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「道中お気をつけて」の意味や使い方は? 例文・敬語の言い換え表現

にほんご倶楽部

「道中お気をつけて」は、ビジネスにおいて「移動の際には用心してください」というニュアンスを伝えられる表現です。しかし目上の人に対して使える敬語なのか迷うことはありませんか? 今回は「道中お気をつけて」の意味や使い方、例文、言い換え表現を紹介します。

ビジネスシーンで「道中お気をつけて」という表現を聞くことはありませんか?

「道中」は、日常生活の中で使うことが少ないので、なんとなくの意味は想像できても、どのような時に使えば良いのか分からない人も多いのではないでしょうか。

また、上司などに対して「道中お気をつけて」だけで使って良いのか不安になることもあると思います。

この記事では「道中お気をつけて」の意味や正しい使い方、例文、さらには注意点や言い換え表現について解説します。

「道中お気をつけて」の意味とは

「道中お気をつけて」の「道中」は「どうちゅう」と読みます。

「道中お気をつけて」は大きく「道中」と「お気をつけて」の2つに分けることができます。

では「道中」には、どのような意味があるのでしょうか?

どうちゅう【道中】
(1)旅行をすること。また、旅行の途中。旅をしている間。
(2)「花魁道中」に同じ。
(3)江戸時代、街道で客を乗せて賃銭をとった駕籠。
(三省堂『大辞林 第四版』)

上記の通り、「道中」とは主に「旅の途中」や「旅行をすること」という意味です。「道中の無事を祈る」や「道中をともにする」などといった使い方をします。

仕事でも出張など移動を伴う場合に「道中」という言葉を使います。

また、「お気をつけて」は「気をつける」に接頭辞「お」が付いた丁寧な表現。ビジネスシーンでの「気をつける」は、主に「注意する」や「用心する」などの意味で使用されることが多いです。

つまり「道中お気をつけて」とは、出かける相手を送り出す時の挨拶で、「旅の途中は用心してください」や「移動するときに注意してください」などの意味を持ちます。

「道中お気をつけて」だけで使用することは少なく、「道中お気をつけていってらっしゃいませ」などと言葉を付け加えて挨拶するのが一般的です。

「道中お気をつけて」は敬語表現?

「道中お気をつけて」は、上司や取引先など目上の人に対しても使える表現です。

しかし、「お気をつけて」は動詞を形容する表現なので、このフレーズだけでは敬語として不十分といえるでしょう。

また、「お気をつけて」と言われても、何をするのに気をつけなければいけないのかが省略されているため、意味が伝わりにくい印象です。

そのため、上司など目上の人に対して使う時には「道中お気をつけていってらっしゃいませ」や「道中お気をつけてお越しください」など、最後の動詞まで敬語表現で伝えた方がより良いでしょう。

「道中お気をつけて」を使う時の注意点

「道中お気をつけて」は、相手が旅行や出張に出かける際に、無事を祈る気持ちを込めた挨拶として使える表現ですが、使用するにあたり注意点もあります。

ここでは「道中お気をつけて」を使う時の注意点を紹介します。

「道中お気をつけて」だけでは不十分

「道中お気をつけて」の後には「本来いってらっしゃい」などの動詞が続きます。「道中お気をつけて」で言葉を終わらせるということは「いってらっしゃい」を省略した言葉と捉えられます。

先ほども述べましたが、ビジネスシーンで上司や目上の人に対して使う場合は、省略せずに「道中お気をつけていってらっしゃいませ」と最後まで言い切り、言葉を省略しないように注意しましょう。

Check!:「頑張ってください」は目上の人に使って良い? 正しい敬語・言い換え表現とは

「道中お気をつけて」の使い方と例文

「道中お気をつけて」は、出かける相手を送り出す時に使う丁寧な表現ですが、先述の通り、目上の人に対しての敬語としては不十分なので、丁寧な表現に言い換えて使うことを心がけましょう。

スムーズに使いこなせるよう、次に紹介する例文を参考にしてみてください。

相手が出発する時の例文

ビジネスシーンで「道中お気をつけて」は、相手がどこかに向かって出発するシーンや、来客を見送るシーンでも使用できる表現です。

ただし「道中お気をつけて」だけでは、上司や目上の人に対する言葉としては不十分なので「いってらっしゃいませ」などの言葉を付け加えるようにしましょう。

例文

・明日から海外出張に行かれるとうかがいました。道中お気をつけていってらっしゃいませ。

・本日は、雨の中お越しいただきありがとうございました。道中お気をつけてお帰りくださいませ。

相手に来てもらう時の例文

「道中お気をつけて」は、顧客や取引先に自分の元へ来てもらう場合にも使うことができる表現です。

例えば、会社やイベント会場まで来てもらう場合に「道中お気をつけてお越しください」などの言葉を付け加えることで、きちんとした敬語表現として活用できます。

例文

・ご足労おかけしますが、道中お気をつけてお越しくださいませ。

・それでは、○月○日の14時に弊社にてお待ちしております。道中お気をつけてお越しください。

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「道中お気をつけて」の言い換え表現

移動する距離が近い場合などに「道中お気をつけて」を使うのは、少し大げさな気がします。そのような時のためにも、言い換え表現を覚えて使えるようにしておきましょう。

「お待ち申し上げます」

「お待ち申し上げます」は、相手に対して「あなたが来るのを待っています」と伝えるフレーズです。

また、目上の人でも関係が近しい場合には「お待ちしております」と言い換えることができます。相手との関係性などによって「お待ち申し上げます」と「お待ちしております」を使い分けるようにすると良いでしょう。

さらに「お待ちしております」の前に「心より」を付けて「お越しいただくのを心よりお待ち申し上げます」とすると、より待ち望む気持ちを表現した言葉になります。

Check!:「ご連絡お待ちしております」とは? 意味と正しい使い方を解説(例文付)

「お足元にお気をつけて」

「道中お気をつけて」の「道中」を「お足元に」に言い換えることもできます。

このフレーズは、雨や雪などで道路の状況が悪い場合に適しています。「本日はあいにくの雨ですが、お足元にお気をつけてお越しください」などと表現できます。

また「道中」と組み合わせて「道中お足元にお気をつけて行ってらっしゃいませ」と表現することもできます。

雨や雪などの天気が良くない日には、言い換え表現として「お足元にお気をつけて」というフレーズを覚えておきましょう。

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「道中お気をつけて」は相手が出掛ける時の心配りとして使える言葉

「道中お気をつけて」は、目上の人に対しても使える丁寧な表現です。「用心してください」や「注意してください」などの意味があります。

しかし「道中お気をつけて」だけでは敬語表現としては不十分なので、「道中お気をつけていってらっしゃいませ」などの言葉を添えることが大切です。

ビジネスシーンでは、出張先に向かう上司や来社した取引先などに対してよく使う表現なので、正しい意味や言い換え表現を覚えて準備をしておきましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

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