お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

【新連載】29歳、彼氏いない歴5年! 私、結婚できるのかな?

姉はしばらく、天井に視線を向けながら、
紅茶を飲んでいた。考えているようだった。
「そうね。売り込むより
相手を受け入れる努力をした方が、
ずっとうまくいくんじゃないかな……」

「えーっ、まわりにぜんぜん男性いないのに?」
わたしが口を尖らせると、
姉は2人分のカップに紅茶をそそぎながら言う。
「だったら、いる所に行けば?
スクールに通ったり、スポーツしたり。
新しく女のコが来れば、
みんな最初だけでも一応は注目するはずよ」
「そんな、最初だけでもって……」
「ごめん。でもフィーリングの合わない場は
さっさと去った方がいいと思う。
出会い以外の目的があるならば、別だけど」

ちょっと癪にさわったけれど、
わたしは姉の言い分に納得せざるを得なかった。
「わかった。次からその線でいく」

それからは話題を変えて、
しばらくドラマの話で笑い転げた後、
空が夕焼けできれいなオレンジ色に変わる頃、
わたしは姉の家からおいとました。

次のページを読む

SHARE