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結婚しても仕事をつづけたほうがいいの? モチベーションの維持方法は?

杉浦 パートは仕事と家庭の両立をしやすいので、時間の使い方としてはいいと思います。ただ非正規雇用ですから、正社員以上にいつ解雇されるかわかりません。そのうえ自分のスキルや経験を発揮できるようなやりがいのある仕事は、パートだとそう多くないのが現状です。仕事内容は妥協して、お金のためだけに働くことになる可能性もあります。

編集部 しかも、パートだと正社員より給料も少ないですよね?

杉浦 そうなんです。それに、昇給もあまり望めません。

編集部 つまり仕事内容とお金を多少妥協して、そのぶん時間的余裕を持つ働き方がパートなんですね。

■将来の選択肢を増やすために、キャリアを積む

杉浦 はい。だからこそ、働けるうちはいつでも自分の手で仕事を〝選択″できるように、キャリアを積んでいくことが大切だと思います。いったん正社員の仕事を辞めてのらりくらりと暮らしてしまうと、いざ働かざるをえない状況になっても、スキルや経験が足りず仕事を選べなくなってしまうかもしれません。

編集部 明子さんはせっかく正社員で活躍しているので、今までのキャリアをここで捨ててしまうのはもったいないですね。

杉浦 そう。上司に昇進試験を受けるように勧められているということは、能力を認められているということ。期待されているんですよ! 今のように部下・後輩として上の役職の人たちを見ると「大変そう」とか「つまらなそう」と思うかもしれません。でも実際に自分が上の立場になってみると、案外おもしろいかもしれませんよ。上に昇ってみてはじめて、下の世界では見えなかった違った景色が見えることもあるでしょう。

編集部 そっか! その仕事がおもしろいかどうかは、当事者になってみないとわからないですもんね。

杉浦 それに、明子さんは「責任が重くなるのが嫌」とおっしゃっていますが、今の仕事だって責任がないわけではないはず。どんな仕事にも責任はあるんです。ただ、責任の種類が変わるだけ。昇進すると今までとは違った責任も抱えるかもしれないけれど、仕事の中身が変わって楽しくなるかもしれませんよ。ですから、せっかく上司に認められているわけだし、昇進試験を受けてみたらどうかしら。

編集部 そうですね。食わず嫌いせずに、期待されていることをもっとポジティブに受け止められるといいですね!

杉浦 自分のやりたいことと、今後の人生設計や起こりうるリスクを想定したうえで、長い目で見てキャリアを選択していくことが大切ですよ。

監修
杉浦里多
株式会社デリィス 代表取締役、ブランド価値プロデューサー。LVMH(モエヘネシールイヴィトン)グループなどで宣伝広報マネージャーを務めた後、P&Gジャパンに入社。SK-2、パンパース、ブラウンジレットなど多くのブランドのコミュニケーション戦略に携わり、最優秀社員賞など社内表彰多数。独立した現在は、顧客志向のマーケティングコンサルティングや、戦略力&リーダーシップを育む管理職・ダイバーシティ・女性管理職育成などの企業研修を行っている。著書に『1年で成果を出す P&G式10の習慣』(祥伝社)、『がんばりが評価される女性の仕事術』(クロスメディア・パブリッシング)など。
http://www.delice-delice.com/

※この記事は2013年11月07日に公開されたものです

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