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腹筋ローラーで腰痛が起きるのはなぜ? 正しい使い方を解説

山内佑太郎(キックボクサー/トレーナー)

腹筋ローラーを使っていて、腰の痛みに悩んでいませんか? 腹筋ローラーでは効率的におなか周りを鍛えられますが、間違った使い方をすると腰痛の原因に。今回は、パーソナルトレーナーの山内佑太郎さんが、正しい腹筋ローラーの使い方を解説します。

腹筋ローラー(アブローラー)は、ローラーとハンドルを搭載したトレーニング器具です。ハンドルを両手で持ち、ローラーを転がすことにより腹筋などを鍛えることが可能。

比較的安価かつ、トレーニングを行うスペースをあまり取らないことから、多くの方に人気があります。

しかし、腹筋ローラーはトレーニングの負荷が大きいため、腰を痛めてしまう方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、腹筋ローラーで腰を痛めてしまう原因や、腰を痛めないコツ、正しい使い方について解説します。

腹筋ローラーで腰が痛くなる4つの原因

腹筋ローラーを使ったトレーニングは、自宅で手軽にできるため人気があるものの、間違った使い方をすると腰を痛めてしまう場合があります。

腰を痛めるとトレーニングが継続できなくなる他、生活に支障が出てしまうことも。ここでは、なぜ腹筋ローラーで腰を痛めてしまうかの原因について解説します。

(1)間違ったフォームでトレーニングを行っている

腹筋ローラーを使ったトレーニングは、間違ったフォームで行うことで、目的と違う部位に負荷を掛けてしまいます。フォームが間違っていると、効果的に筋肉を鍛えられない他、腰を痛める原因となります。

特に間違いやすい例としては、体を伸ばした時に腰が反ってしまうことです。腰が反った状態だと自身の体重が腰に集中し、ダメージを受けてしまうので注意が必要です。

後述する腰を痛めないためのフォームや、腹筋ローラーの正しい使い方をチェックしてください。

(2)トレーニング種目が自身のレベルに合っていない

腹筋ローラーには、基本的な使い方だけでなく「膝コロ」や「立ちコロ」などのトレーニング方法があります。トレーニング方法によって負荷の掛かり方が異なるので、腰を痛めないためにも自身のレベルに合った方法を選ぶようにしてください。

特に腹筋ローラーの扱いに慣れていない方や運動が苦手な方は、上級者向けの使い方をすると腰を痛める原因になる可能性があります。

(3)トレーニングの頻度や回数が多すぎる

腹筋ローラーを使ったトレーニングの頻度や回数が多すぎると、筋肉の疲れから腰への負担が大きくなり、ダメージを受けやすくなります。これは、すぐにでも筋肉をつけたいからといって、無理にペースを上げてトレーニングしている時に起こりがちなケースです。

腹筋ローラーのトレーニングを始める時は、事前に十分な休息を取り、疲労を回復させてから行うようにしましょう。

(4)筋力や柔軟性が不足している

腹筋ローラーは、筋力や柔軟性が不足していると腰を痛めやすい傾向にあります。

腹筋ローラーは体に大きな負荷を掛けて行うトレーニングです。筋力が不足していると、ローラーを転がした時に体が支えきれず、腰が反りやすくなります。先述の通り、腰が反った状態で腹筋ローラーを使うと腰に負荷が集中し、腰痛の原因となります。

また、柔軟性が乏しいとフォームが崩れやすくなり、不自然な姿勢になることで腰を痛める場合もあります。

腹筋ローラーで腰を痛めないためのコツ

腹筋ローラーで腰を痛めないためには、いくつか注意しなければならないポイントがあります。腰痛を予防するためにも、腹筋ローラーを扱う前に注意点を押さえておきましょう。

(1)背中を丸めることを意識する

腹筋ローラーで腰を痛める原因は、腹筋ローラーを前方に転がす際に腰が反っていることが挙げられます。腰への負担を減らすには、軽く背中を丸めた状態を意識しながらローラーを転がすようにしましょう。

ローラーを転がす時、目線をおなかあたりに向けることで、自然と背中が丸まりやすくなります。

限界までローラーを転がした時は体が伸びますが、目線をおなかに向けていると、腰が反りにくくなりますよ。

(2)効いている部位を意識しながら行う

腹筋ローラーを転がしている時は、鍛えたい部位に負荷が掛かっているかどうか、意識して確認しましょう。

腹筋ローラーで鍛えられる主な部位は、おなかの筋肉である腹直筋と腹斜筋、腕の筋肉である上腕三頭筋、背中の筋肉である脊柱起立筋が挙げられます。これらの筋肉を意識しながらトレーニングを行うことで、効果的に負荷を掛けられるようになります。

腹筋への負荷をあまり感じないようなら、目的とは違った部位に負荷が掛かっていることになります。この場合、トレーニング中に体が正しく支えられず、腰が反りやすくなるので注意してください。

(3)無理をしてトレーニングを続けない

腹筋ローラーを使ったトレーニングは運動強度が高いため、体力に限界を感じた場合は無理に続けないようにしてください。自身の体力や筋力に合ったトレーニングを行わないと、腰を痛める原因となります。

腹筋ローラー初心者の方は、ローラーを限界まで伸ばすと体の負荷が大きく感じるかもしれません。その時は無理に体を伸ばさず、できるところでストップするなど、負荷を調節してください。

腰が痛い人必見! 腹筋ローラーの正しい使い方

ここでは、腹筋ローラーの正しい使い方を解説します。腰を痛めないためにも、正しい使い方をチェックしておきましょう。

腹筋ローラーは、代表的なトレーニング方法として、「膝コロン」・「膝コロ」・「立ちコロ」の3つがあります。

これらは負荷の掛かり方に違いがあるので、自身の体力や筋力などのレベルに合ったトレーニング方法を選んでください。

【初心者向け】膝コロン

膝コロンは、他のトレーニング方法に比べて負荷が少なく取り入れやすいことから、腹筋ローラー初心者や筋力に自信がない方などにおすすめです。

膝コロンのトレーニング方法

1.床に膝をついて四つ這いになり、腹筋ローラーのグリップを両手で握る。

2.腹筋を意識しながら、ゆっくりと腹筋ローラーを前方に転がす。

3.限界まで体を伸ばしたら、顔などを打たないように注意して、床に「コロン」と倒れる。

4.1~3の手順を10回3セット行う。

膝コロンは四つ這いの状態からスタートするため、膝に負担が掛かるかもしれません。そのような場合は、トレーニングマットなどを敷いて膝の負担を軽減しましょう。

トレーニングの回数は、目安として10回3セットを行うこととしていますが、疲れにより腰が反る、または負荷が大きすぎると判断した場合は、回数やセット数を減らしてください。

【中級者向け】膝コロ

膝コロは、膝コロンよりも比較的負荷の掛かるトレーニング方法です。膝コロンに慣れて体力や筋力がついてきた中級者の方におすすめです。

膝コロのトレーニング方法

1.床に四つ這いになり、腹筋ローラーのグリップを両手で握る。

2.腹筋を意識しながら、ゆっくりと腹筋ローラーを前方に転がす。

3.限界まで体を伸ばしたら、腹筋を使って元の位置に戻る。

4.1~3の手順を10回3セット行う。

膝コロは、腹筋ローラーを押し込む時と、四つ這いの状態に戻る時に強い負荷が掛かります。

もしトレーニング中に疲れて元の位置に戻れないようなら、途中から膝コロンにメニューを変更してみてください。

【上級者向け】立ちコロ

立ちコロは、膝コロンや膝コロに比べて、非常に負荷の掛かるトレーニング方法です。

腹筋ローラーに慣れていても立ちコロを行うのは難しいと感じる方が多いことから、筋力に自信のある上級者向けのトレーニングとなります。

立ちコロのトレーニング方法

1.床に手足をつき、腹筋ローラーのグリップを両手で握る。この時、膝コロのように膝を地面につけないこと。

2.腹筋を意識しながら、ゆっくりと腹筋ローラーを前方に転がす。

3.限界のところまで体を伸ばしたら、腹筋を使って元の位置に戻る。

4.1~3の手順を10回3セット行う。

立ちコロはかなり負荷が大きいため、限界が来たら1セットでも終了してください。無理をして立ちコロを行うと、腰を痛める原因となります。

腹筋ローラーを正しく使って腰痛を防止しよう!

腹筋ローラーで腰が痛くなる原因は、間違ったフォームでトレーニングを行ったり、筋力や柔軟性が不足したりすることで、腰が反ってしまうためです。

腹筋ローラーで腰を痛めないようにするには、背中を丸めた状態でローラーを動かし、鍛える部位を意識しながらトレーニングを行うようにしてください。また、自身の体力や筋力に合ったトレーニング種目や回数を選ぶことも大切になってきます。

(監修:山内佑太郎、取材・文:#TOKYOWORKOUT)

※画像はイメージです

※本記事はトレーナーの見解に基づき解説しております

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