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「そうですね」と上司に言うのは失礼? 正しい敬語表現を解説

にほんご倶楽部

目上の人に対して、ついつい「そうですね」という相づちを使っていませんか? 実はこれ、少し失礼なフレーズかもしれません。今回は「そうですね」が失礼にあたる理由や、代わりとなるおすすめの表現をご紹介します。

「そうですね」は、ビジネスシーンにおいて多くの人が口にするフレーズです。相づちとしても便利な表現ですが、もしかしたら相手に不快な思いをさせているかもしれません。

そこで今回は、「そうですね」のフレーズをひも解いていきます。失礼な表現にあたるのか、また敬語表現かどうかを解説。また、使う際の注意点も併せてお伝えしていきます。

「そうですね」は失礼な表現?

結論から言うと「そうですね」は、目上の人に対して失礼にあたりかねない表現です。丁寧語の「です」がついているため完全に不適切とは言えないものの、状況によっては避けた方がいい表現と言えるかもしれません。

「そうですね」が失礼にあたる理由には以下の2つがあります。使いどころに迷っている人は、ぜひチェックしておきましょう。

(1)上から目線&カジュアルなニュアンス

そもそも「そうですね」は相手に同意する意味を持つフレーズです。言い換えると、相手の発言に対して「正しいです」「OKです」と肯定しているのと同じ。

上司から部下に対して「OK」というのは自然ですが、部下からだとどうでしょうか。どこか偉そうに聞こえると同時に、「事前に知っていましたよ」といった上から目線なニュアンスにも感じられます。

また、「そうですね」は「そうです」と「ね」に切り離して考えられます。「です」と言い切るとフォーマルな印象を与える一方、「ですね」となると一気にカジュアルな印象にもなってしまいます。

親しみを感じる表現ではあるものの、敬語に厳しい人にとっては「何だか上から目線だな」と不快に思われてしまうかもしれません。

(2)相づちとして軽く口にしている印象

「そうですね」が失礼にあたる2つ目の理由として、相づちとして使用する人が多いことも挙げられます。

そうした背景からも、「そうですね」は話を十分理解しないうちにとりあえず相づちを打っているという印象を持つ人もいるかもしれません。

日頃からこのフレーズを頻繁に口にしている人ならなおさら、「軽く返事している」とマイナス評価につながる可能性があるでしょう。

「そうですね」の言い換え表現

「そうですね」には丁寧語の「です」が組み合わされているため、敬語にあたります。

とはいえ、フォーマルな表現が好まれるシーンや目上の人に使うなら、他の敬語表現をチョイスするのがおすすめです。

そこで次に、「そうですね」の代わりに活用できる敬語表現をご紹介します。

(1)「左様でございます」

「左様」とは、「そのよう」「そのとおり」という意味を持つ形容動詞です。つまり「そのとおりでございます」と、相手の発言に対して丁寧に同意の意思を示せます。

ただし、「左様でございます」は時として、オーバーな表現と捉えられてしまうことも。相手との関係性によっては、「距離がある」と感じさせてしまうかもしれません。

使う相手やシーンによっては、他の表現が適している場合もあると覚えておきましょう。

(2)「おっしゃる通りです」

相手の意見に同意を示したいなら、「おっしゃる通りです」も活用できます。「おっしゃる」とは「言う」の尊敬語で、さらに「その通り」が組み合わさった敬語のフレーズです。

直訳すると「言う通りです」「その通りです」となり、上司や取引先など、目上の人に尊敬の意を示しながら「そうですね」の意を伝えられます。

(3)「はい」

相手の話が正しいと思ったなら、ストレートに「はい」と答えるのも手です。「はい」とは多彩なシーンで使える便利な敬語で、素直な印象も与えられるでしょう。

下手な敬語を使って相手に不信感を与えたくないなら、「そうですね」の代わりに「はい」を用いるのが無難です。

また、相づちとして「はい、おっしゃる通りです」と組み合わせるのも一案と言えます。

「そうですね」を使用する時の注意点

目上の人に使う「そうですね」は言い換えたいものの、カジュアルな返答がマッチするシーンでは活躍するでしょう。

しかし、使用する際には注意点がいくつかあります。相手をイライラさせないためにも、チェックしてみてください。

(1)「そうですね」の連発はNG

まず覚えておきたいのが、「そうですね」は連発しないことが鉄則です。適当に返事していると捉えられかねないのが「そうですね」のフレーズ。それも頻繁に使用していると、「話を適当に聞いている」と思われてしまうかもしれません。

また、捉え方によっては、自分がない人間と思われてしまう可能性もあります。「そうですね」は相手の意見に同意する言葉です。

「自分の意見は?」「関心がないのかな?」と思われ、ビジネスの話であれば、仕事への意欲がないとレッテルを貼られてしまうでしょう。

(2)口ぐせになると誤解を生みかねない

ビジネスシーンで多くの人が口にする「そうですね」は、つい口ぐせになっているという人も多いのではないでしょうか。そんな人は、相手の話に心から同意する時のみならず、話の内容をろくに聞かず、咄嗟に出てしまうこともあるでしょう。

その場の受け答えとしては自然かもしれませんが、後々考えると「それは同意しかねる!」といった内容に「そうですね」と言っているかもしれません。その場しのぎの同意が、予想外の方向に物事を進める可能性もあるため要注意です。

(3)「そうなんですね」とは意味が違う

「そうですね」と近い言葉に「そうなんですね」があります。どちらも相手への共感を示す言葉ではありますが、意味は同じとは言いきれません。

まず「そうなんですね」には相手に共感しつつも、その物事を今初めて知ったというニュアンスが含まれます。前から知っていたことに対して「そうなんですね」は違和感があり、また反対に、知らなかったことへの「そうですね」も不自然です。

「そうですね」ではなく「そうなんですね」が適切なシーンを、例文で見てみましょう。

例文

「今日から配属になった○○さん、感じのいい人ですよ!」

「そうなんですね。会うのが楽しみです」

この場合、後者の人は○○さんにまだ会ったことがありません。この場合は、新しい発見というニュアンスの「そうなんですね」が適当です。

会話の相手を混乱させないためにも、正しく使い分けましょう。

「そうですね」は敬語でありながら言い換えがベター

「そうですね」は丁寧語の「ます」がついた敬語ではありますが、目上の人に対して使用するのはいささか失礼にあたります。「ね」とつくことでカジュアルさが増し、相手の捉え方次第では上から目線と捉えられてしまうかもしれません。

また、ビジネスシーンで頻発する「そうですね」は、仕事に無関心な人と思われる可能性もあるため注意してください。上司や取引先の意見に同意、もしくは共感を示したい時は「左様でございます」や「おっしゃる通りです」などを活用しましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

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