【新連載】29歳、彼氏いない歴5年！　私、結婚できるのかな？

Story4 ★望まれる女子として

翌月の第一水曜の朝7時、
わたしは矢田部さんから誘われた、
ビジネス書の読書会に出席した。
早朝のカフェに集まったのは8人。
うち男性は5人で、わたしはビジネス向けの、
おとなしめな服装で参加した。

あらかじめ指定されたビジネス書は、
一応読んではみたけれど、
人に話せるほどの理解はできなかった。
それに初回参加なこともあって、
その日は自然と姉が言った通りに、
他のメンバーの聞き役に徹することになった。

でも、結果的にはそれでよかったと思う。
どの人も、自分の専門分野の経験を通した、
深い本の読み方をしていて、
わたしは婚活そっちのけで全員の発言に聞き入った。

「あの佐藤さん……ちょっといいですか？」
だから読書会が終わった後、
矢田部さんと他2人の男性から声かけられた時は、
正直、一体なんだろうと目を丸くした。

「よかったら今週の金曜日、入会の記念に、
ぼくら3人とちょっと飲みに行きませんか」