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「不徳の致すところ」とは? 意味や謝罪文での使い方を解説

kirara

政治家などが謝る時に使う「不徳の致すところ」という表現。今回は、「不徳の致すところ」の意味や使い方、言い換えられる類語を詳しく解説していきます。併せて、ビジネスメールで使える謝罪文例を紹介します。

謝罪する場面でよく使われている「不徳の致すところ」という表現。日常の中で聞かない言葉だからこそ、どんな温度感での謝罪なのか気になってしまいますよね。

従って、人によってはニュアンスをくみ取れず、本当に謝っているか疑問に感じてしまうことも。

今回は、そんな「不徳の致すところ」が表す意味や使い方などを解説します。言葉が持つニュアンスまでしっかりと理解して、適切に使いこなせるようにしましょう。

「不徳の致すところ」とは

「不徳の致すところ」が謝る際に使う表現であることは分かっていても、正確に意味を把握している人は少ないかもしれません。

そこで、まずは「不徳の致すところ」がどのような意味を表しているのか、2つのポイントに分けて解説していきます。

自分の行為を謝罪する慣用句

「不徳」と「致す」、それぞれの意味から「不徳の致すところ」の意味を考えると、「自分の人として良くない行為によって引き起こしたこと」を指しています。

「不徳」とは、「人として間違っていること」という意味の言葉。単なる間違いや失敗よりも重い内容を表しているのがポイントで、重大なミスや犯罪などに近い行為を指して使われます。

加えて、「致す」は「引き起こす」というニュアンスです。

「不徳の致すところ」そのままの意味では、状況の説明に過ぎませんが、自分の否を認めていることから謝罪の気持ちを表しており、深く謝る時に使われています。

それぞれの言葉の意味を踏まえると、とても反省している気持ちが分かりますよね。

ビジネスメールや目上の人にも使える?

「不徳の致すところ」は敬語表現であり、目上の人に使っても失礼になることはありません。しかし重い謝罪フレーズになるため、かしこまったシーンでは使えますが、人によっては大げさな印象を抱かれる可能性があります。

またこの言葉は、ビジネスメールで使っても問題ない言葉です。

しかしシーンによっては「申し訳ございません」の方が適していることもあります。基本的にはかなり重大なミスや、取り返しのつかない失敗に対してだけ使うようにすると良いでしょう。

参考記事はこちら▼

ビジネスシーンにおけるお詫びメールの書き方を詳しく解説しています。

「不徳の致すところ」の使い方

「不徳の致すところ」は謝罪の時に使う言葉であるからこそ、大切な場面で使うことが多く、使い方を間違えてしまうと大きな問題に発展することもあります。

そこで、きちんと謝罪の気持ちを伝えるためにも、覚えておきたい「不徳の致すところ」の使い方について解説していきます。

(1)理由を説明してお詫びする

謝罪が必要な場面では、謝るだけでは問題が解決せず、どうしてその問題が起こったのかをきちんと説明し、何が悪かったのかを伝えなくてはいけません。

そのため、「不徳の致すところです」と終わらせるのではなく、どういう理由や経緯があって謝罪が必要になったのかをきちんと説明しましょう。

また、説明に加えて改善案などを提示することで、より謝罪の気持ちに誠意が表れます。前もってどのようなことを伝えるのか考えておきましょう。

例文

・私の管理ミスによりこのようなトラブルを起こしてしまい、不徳の致すところです。

(2)謝罪の言葉を付け加える

「不徳の致すところ」は謝罪の気持ちを伝える表現ではあるものの、直接的な謝罪の言葉とは異なります。

あくまでも「自分がミスをした」という状況だけを伝えている表現なので、「申し訳ありません」など謝罪の言葉をきちんと付け加えることが大切です。

特に、「不徳の致すところ」は偉そうなニュアンスがあり、本当に反省し謝罪しているのか伝わりにくいという意見もあるようです。誤解されないためにも丁寧な表現を心がけましょう。

例文

・私の不徳の致すところです。大変申し訳ありません。

不徳の致すところによりご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません。

(3)かしこまった場面で使用する

「不徳の致すところ」は、日常的に使う言葉ではなくかしこまった場面で使うべき表現です。

例えば、上司や目上の人に対して使う時や、始末書などを書く時などに使うのが一般的です。

普段から使っていると言葉の重みがなくなってしまうため、ここぞという場面でのみ使うようにしましょう。

(4)ミスや失敗が大きい場面ほど当てはまる

「不徳」が表すのは「人の道に外れた行為」「モラルのない行為」となるので、書類などのちょっとしたミスは当てはまりません。

不注意で個人情報を流出させた、多大な損害を出してしまった時などに使うのが適しているので、大きなミスや失敗を謝罪する時に「不徳の致すところ」を使いましょう。

また、小さいミスや失敗に「不徳の致すところ」と使うと、仰々しい表現になるだけでなく、真剣味が薄れてしまいます。適当に謝っていると誤解されかねないため、使う場面はきちんと選びましょう。

「不徳の致すところ」の言い換えに使える類語

「不徳の致すところ」は、謝罪の気持ちを伝える便利な言葉ですが、使う場面が限られているため、使いたくても使えないことがあります。

そこで、「不徳の致すところ」と似た意味を持ち、言い換えにも使える類語を紹介していくので、ぜひ場面に合わせて使ってみてくださいね。

私の責任です

「不徳の致すところ」を、ストレートに分かりやすく表現しているのが「私の責任です」という言い回し。

「責任」には「失敗や損失による責を負う」という意味があり、「不徳の致すところ」のように、自分がミスや問題を招いたことを表せます。

ただし、「不徳の致すところ」と同じように、謝罪の言葉とは違うため、説明などをする時には注意しましょう。

例文

・今回起きたミスは私の責任です

申し訳ありません

「申し訳ありません」は、謝罪したり迷惑をかけたりする場合に広く使われる言葉。

「申し訳」には「弁解」「言い訳」といった意味があり、「申し訳ありません」と否定することで、「弁解することがない」という意味から謝罪の気持ちを表しています。

「不徳の致すところ」よりも軽い失敗などを謝罪する時に使えますが、自分の非を認める表現としては言葉足らずな点に注意。

「申し訳ありません」を使う時には、誰の責任でトラブルを招いたのかまで、しっかり説明すると丁寧でしょう。

例文

・この度は私の確認ミスにより、ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません

参考記事はこちら▼

ライティングコーチの前田めぐるさんに、「申し訳ない」の使い方や類語、言い換え表現を教えてもらいました。

ビジネスメールで使える謝罪文例

では、「不徳の致すところ」を用いて、ビジネスメールで使える謝罪文の具体的な例を見ていきましょう。

件名:○○のお詫び

○○株式会社 ○○部 ○○課
○○様

平素より大変お世話になっております。
株式会社○○の△△(フルネーム)でございます。

この度は○○の件で多大なご迷惑をおかけしてしまい大変申し訳ありません。私の管理不行き届きによりこのようなトラブルを起こしてしまい、不徳の致すところでございます。

今後は同じことを二度と繰り返さないよう、全身全霊で臨む所存です。
どうぞ、変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

大変恐縮ではございますが、取り急ぎメールにてお詫び申し上げます。

取り返しのつかないような大きな失敗に対する謝罪メールは、ミスを文章で認めてしまうことになり、記録に残るのが注意点。自己判断で送信てしてしまうと会社の損失を大きくするばかりか、責任問題に発展することもあります。

上司への報告と相談の上、こうした謝罪メールを用いてくださいね。

「不徳の致すところ」を用いてきちんと謝罪しよう

「不徳の致すところ」は、大きな失敗などを謝る表現で、とても深い謝罪の気持ちを表す時に使います。

しかし、直接的な謝罪の言葉ではないことや、仰々しい表現であることから、使い方やシーンによってはきちんと気持ちが伝わらないことも。

そのため、きちんと意味や使い方をマスターして、適切に「不徳の致すところ」を使うようにしましょう。

(kirara)

※画像はイメージです

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