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「取り計らう」は上司に使ってOK? 意味と正しい使い方

どいまちこ

「取り計らう」という言葉の意味とは? 今回は、ビジネスシーンで多様する「取り計らう」の使い方を詳しく解説します。「目上の人に使ってOK?」「言い換え表現は?」などポイントを押さえて、正しく使いこなしましょう。

ビジネスシーンでよく使う「取り計らう」という言葉。この「取り計らう」は文章やメールなどで使われます。

しかし、使い方を間違えると相手によっては失礼な印象を与えることも。今回は、「取り計らう」の正しい意味や使い方、言い換え表現などを紹介します。

「取り計らう」の正しい意味

まずは「取り計らう」の正しい意味を押さえていきましょう。

「取り計らう」の意味

「取り計らう」という表現は、「うまく物事が運ぶように柔軟に対応をする」という意味を指します。また、単純に「扱いや処分」を表すことも。

「取り計らう」という言葉は、「取り」と「計らう」の2つの言葉から作られています。

「取り」は、動詞の前につける「接頭語」の1つ。語調を整え、より改まった印象を与えます。それに続く「計らう」は、「適切に処理をする」や「対処をする」という意味を持ちます。

「取り」がつくと改まったニュアンスになる

前述の通り、「取り」と別の動詞を組み合わせた言葉は、伝わり方がより改まったものとなります。

例えば「取り決める」という言葉は、しっかりと考慮して決めるというニュアンスが伝わります。

他にも「取り調べる」という言葉は、事件などに対して使われる言葉です。証拠を基に調べる強い意気込みが伝わります。

「取り計らう」は「計らう」の強調表現

このように「取り計らう」は、「計らう」という言葉の強調表現になり、下記のようなニュアンスがあります。覚えておきましょう。

・相手との考えを併せて、適切に処理をする。

・物事を決める場合に、話し合う。

・計画を立てる

・適当に選択して決める。

・柔軟な対応をする。

「取り計らう」の使い方と例文

「取り計らう」は、覚えておくと便利な言葉。しかし、使い方を間違えると、恥ずかしい思いをすることも。

そこで、さまざまな状況に応じた「取り計らう」の使い方や例文を紹介します。

感謝やお礼を伝える

相手がこちらの依頼に対して、配慮や調整などで答えてくれた場合には、心からの感謝を伝えたいと考えます。

相手の行動に対する感謝を伝えたい時は、「お取り計らい」と表現し、添えると良いでしょう。

例文

・専務のお取り計らいがなければ、この企画は通りませんでした。

・○○の件でお取り計らいいただきまして、心から感謝しております。おかげさまで、有意義な1日を過ごすことができました。

依頼やお願いをする

相手へ対応や配慮、調整をお願いしたい時にも、用いられます。

例文

・先日お問い合わせを頂きました○○ファイルを送付いたしました。お取り計ら
い頂きますようお願い申し上げます。

・○○書を添付いたしました。ご査収のほど、お取り計らいくださいますようお願い申し上げます。

「取り計らう」を使う際の注意点

「取り計らう」という言葉は、使用上の注意点がいくつかあります。使い方と共に、こちらも押さえておきましょう。

(1)目上の人へ使う時の注意点

文法として間違えているわけではありませんが、目上の人へに対する自分の行動を「取り計らう」と表現することはあまり適しません。

目上の人から指示をされ、返事をする時に「こちらで取り計らいます」と言うと、「こちらでいいようにやります」と返答しているニュアンスになります。

誤りではありませんが、「偉そう」とか「高飛車」などの印象を相手が受ける可能性があるため、注意をしてください。

(2)些細な事柄には適さない表現

「30分程度、時間を確保してほしい」「折り返しのメールが欲しい」などの、些細な事柄について「取り計らう」という表現を使うと、少し堅苦しい印象に。そういった場合には、他の言葉に言い換えて表現しましょう。

言い換え表現の使い方と例文

「取り計らう」を言い換えできる言葉がいくつかあります。より使いやすい言い回しもあるので、覚えていると便利。

ここでは、「取り計らう」の言い換え表現を見ていきましょう。

お力添え

「力添え」とは、「助ける」という意味になります。

相手のサポートへ感謝を伝える時、またフォローをお願いしたい時に「お力添え」を使った丁寧な表現を用いましょう。

例文

・この度は、○○様よりお力添えをいただき、心から感謝しております。

・お忙しいところ大変恐縮ですが、お力添えいただきますようお願い申し上げます。

ご尽力

「尽力」とは、文字のとおり「力を尽くす」という意味。

また、「してもらう」の謙譲語である「いただく」を組み合わせて「ご尽力いただく」とすることで、相手の言動に敬意を払う伝え方として使うことができます。

加えて「賜る」と組み合わせて「ご尽力を賜り」とすれば、さらに丁寧な表現となります。

例文

・キャンペーン開催では○○様より、ご尽力をいただきありがとうございました。

・平素より、弊社の企画へのご理解とご尽力を賜り、厚くお礼申し上げます。

ご配慮

「配慮」とは、「良い結果になるよう相手に対し心を配ること」になります。

こちらも、「してもらう」の謙譲語である「いただく」を合わせて「ご配慮いただく」とすると、相手の言動に敬意を払う伝え方として使用できます。

例文

・突然伺ったにもかかわらず、いろいろとご配慮いただき、ありがとうございました。

・日程の変更をご配慮いただけるとのこと、誠に恐れ入ります。

また、「お気遣いいただき」という言葉も同じようなニュアンスの表現になります。これは、相手から心配の言葉などで気にかけてもらった時に、感謝の返答として使用できます。

ご助力

「助力」とは、「力を貸すこと」や「手助けのこと」になります。

そのため「助力」のみで使用する場合は、自身が相手を手助けする時に使用しましょう。相手の取り計らいを示す場合は「ご助力」と表現するのが適切です。

例文

・この度、新会社を立ち上げることになりました。お忙しいところ大変恐縮ですが、ぜひ○○様にはご助力のほどお願い申し上げます。

・今後とも、ご助力のほどよろしくお願いいたします。

「ほど」という言葉を添えることで柔らかな表現になり、「相手に対して配慮しつつ手助けをお願いする」というようなニュアンスになります。そのため、目上の人に対しても失礼な印象になりません。

適切に「取り計らう」を使おう

「取り計らう」の使い方について、理解が深まりましたか?

目上の人に対しての使い方や、その他の言い換え表現を覚えておき、意味を正しく理解をすることで、あなたの気持ちが十分に伝わるようになります。

適切な表現で、周囲と心地良いコミュニケーションができるといいですね。

(どいまちこ)

※画像はイメージです

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