今の仕事に満足してる? 仕事に“やりがい”を見出す方法
忙しく働く女子たちにとって、人間関係のストレスや会社生活の悩みはつきもの。ちょっとしたことにイライラしたり、憂鬱な気持ちになって、「会社に行きたくない!」と感じたことがある人も多いのはず。実は日々のちょっとしたストレスは、考え方ひとつで解消できるもの。ここでは、心理カウンセラーの小高千枝さんによる「こころのメンテナンス方法」をご紹介いたします!
定時に会社へ行き、ルーチンワークの単調な毎日。責任ある仕事を任されるわけでもなく、サポート的なことばかり。特に仕事にやりがいを感じないものの、転職をするのも簡単ではないし、ほかにやりたいことも見つからない。こんなふうに悩んでいる女子も多いことでしょう。では、毎日を充実した日々に変えるためにはどうしたらいいのでしょうか。
みなさんは、どんな仕事であっても「楽しみや充実感を感じている人」と、「やりがいを感じない人」のちがいってなんだと思いますか? それは、仕事に対して『主体性』や『自信』があるかどうかです。また、仕事にやりがいを見出せない人の中には、「こんなの私らしくない」と思っている人が多い傾向がみられますが、そもそも『自分らしさ』とはなんなのでしょうか。
たとえば、今の仕事には『自分らしさがない』と言って転職を繰り返す人がいます。一見、スキルアップのために主体的に転職をしているように見えますが、仕事の内容に満足していない、人間関係など嫌なことから目を背けたいという理由が根底にある場合、今の自分をそのまま受け入れてもらえる、幸せにしてくれる環境を求めているだけであるとも言えます。そういう人は自分の人生を簡単にリセットしてしまう癖がつき、技術だけでなく精神的にも成長をすることができません。
そもそも、どんな仕事であっても100%満足できるものはありません。華やかで誰もがあこがれる仕事をしている人も、その水面下では地味な作業を繰り返しています。そして、失敗や苦労に直面したとき、逃げ出さずに乗り越えることで達成感を得ることができるのです。『主体的』に困難と立ち向かい、地道な努力を積み重ねることで『自信』が身につき『自分らしさ』や『やりがい』にも繋がります。
不況が続く日本において、与えられた環境(職場や仕事)があることはとても幸せなこと。「『やりがいのある仕事』や『自分らしい仕事』ではない」と嘆く前に、今、目の前にある仕事のプロになってはどうでしょうか? やりがいがないと決めつけるのではなく、小さな目標を積み重ねてみるのです。
また、「資料をていねいにファイリングしたら営業さんが喜んでくれた」「パソコンスキルがアップしたことを部長が褒めてくれた」など、プラスの出来事を1日3つ具体的に書き出してみましょう。携帯のメモに残して成果をその都度確認をしてみてもいいと思います。日常化し、当たり前になっていたこと、何気ない仕事が実は評価さていたことが自分なりに受け止められると、達成感や誇りを感じるようにもなります。
目の前の仕事に力を注ぎ「誰でもできる仕事だけど、自分が一番できる」というプロになる意識を持つと自信がつき、主体的に楽しく取り組めるようになります。また、得意分野を伸ばし、その仕事を成し遂げることができると、またさらに次の目標が見えてきますよ。
そして、今の仕事に対して『自分らしくない』と感じている人がいるなら、あなたが抱いている『自分らしさ』の思い込みを捨ててみてください。メディアの情報や友だちの影響を受け、あなた自身が本当の『自分らしさ』を理解していない可能性があります。社会が作り出した偶像と自分を比べ、自己否定感に陥ってしまっていることもあるのです。たとえば、「周囲に評価をされるような仕事をしないとダメ」「ルーチンワークをしている自分はダメ」という負のスパイラルに自ら巻き込まれてしまっているかもしれないのです。
誰にでもその人にしかできないことがあります。自分にしかできないことを人に認めてもらおうとする前に、「この仕事は誰にも負けない」と自己承認してあげてください。どんな内容であっても自分の仕事に誇りを持ち、自信を持って取り組んでいる人はとても輝いて見えますよ。
単調な仕事にモチベーションがダウンしたら……
- 具体的に褒められたこと、認められたことを1日3つ書き出す
- 目の前にある仕事のプロになることを意識する
- 『自分らしさ』の思い込みを捨てる
心理カウンセラー 小高 千枝(おだか ちえ)
幼稚園教諭、キャリアカウンセラー等を経て、2007年1月、女性専門のカウンセリングルームを開業。男女関係の問題、依存症、人生観、うつなどのカウンセリングのほか、メンタルトレーニング、企業カウンセリングなどに携わる。2010年9月、精神科医名越康文監修、男女ともに通える『メンタルケアサロン~ピュアラル』を開業。ご相談者それぞれのペース に合わせ問題解決に導くカウンセリングは男女問わず信頼を得ており、リピーターが多い。
※この記事は2013年03月05日に公開されたものです