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自己成長の意味と目的って? 4つの方法と注意点を解説

中谷充宏(キャリアカウンセラー)

「自己成長してもっと活躍したい」と感じている人はいると思います。しかし、どうすれば自己成長できるのか、いまいち分からない人もいるのでは? そこで今回は、自己成長の目的や方法、注意点について、キャリアカウンセラーの中谷充宏さんに解説してもらいます。

私はキャリアカウンセラーとして17年以上就職・転職活動を支援していますが、その中で「自己成長したい」という理由で相談に来る人が散見されます。

確かに自己成長は大切ですが、中には目的や取り組み方を間違えている人も見受けられる印象です。

そこで今回は、自己成長の目的や方法、注意点について解説します。

「自己成長」の意味と目的

まずは「自己成長」の意味と目的を確認しましょう。

「自己成長」は自ら成長のために励むこと

辞書で「自己成長」と引くと、以下のように記載されています。

自己成長
自分で努力して成長していくこと。自ら促して成長していくこと。
(出典:『実用日本語表現辞典』)

ちょっと抽象的なので私なりの解釈をつけ加えると、「自己成長」は「周りから強制されたり促されたりすることなく、自主的・自発的に成長のための取り組みに励むこと」と定義できるでしょう。

自己成長の最終目的は充実した人生を歩むこと

自己成長の目的として「スキルアップ」「自己実現」を挙げる人は多いでしょう。もちろん、それも目的として正しいです。

しかし、最終目的は、充実した人生を歩むことにあるのではないでしょうか。

どんな人でも人生は一度しかありません。

嫌なことを人のせいにしてネガティブな人生を送るより、時にはつらくても自ら道を切り開いていき、満足感・充実感を得られるポジティブな人生の方が良い、と私は考えています。

後者のような生き方をしていれば、たとえその過程で苦しい思いをしても過去を振り返った時に「以前の自分と比較して成長できた」と、悔いが残らない充実した人生であることを実感できるはずです。

自己成長の方法4つ

それでは、自己成長するためにやるべきことを具体的に説明していきます。

(1)苦手なことこそ挑戦する

「得意なことをもっと伸ばしたい」というのは、もちろんOKです。

しかし、伸びしろがより大きいのは苦手分野の方ではないでしょうか。

今まで苦手意識を理由に避けてきたことこそ、真正面から向き合って取り組めば、大いなる成長が期待できるはずです。

(2)習慣化して続ける

三日坊主だと成長できないのは、言うまでもありません。プライベートであろうと仕事であろうと、分野を問わずに「やる」と決めたら続けましょう。

例えば、もっと集中力を高めたいと考えてマインドフルネス(瞑想)を始めたとしましょう。これを3日でやめてしまったら、集中力が身につくとは考えにくいですよね。

だから、「昼休みに5分だけやる」など習慣に落とし込むことで続けるようにします。習慣化する方法としては、毎日アラームをセットする、手帳に書き込んでおく、などがあります。

(3)楽な方に流されない

自己成長は人に頼まれてするものではないので、途中でやめても、誰からも文句を言われないですし責任も問われません。

例えば、「心身共に強くなりたい」と始めた就寝前の筋トレ。

最初は熱心に取り組んでいても、「今日はやる気が出ないから」「今日は仕事で疲れたから」と自らに言い訳をして楽な方に流されてしまう。

こういった場合は、一度初心に戻って自己成長の目的を確認しましょう。「楽な方に流されていては目的を達成できない」という危機感を持つことで、流されにくくなるはずです。

また、「夜は疲れていてできない」といった理由なら「疲れていない朝のうちにやる」といったように、やり方を変えるのも効果的です。

(4)同じことに挑戦する仲間をつくる

人間、誰しも自分には甘くなってしまうもの。時には挫折しそうになることもあるでしょう。

それを防いで自己成長を達成するためには、同じような志を持つ仲間を見つけて交流するのがおすすめです。

「彼女もあれだけ頑張っている、私も負けられない」と互いに良い刺激をもらえるので、双方にとってメリットがあります。

またSNS上で目標や日々の取り組みの様子を公開して、それを見ている人達にサボらないよう監視してもらう、というのも良いでしょう。

自己成長を目指す上での注意点

ここからは、自己成長を目指す上での注意点について解説します。

(1)目的に合った手段を選ぶ

英語力を身につけたいと思って毎日コツコツTOEIC(R)の対策勉強をして、スコアを400点台から700点オーバーに伸ばしたとします。

しかし、本人の望んだ英語力というのが「ビジネスで英語を使えるようになりたい」だったとしたら、どうでしょうか。

この場合、TOEIC(R)で高得点を取るだけでなく、街の外国人交流会などに参加して生きた英語でコミュニケーションを取ることも、目的達成のためには大切でしょう。

自分が望んだ成長を実現するには、何のために自己成長するのか明確にした上で、それに合った手段を選ぶことが大切です。

(2)手段と目的をはき違えない

例えば、「ITスキルを身につけて仕事の幅を広げたい」と考えていたとします。

その手段の1つとして、パソコン関係の資格勉強をするのは役に立つかもしれません。

しかし、資格を取ることが目的化してしまい、「この資格を取ったから次はこの資格、そして次はこの資格……」といったように、たくさんの資格を取ることだけがゴールになってしまうのはもったいないでしょう。

資格を取るだけでなく、それを生かして仕事の幅を広げるまでがゴール。

そのためには、知識を身につけるだけでなく実際に仕事に生かすための訓練も必要です。

今の自分は手段と目的をはき違えた取り組みをしていないか、定期的に見直しましょう。

(3)自己成長だけに気を取られない

自己成長のことだけを考えて行動してしまう人がいます。

例えば、家族の誕生日を祝おうという時に「資格試験の勉強をしたいから」と、自分だけ参加しない場合。

家族としては応援したい気持ちもありつつ、どこか寂しい思いをするかもしれません。

いくら自己成長のためとはいえ、こういった行動が誰かを傷つけたり迷惑になったりしていないか、考える必要があります。

(4)高すぎる目標設定はしない

壮大な夢や目標は、あっても良いでしょう。

ただ、自己成長は日々の取り組みを積み重ねた成果です。

実現しないような目標を立てると、自分が今できることとかけ離れすぎているため、具体的な取り組みに落とし込むのが難しいです。

その結果、何をしたら良いのかよく分からなくなり、結局何もやらなくなる可能性があります。

まずは達成しやすい小さな目標を決めましょう。それを達成できた時の満足感・充実感を糧に、また次の目標を達成できるように日々励む。こういった好循環を生み出せるようにしてください。

(5)無理をしすぎない

自己成長のため、と無理をしすぎる人がいます。

例えば試験直前の追い込みなど仕方がないタイミングもありますが、健康に支障が出るくらいまで毎日睡眠時間を削って勉強に励む、というのは明らかに無理しすぎです。

自分の成長のためにやっているのに心身に支障をきたしてしまったら、成長どころかマイナスです。

無理なく無駄なく、自分のペースで取り組んでいきましょう。

自己成長のためには正しいやり方で努力を続けることが大事

自分の成長が止まってしまったら、できることが広がらないまま、新鮮味のない生活を続けることになるかもしれません。そうなると、「つまらない」と感じる人もいるでしょう。

上記の理由もあり、自己成長の大切さは多くの人が実感するところだと思います。

しかし、その自己成長には地道な努力が必要です。また、努力の方向が間違っていると、自分が思い描いた自己成長ができないかもしれません。

せっかくの取り組みを無駄にせず、自身の可能性を広げるために、正しいやり方で自己成長を遂げてほしいと思います。

(中谷充宏)

※画像はイメージです

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