女性にうれしい「蒸しショウガ」のパワーとは?「生理痛軽減」「乾燥対策にも◎」
女性にとって冷えは大敵といいますが、体温を上げるのって意外と難しいですよね。だけど、「身体を内側からあたためるちょっとした健康法」の実践を習慣づけてしまえば、手足の冷えがなくなるばかりか、内臓まであたたまって、結果的にエイジングケアにつながるのだとか。では、その健康法って一体どんなものなのでしょうか。
『病気にならない蒸しショウガ健康法』(アスコム刊)の著者で、内科医の石原新菜先生にお話をうかがいました。
秘密は、加熱・乾燥による成分の変化
漢方薬処方を中心に診療を行う石原先生によると、その方法はとっても簡単。なんと、「蒸しショウガ」を摂取するだけなのだとか。でも、蒸しショウガって何? どうやって作ればいいの?
「蒸しショウガは、生のショウガを80度に設定したオーブンに入れて1時間加熱・乾燥するだけで完成します」(石原先生)
生のショウガを料理に使おうと思ったら、そのたびにすりおろさなければならず手間ですが、蒸しショウガは長期保存OK! 一度にまとめて作っておくことができるから、とっても便利です。
・蒸しショウガの簡単な作り方
1.ショウガの汚れを取り、1mm程度の厚さにスライスする
2.80度に設定したオーブンに1時間入れる
3.細かく刻んで密閉容器に入れれば、持ち運びもOK
さらに、生のままで食べるよりも数段に高い効果が期待できるのがミソ。理由は、加熱・乾燥の過程を経ることで、ショウガ成分の「ジンゲロール」が「ショウガオール」に変化するから。
「前者が、血管を拡張して血流を促進し、身体をあたためる作用があるのに対して、後者は、体内の脂肪や糖質の燃焼を促進させるほどまでに、身体をあたためる力がより強まっているのです。体温や代謝が上がると、自律神経の乱れや身体の倦怠感、食欲不振や睡眠不足が解消。みるみる体調がよくなりますよ」(石原先生)
ショウガオールは、体内の活性酸素を除去する抗酸化力が非常に高いため、夏の間に紫外線やクーラーによる乾燥でダメージを受けた肌を回復させるのにもうってつけ。いまの時期から摂取しはじめることによって、冬の暖房による乾燥対策にも効果を発揮しそうですね。
ちなみに、蒸しショウガの使い方は無限大。焼きそばやチャーハンにトッピングすれば、ヘルシーなだけでなく、ショウガの風味が楽しめるのもポイントです。
「紅茶に蒸しショウガと黒糖を入れて、かき混ぜるだけでできあがる『蒸しショウガ紅茶』なら、オフィスでも休憩時間に手軽に楽しめますよ」(石原先生)
乾燥させた蒸しショウガは、常温で3カ月ほどの長期保存が可能。ハサミなどで細かくカットするか粉砕した後、ジッパー付きのビニール袋などにいれてオフィスの机に保管しておくのもよさそうですね。
生理痛や花粉症などのイヤ~な諸症状にも効果を発揮
ところで、気になるのは、やはり摂取による体調の変化。内臓があたたまっているかどうかなんて、普段あんまり意識することがないから、効いているかはなかなか実感できないのでは?
「内臓があたたまると、冷えや生理痛が軽くなるのはもちろん、血流がスムーズになるため、むくみが取れやすくなるんです。中には、便秘が解消して、3週間で4キロ落ちたという人もいますよ」(石原先生)
また、2週間で血糖値が100以上も下がった人や、薬を飲んでも治らなかった高血圧が正常値に落ち着いた人もいるのだそう。
「血圧や血糖値の上昇は、水分の摂りすぎで体温が下がり、代謝が滞っていることが原因のひとつ。体内に溜まった水を排出しなければいけないのですが、それを促してくれるのがショウガなんです。
ちなみに、花粉症などのアレルギー症状は、身体から異物(アレルゲン)を水分と一緒に外に出そうとする反応なので、余分な水分の排出は、アレルギーの症状をおさえることにもつながるんですよ」(石原先生)
なんと……ショウガひとつでここまで体質改善や体調管理できるとは! 身近な食材で手作りできるお手軽漢方薬があれば、寒い冬を快適に過ごせるばかりか、春先の花粉を心配する必要もなさそうですね。
ほかにもこんなうれしい効果が!
・糖尿病の改善
・高血圧の予防
・肥満の解消
・がんの予防
・うつ病対策
・ドロドロ血液がサラサラに
・コレステロール軽減
・脳梗塞、心筋梗塞の予防
・腹痛、下痢の改善
石原新菜
内科医。医学生のころから、メキシコのゲルソン病院、ミュンヘン市民病院の自然療法科などを視察して自然医学の基礎を養う。2006年帝京大学医学部卒業後、大学病院での研修医を経て、イシハラクリニックにて漢方薬処方を中心とする診療を行っている。2013年、アスコムより、蒸しショウガの効果・効能や活用法、症状別レシピをまとめた『病気にならない蒸しショウガ健康法』を上梓。
(取材協力:石原新菜、文:OFFICE-SANGA)
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.07)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2013年09月10日に公開されたものです