【新連載】29歳、彼氏いない歴5年！　私、結婚できるのかな？

読書会の人たちと飲みに行く時は、
朝集まった時よりも、気持ち華やかな服にした。
不思議なもので「よし、婚活がんばるぞ」
と思っていた時より今の方が、
飲み会への参加もずっと楽しみで、ウキウキした。

「こんばんは」
飲み会の場所は少しおしゃれ目な個室居酒屋で、
わたしは男性3人を前に圧迫感を覚えながらも、
やはり悪い気はしなかった。

「読書会でもしたけど、あらためて他己紹介ね。
こいつが矢田部聖、31歳。
Hメーカーの食品開発部で3人の中では、
一番出世が早そうな予感のする人」

「いや、予感だけでビリの可能性も大きいけど。
で、今ぼくを紹介してくれたのが、
R電気の支援営業セクションにいる、本田英二。
30歳で、もしかしたらこの先、
独立して会社を立ち上げるかもしれない人」

驚いた。
今までの人のも、それに最後の人の他己紹介も、
相手をほめているように見えて、
実は思い切り牽制をしているのが見え見えだ。