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結婚後も「お金のかかる趣味」を続けたい! これってワガママ?

花輪陽子

恋愛、転職、結婚、出産……、さまざまなライフイベントに、マネーの悩みはつきもの。なかなか人には相談しにくいお金とライフプランのお悩みを、編集部が読者に代わり、FP花輪陽子さんにガチンコ相談!

今回の相談者は「結婚後も今までどおり、趣味に時間とお金をかけたい」というmaeさん(仮名・25歳)。付き合って3年になる彼から結婚の話がよく出るようになってきたけれど、趣味にどれぐらいお金を使っているかは彼にも話しておらず、どの程度理解してもらえるのかがわからないので踏ん切りがつかずにいるそう。(取材・文/島影真奈美)
※maeさん後編はこちら

結婚したからといって、趣味をがまんしたくないんです

演劇や歌舞伎、オペラなどが大好きで毎週、土日は何かしら観劇の予定を入れています。結婚後も変わらず、同じような生活をしたいんですが、お付き合いしている彼にはまだ話していません。結婚後も働き続けたいとは思っていますが、共働きすれば、今までどおり、満足に趣味にお金と時間をかけることができるのでしょうか。もしそれが難しいようなら、結婚はもう少し先のほうがいいような気もしています。理想はこれまでと同じように趣味を続けつつ、彼とフラットな関係でいるために家計はワリカン。そのためにはもっと貯蓄が必要な気もするんですが、社会人になってからなかなかお金が貯まりません。(mae/金融・証券/事務職/25歳)

【maeさんprofile】ひとり暮らし。手取り年収256万円、手取り月収18万円。社宅暮らしのため住居費は1万2,000円。残業はあまりなく、だいたい19時半には帰宅できるとか。平日は週1回飲み会に行くか、会社帰りにショッピングをする程度。以前はほぼ夜に自炊していたものの、最近はスーパーでお惣菜を1~2品買ってすませることが多い。インターネットでチケットサイトをチェックするのが日課で、土日は両方とも、午前か午後どちらかに歌舞伎やオペラ、演劇を観に行く予定を入れている。それ以外の時間で彼氏や友だちと新しいレストランを開拓したり、食材の買い出しなど自分の用事をすます。現在、家計簿をつけているものの、結果的に赤字になることが多い。食費は節約できるけれど、チケットは「今買わないとなくなるかも!」と思って、高額のチケット(1万5,000円程度)でもつい購入してしまう。

編集部 今回の相談者は「結婚後も、満足に趣味を続けられるのかどうか……」と不安に思っているmaeさんです。周囲も結婚しはじめていて、自分も結婚したい気持ちはあるけれど、趣味にお金を使えなくなるのがイヤで躊躇しているとか。

花輪陽子(以下、花輪) 共働きで子どもがいないDINKSのうちは大丈夫だと思いますよ。ただ、子どもが産まれると、ちょっと厳しいでしょうね。少し回数を減らすとか、もっと割安に楽しめる趣味を探すといった工夫も必要になってくるかと思います。あと、maeさんの場合は現在、住居費が月々1万2,000円とすごく低く抑えられているので、結婚後に住む場所によっては今より生活費が上がる可能性もあります。現在のmaeさんのようなケースや実家暮らしなどで、生活費が手取り月収の30%以下におさまっているならば、独身時代は手取り月収の30%を自分のお小遣いに割り振っても大丈夫。ですが、結婚後のお小遣いは手取り月収の10~15%、子どもができたら10%以下……と、どんどんコンパクトにしていく必要に迫られます。

編集部 maeさんご自身は「趣味を続けられないなら、結婚はもうしばらくいいかも……」という思いもあるようです。

花輪 もし、今お付き合いしている彼と結婚するつもりがあるのであれば、「晩婚」より
「早婚」をオススメします。お金のことをマジメに考えるようになるのはやはり、結婚や出産といったタイミング。教育資金や老後の生活費といったことをは結婚してはじめて考える部分なので、夫婦のお金のやりとりといったことに早い時期から取り組むと、そのぶん貯蓄もスムーズにできます。

編集部 趣味を優先して、結婚を先延ばしにしてしまうと、貯蓄の面で不利になる可能性もあるということですね。

花輪 そうですね。例えば、25歳で結婚して、30歳で出産すると、子どもが独立する年齢になっても、まだ自分は50代。そこから老後のお金を貯めることもできます。「仕事と結婚、どちらを優先するか」はその後の収入にも直結するので一概にどちらがいいとは言えないのですが、観劇や歌舞伎鑑賞はおばあちゃんになったあとでも楽しめます。今は結婚・出産を優先したほうがいいと思います。

編集部 できるだけ楽しみながら、趣味にかけるお金を見直すには何から手をつければいいのでしょうか?

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