ネカマとは? 意味やネカマの特徴・見分け方を解説
ネカマとは「ネットでオカマ」の略語。今回は、ネカマになる人の特徴や心理、ネカマが出没しやすい場所・見分け方について解説します。
インターネット上で使われるスラング「ネカマ」とは、いったいどんな意味なのでしょうか。この記事では、「ネカマ」の意味や使い方、本当の女性との見分け方などを解説していきます。
ネカマの意味と由来
最初に、ネカマという言葉の意味と由来を解説します。
ネカマとは「ネットでオカマ」の略語
ネカマとは「ネットでオカマ」の略語で、「ネット上で女性のふりをする男性」のことをいいます。
実際は男性なのですが、女性に見える偽名を使い、口調も女性らしく振る舞い、話の内容も全て女性目線に置き換えて架空の話を作って盛り上がるのです。
まさにネット社会の匿名性を利用した行為といえるでしょう。
ネカマの用語解説と由来
ネカマという言葉には、実は30年以上の歴史があります。1980年代後半~1990年代後半、「パソコン通信」が普及したころに使われ始めたといわれています。
当時はネカマと略さず、「ネットでオカマ」のままで使われることが多かったようです。
「パソコン通信」とは、インターネットが普及する以前に使われていた通信手段の1つ。専用のソフトや複雑な設定が必要だったため、当時パソコン通信を利用していたのは、パソコン機器に詳しい男性がほとんどでした。
利用している女性が少なかったことから「女性である」というだけで注目を集めたのです。このことが「ネットでオカマ=ネカマ」を生み出すきっかけになったといわれています。
また、大きなデータのやり取りができなかった時代なので、顔写真を送ることが難しく、文章のみのやりとりで女性になりきりやすかったことも「ネットでオカマ」が広まった一因ではないでしょうか。
逆パターンの「ネナベ」もいる
「ネカマ」の逆で「ネナベ」という言葉もあります。意味も「ネカマ」の逆で、「ネット上で男性のふりをする女性」「ネットオナベ」の略語です。
なぜ女性のふりをするの? ネカマになる理由と心理
なぜ男性が女性のふりをするのでしょうか? ここではその心理を解説します。
(1)変身願望
「ネカマ」になる理由の1つとして、「変身願望」があげられます。今の自分が置かれている環境や人間関係に疲れている場合、逃避行動の1つとして「ネカマ」になろうと考えることがあるようです。
(2)理想の女性を表現
自分が思う理想の女性を具現化させるために「ネカマ」をすることもあります。夢と理想をつめこんだ姿を表現するために、自分自身が「ネカマ」になるのです。
(3)ちやほやされたい
「ちやほやされたい」という願望をかなえるために「ネカマ」になるケースもあります。「優しくされたい」「大切にされたい」といった感情が元となって、インターネット上で「ネカマ」になる人もいるようです。
(4)女性と仲良くなりたい
女性と距離を縮めるために「ネカマ」をする場合もあります。「ネカマ」になることで、女性に警戒されにくく、スムーズに関係性を築くことができると考えているのではないでしょうか。
女性と仲良くなるために、わざと女性と誤解されるような「カワイイ」言動をすることも、広い意味での「ネカマ」といえるでしょう。
(5)お金を得るなど詐欺目的
ネカマの中には、出会い系サイトに誘導する悪質な業者もいます。「サクラ」とは、出会い系サイトに雇われている、スタッフのことです。また女性になりすますことで男性に貢いでもらうなど、金銭を得るためにネカマをしている人もいます。
ネカマの種類はさまざま。中には悪質なタイプも
自分の楽しみのためにネカマとなる人がいる一方で、他人を貶めることを面白がっていたり金銭的な利益を得るためにネカマをしている人もいます。
悪質なタイプのネカマに出会った場合は、被害を受ける可能性もあるため、注意が必要です。
ネカマの特徴と見分け方とは?
いくらなりきっているとはいえ、時には「ネカマ」だと分かってしまうこともあります。ここでは「ネカマ」の特徴と見分け方を紹介します。
「ネカマ」の特徴
「ネカマ」の男性とやり取りをする際、ぬぐい切れない違和感を感じることがあります。具体的な例を見てみましょう
(1)絵文字や口調など不自然な女性らしさ
「ネカマ」は、ことさら女性らしさを強調する場合があります。
語尾が不自然だったり、ラインでかわいらしいスタンプを多用するなど女性が好きそうなことを強調する傾向にあり、言動に「わざとらしさ」がにじみ出ることが多いです。
(2)写真に統一感がない
「ネカマ」の場合、プロフィール写真や投稿に使う写真にインターネット上の素材を使うことが多いため、統一感がありません。例えば、ネイルのデザインの趣味が毎回全く違うなどよく見ると違和感を感じることがあるでしょう。
「ネカマ」の見分け方
ネカマの特徴を元に、見分け方を解説します。
(1)投稿された写真を並べてみる
前述した通り、写真の統一感のなさは「ネカマ」の特徴といえるでしょう。例えば、ネイルの写真をよく投稿する人なら、その写真だけを並べてみるとはっきり分かります。
毎回長さが極端に違ったり、爪の形が明らかに違ったりと「自撮りではない」画像の場合は、「ネカマ」かもしれません。また、Googleの画像検索をしてみると元画像がヒットすることもあります。
(2)女性特有の質問をしてみる
女性特有の話題は「ネカマ」にとって苦手分野である可能性も。生理や妊娠・出産の話になると急に発言の辻褄が合わなくなる場合は、「ネカマ」かもしれません。
ネカマが出没しやすい場所
ここからは、特にネカマが出没しやすい場所を2つ紹介します。
Twitter(ツイッター)
Twitterは文字での投稿が多いので、画像や動画中心のSNSと比較して男性が女性になりきりやすいツールといえるでしょう。
アイコンが女性の顔や体のパーツだったりすると、性別を明記していなくても「この人は女性だろう」と思い込んでしまいがちです。
出会い系サクラの場合も
男性が女性としてTwitterのアカウントを運用し、セクシーな写真や思わせぶりな投稿を繰り返すことがあります。
興味を持った男性が返信をしたり、DM(ダイレクトメッセージ)を送ったりすると、「直接やり取りしよう」と出会い系サイトに誘導するのです。
ネカマは、男性がどんな投稿に興味をひかれるのかを知り尽くしており、ついつい誘われてしまうことが多いので注意が必要です。
オンラインゲーム
オンラインゲームでは、パーツを組み合わせて自分好みのキャラクターを作ることができます。自分が男性であっても女性キャラクターを選べ、好みにピッタリのキャラクターで冒険することができるのです。
自分の理想のキャラクターが動き回るのが楽しくて、いつの間にかネカマ行動をしてしまうこともあるようです。
メリットがあるので「ネカマ」をする場合も
オンラインゲームでネカマになると、進行上有利になるという事情もあるようです。
例えば、かわいい女性キャラクターを使っていると、ピンチの時に守ってもらいやすく、有利になることがあります。また、好意をもたれるとゲーム上で強くなれる課金アイテムをプレゼントされることも。
男性が好む女性を演じることで自分にメリットがあるので、あえてネカマになることもあるのです。
ネカマとは、バーチャルな世界でのもう1人の自分
顔の見えないオンライン上では、性別が違うもう1人の自分になりきることができます。
自分で楽しむだけなら問題はありませんが、人をだましたりからかったりする目的で「ネカマ」になることは褒められたことではありません。相手を傷つけていないかどうかを考えて、楽しむことが大事です。
(ひらり)
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