。細く長く働き続けるライフプランの立て方
ママになっても働き続けたい。そう思うなら、結婚する前から人生設計を考えておくことが大切。だけど先のことすぎて、どうプランニングしていいのか正直わからない……という人も多いはず。そこで、少子化ジャーナリストの白河桃子さんに、ライフプランの立て方をアドバイスしてもらいました。
妊娠には期限あり。「いつ産むか」がひとつの基点に
今の時代、仕事の内容や働き方など何もかも自由ですし、結婚もいくつまでにしなくてはならないということはありませんが、妊娠には厳然たる“期限”があることを忘れてはいけません。40代で出産している人も多いですが、彼女たちは40代で産むのがすばらしいと思っているわけではない。彼女たちの多くが流産や不妊治療の経験者なんです。
そう考えると、一般的に言われているように、出産は「35歳」をひとつの基準にしたいところ。そうなると、ライフプランは28歳くらいから真剣に考えるべき。実際、ある企業では、28歳の女性社員を対象にした研修制度を導入しているんですが、そこに参加した先輩ママ社員が「28歳から45歳までの間で、どこに子育て期間を入れるのかを考えましょう」とアドバイスしたんです。まさにその通り。出産のあとには必ず育児期間がある。何年でフルタイム復帰するかは人それぞれですが、働くママになるなら、「いつまでに結婚して」「いつまでに産んで」「いつからフルで仕事をする」ことまで視野に入れた方がいいのです。
育休明けの女性は大きく4つのタイプにわかれる
未婚の女性であれば、まず結婚相手を見つけることが先決ですが(笑)、子育て期間を加味したライフプランを設計する際に大切なのは、「ロールモデルを見つける」こと。コツは、ひと昔前のスーパーウーマンなど遠い存在はめざさない。今は、普通の女性が産んで働く時代ですから、みなさんも5年先くらいのイメージの人を身近に見つけてほしいですね。どんな働くママになりたいかをイメージしておくだけも、今後の人生設計も立てやすくなるはずです。ちなみに、育休明けの女性の現状は、以下のような4タイプにわかれます。(育休後コンサルタント 山口 理栄さんの分類による)
■バリキャリママ
時短勤務を選ばず、出産前と変わらない働き方をする女性。ノー減速、フルスロットル。そのために、親を呼んで近くに住んでもらうなど、子育て環境を完璧に整えてから職場復帰しています。ひと昔前のスーパーウーマンに多いタイプ。
■お仕事セーブママ
もともとはバリキャリだったけれど、育児期間は仕事をセーブする女性。会社からの期待は高いけれど、本人の意識は抑え気味。
■現状不満ママ
仕事への意欲は高いけれど、「マミートラック(昇進・昇格とは縁遠いゆるキャリコース)」に入れられるなど、自分の期待以下の仕事しか与えてもらえず、不満を抱えているタイプ。最終的に仕事をやめてしまう女性も。
■ゆるキャリママ
もともと9時〜17時(残業なし)の仕事をしていて、結婚したら家庭がいちばん。時短勤務も制度いっぱいに取るが、細く長く働き続けるタイプ。
こうして見ると、ずっとバリキャリでいきたい人は別として、一度は“ワークダウン”するということを悲しまないことが、長く働き続けるポイントに。特に「現状不満ママ」はワークダウンしてしまったことにショックを受けて「何のために子どもを保育園に入れてまで働いているんだろう」と自分を見失ってしまいがち。だけどこれからは「夫婦ふたりで家事も育児も家計も分担する」時代になっていきますし、育児がひと段落した女性が活躍する場も増えていくはず。なので、「ワークダウンも今は必要」と割り切って、会社をやめることだけは選択しないでもらいたいですね。
→[次ページ] 今の職場が“産める”会社かを見極めるポイント
■監修 少子化ジャーナリスト・白河桃子さん
少子化ジャーナリスト、作家、山田昌弘中央大学教授とともに「婚活(結婚活動)」を提唱し、共著の「婚活時代」(ディスカバー21)が19万部のヒットに。また、女子学生のための「仕事、結婚、出産、ライフプランニング講座」の出張授業なども行う。
著書に、国立成育医療センター 母子医療診療部不妊治療科医長・齊藤秀和先生との共著「妊活バイブル」、「女子と就活 20代からの就・妊・婚講座」などがある。 最新刊は、「婚活症候群」(ディスカバ―21)、「格付けしあう女たち 女子カーストの実態」(ポプラ社新書)。
http://ameblo.jp/touko-shirakawa/
※この記事は2013年11月13日に公開されたものです