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会社の上司・先輩・同僚への結婚報告はいつが正解? タイミングや注意点を解説【例文付】

三上ナナエ(マナー講師)

結婚が決まったら、基本的には会社への報告が必要な場合が多いでしょう。この時、どのタイミングで報告すべきか、どんなふうに伝えるべきか気になりますよね。今回は、マナー講師の三上ナナエさんが、会社への結婚報告のマナーを紹介します。

結婚が決まったら会社への報告が必要な場合が多いです。結婚によって仕事への影響などがあるのか、周りは知っておく必要があるからです。

上司や同僚と良好な関係を保つためにも適切なタイミング、そして何を伝えるべきか整理しておきましょう。

せっかくのお祝い事が気まずくならないよう、結婚の伝え方や配慮のポイントを紹介します。

会社への結婚報告の前に決めておくべきポイント

会社への結婚報告の際は、ただ「結婚します」と言うだけではなく、仕事に影響が出る可能性がある部分について会社側に伝える必要があります。

上司からの質問に対して「まだ考えていません」と答えるのではなく、聞かれるであろうことを、あらかじめパートナーと相談してまとめておきましょう。

(1)仕事を続けるか、働き方の変更希望はあるか

結婚が決まったら、これまでと同じような働き方なのか時短希望なのかなど、どのようなスタイルで仕事を続けるのか考えをまとめておきます。

また、仕事を退職する場合は理由を考えておきましょう。

退職する場合の扶養について

夫側の扶養に入る場合などは夫の会社で事務手続きが必要になります。その際に提出する書類の準備が必要です。いつまでに提出するかも確認しておきましょう。

(2)結婚報告をするタイミング

会社に結婚報告する際は、一斉に報告するのが理想。風のうわさで上司の耳に入ってしまわないよう、どのタイミングで報告するべきか注意を払います。

特に、社内恋愛の場合はいつ報告するのかお互いの日程を合わせておきましょう。

(3)結婚式の有無

報告された側は、結婚式に招待されるのか気になります。そのため、結婚式をするのか、する場合は日取り、場所、ゲストは何人くらい招くかなどを話し合っておきます。

会社の人を結婚式に招待するかどうかを決めておきましょう。

会社への結婚報告はいつするのがベスト?

会社への結婚報告は、結婚式を行う場合、式の3カ月前には報告しましょう。

ギリギリの報告がなぜ良くないかというと、社員が結婚、入籍すると会社としてはさまざまな事務手続きがあるからです。また、結婚式をする場合は予定を押さえてもらう必要があります。

新婚旅行など長期で休みを取る場合は仕事への影響が出ますから、周りもフォローしなくてはなりません。ですから早めの報告が必要になるのです。

また、会社の就業規則などで結婚報告の時期が定められている場合もあります。

社内結婚の場合はどちらかが異動することなどが慣例になっている組織もありますので、自分たちが慌てないためにも必ず確認しておきましょう。

会社で結婚を報告すべき人と順番

会社への結婚報告の際、最初に報告をすべきなのは直属の上司です。

仲の良い先輩や同僚に話をしてしまうこともあるとは思いますが、風のうわさで報告よりも先に結婚のことを耳にすると、上司は良い気持ちがしない可能性があります。

上司は部下の仕事を管理する立場であり、組織や仕事の調整をしてくれます。信頼関係に影響を及ぼす可能性があるため、極力自分の口から伝わるように細心の注意を払いましょう。

直属の上司を含め、結婚報告する人は一般的には以下のようになります。

1.直属の上司

2.上司の上司(直属の上司が課長ならば、部長にあたる)

3.同じ部署の先輩

4.同じ部署の同僚

5.付き合いのある同僚

ただ、直属の上司の上長への報告は、上司が伝えてくれる場合と自分が報告する場合があります。会社や立場によって違ってきますので、直属の上司にどのようにするか相談しましょう。

会社への結婚報告の仕方【上司編】

結婚報告のタイミングや順番を押さえたら、相手に失礼のない報告の仕方を考えます。

マナーとしてはメールで報告ではなく、対面で報告がおすすめ。上司としてもお祝いを直接伝えたいでしょうし、仕事上その時に確認しておくことがいくつかあるからです。

またあくまでも個人的な報告ですので、基本的には就業時間外、上司が忙しくないタイミングなど配慮します。

事前に「個人的なことですがご報告があります、明日の○時頃お時間いただくことは可能でしょうか」などアポイントを取ることをおすすめします。

上司に報告する内容

上司に結婚報告をする際、伝えるべき内容は以下の3つです。

・今後の働き方

・結婚式準備や新婚旅行などで何日間休暇を取りたいのか

・式を挙げるのか、上司は招待するのか。またスピーチなどの依頼事項

上記は、上司が関わる部分であり確認したい内容なのでスムーズに答えられるように準備しましょう。

シチュエーション別、上司への結婚報告の例

シチュエーション別に上司への報告例を紹介しますので、参考にしてみましょう。

式に参加してもらう場合の例文

この度、結婚することになりました。相手は学生時代に同じサークルで知り合いました。

○月▲日に結婚式をする予定です。ぜひ○○課長にご列席いただきたいです。

招待状は後日改めてお渡しいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

上記と併せて、今後の働き方や長期休暇を取るかなどを伝えましょう。

また、社内結婚の場合は相手の部署と名前を伝えます。

上司に結婚式でスピーチをお願いしたい場合は、「当日は○○課長にスピーチをお願いしたいと思っておりますので何卒よろしくお願いいたします」と伝えておきましょう。

上司を呼ばない場合の例文

この度、結婚することになりました。家族のみのささやかな式を行うことにしたため、社の方々にはお声を掛けないことにしました。

職場の皆さまには改めてごあいさつをさせていただければと思います。式は○月上旬です。前後には○日間ほど休暇をいただきたいと思っておりますのでご相談させてください。

この場合、結婚式を挙げることは伝えます。そして上司を招かない理由を説明します。

また、まとまった休暇をどのあたりで取りたいのか、働き方の変更はあるかをお知らせしましょう。

式を行わない場合の例文

この度、結婚が決まりました。相手の意向もあり結婚式を行う予定はありません。

仕事上の事務手続きなどでお手を煩わせることもあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

また、仕事は変わらず続けたいと希望しております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

職場によって結婚が仕事に影響を与える場合もあるでしょう。そのため、自分としては仕事を続ける意思があることを伝えておくと良いですよ。

仕事を辞める場合の例文

この度、結婚が決まりました。結婚相手の勤め先の場所の関係で、○月末までには退職したいと希望しております。

それまで精一杯努めて参りますのでどうぞよろしくお願いいたします。

退職したいのはいつなのかはっきり伝えることで、上司は今後の準備をすることができます。

妊娠をしている場合の例文

この度、結婚することとなりました。○月●日に入籍します。実は妊娠が分かり▲月中旬に出産の予定です。

産休と育休の取得を考えております。産休までの間や育休中はご迷惑をお掛けすると思いますが、何卒よろしくお願いいたします。

上司は管理職として社内や取引先に影響を与えないように対処しなくてはなりません。体調が安定してから報告したい気持ちもあると思いますが、体調面を考慮してもらう上でも妊娠3カ月を目途に伝えておくと安心です。

早めに伝えるのが心配な場合は、妊娠の話を上司の胸の内だけに留めてほしい旨をお願いします。

どうしても直接伝えられない場合は、メールで報告する

特に直属の上司に対しては、対面で結婚報告することが基本です。社風によっては一般的になっている場合もあるかもしれませんが、リモートワークや長期間会えない場合などにメールで報告します。

念のため、信頼のおける人にメールでの報告は大丈夫か相談してみるのも良いでしょう。

メールで伝える場合の例文

お疲れ様です。私事で恐縮ですが、この度令和△年●月に入籍する運びとなりました。新姓は○○になる予定です。事務手続きなどでご面倒をお掛けいたしますがどうぞよろしくお願いいたします。

結婚式につきましては●月△日に□ホテルで予定しており、○○課長にもぜひご列席いただきたく思っております。改めて招待状をお渡しさせていただきます。

本来であれば直接お会いしてご報告すべきところメールでのご連絡となりお詫び申し上げます。

結婚後は仕事により一層尽力して参りますので、今後とも変わらぬご指導をどうぞよろしくお願いいたします。

本来は直接会ってご報告したかったことが伝わる文章を入れましょう。プライベートな事柄でも、仕事上のメールですので分かりやすく伝わるようにします。

会社への結婚報告の仕方【先輩・同僚編】

上司に報告した後、先輩→同僚の順に報告をします。個人的な報告であり業務とは違いますので、ポイントを押さえましょう。

会社によっては、結婚を朝礼時など全体に発表する場を設けてくれるところも。会社ごとに方法が異なるため、まずはどのように先輩や同僚に報告するかを上司に相談しましょう。

全体発表しない場合は、業務時間外やお昼休憩時に直接報告をします。会うチャンスがない人には電話で。もしメールをする場合でも一人一人に送りましょう。

報告する内容

報告される側としては、仕事は続けるのか、式に招待されるのか、またまとまったお休みはいつ頃取るのかが気になります。そのため、そこが伝わるよう配慮しましょう。

シチュエーション別、先輩・同僚への結婚報告の例

シチュエーション別に、先輩・同僚への結婚報告の例文を紹介します。

結婚式に招待する先輩・同僚への報告

お忙しいところ失礼します。私事で恐縮ですがこの度結婚することになりました。

結婚式は●月○日▲時から△ホテルで行います。ぜひ○○さんにはご列席いただきたいと思っております。検討いただけると幸いです。

結婚後も仕事と家庭を両立できるよう精進して参ります。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

結婚式に招待しない先輩・同僚への報告

この度、結婚することになりました。結婚式は●月に家族と身近な友人でささやかに行う予定です。

●月に10日ほど休暇をいただくことになりご迷惑をお掛けいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

結婚後も仕事と家庭を両立できるよう精進して参ります。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

朝礼のような大人数の前で報告する場合の例文

私事で恐縮ですが、この度●月に結婚することとなりました。新姓は△です。

休暇などでご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。

全体発表をする場合は、仕事に関わる事柄をできるだけ簡潔に伝えることが重要です。ですから相手との出会いの経緯などは必要ありません。

取引先には結婚報告すべき?

取引先へ結婚報告をするかは迷うところではありますが、基本的には報告しないのが一般的です。

基本的に報告が必要ない理由としては、お祝いなどをしなくてはならないと相手に感じさせてしまうからです。ただ、取引先との関係の距離感や話の流れなどで雑談として伝えることは問題ありません。

また、結婚によって名字が変わる場合は仕事のやりとりに関わりますので、変更になったタイミングですぐにお知らせしましょう。

例文

お世話になっております。○○社の▲です。

私事で恐縮ですが、この度結婚し、名字が○○(新姓)となりましたので、まずはご連絡させていただきました。

お手数をお掛けしますがご変更のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

引き続き仕事は続けて参りますので今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

マナーを意識した結婚報告を

結婚はプライベートなことであっても組織の中で仕事をする以上、何らかの影響が出ることは避けられません。

そのために職場での結婚報告は伝える順番を間違えないこと、そして内容は相手が知りたい情報を分かりやすく伝えること。そのためにあらかじめ相談したりまとめておいたりすることがスムーズな報告へとつながります。

信頼関係を保ち、職場の仲間から祝福される結婚報告にしましょう。

(三上ナナエ)

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