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「岡目八目」とは? 意味や由来、類語を解説(用例付)

上色ゆるり

「岡目八目」とはどういう意味か知っていますか? 今回は、「岡目八目」の読み方や意味、使い方を解説します。由来や、類義語にあたることわざ、「傍目八目」との違いも覚えて、ことわざの知識を深めましょう。

新聞や本、ニュースなどで度々見かける「岡目八目(おかめはちもく)」。

普段の会話でよく使うことわざではないため、どのような意味の言葉なのか知らない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「岡目八目」の意味や類義語、正しい使い方を例文つきで詳しく解説します。

また、言葉の由来も紹介しますので、「岡目八目」についてほとんど知識がないという人もぜひチェックしてみてくださいね。

「岡目八目(おかめはちもく)」の意味と由来

「岡目八目」は「おかめはちもく」と読みます。

「岡目」も「八目」も日常生活では見かけない単語なので、漢字や読み方からは、どのような意味なのか想像しにくいですよね。

まずは、「岡目八目」という言葉の意味から見ていきましょう。また、どのような言葉からできた四字熟語なのか、語源についても解説していきます。

四字熟語「岡目八目」の意味

「岡目八目」とは、本人よりも第三者の方が状況や物事を客観的に判断できる、ということを指す言葉です。

何かの決断を下す時、当事者になると感情的になりやすかったり、視野が狭くなったりしてしまいがちです。しかし、第三者であれば比較的冷静に判断しやすいですよね。

このような、当事者よりも第三者の方が物事を見極めるのに向いている、という状況を指す言葉として、「岡目八目」という表現が使われています。

「岡目八目」の由来・語源は囲碁

「岡目」とは、傍観すること、わきから見ることを指す言葉。そして、「八目」は碁盤の目や以後の手数のことを指し、囲碁で、八手先の状況も予想がついていることを指します。

いずれも囲碁用語が語源といわれています。囲碁で対局している人よりも、わきから見ている人の方が、冷静に勝負の状況を判断できるということから「岡目八目」という言葉が生まれたようです。

「岡目八目」の使い方(例文つき)

「岡目八目」は、「岡目八目というように」や「岡目八目だ」「岡目八目のようだ」といった言い回しで使われることが一般的です。

第三者の方が冷静に判断できる、というポジティブな意味で使われる時もあれば、当事者ではないから真実を分かっていない、というネガティブな意味で使われる時もあります。

また「岡目八目」は、ビジネスシーンでも度々登場する言葉です。

ビジネスにおける第三者、つまり冷静な判断ができる立場の人とは、他の部署の人や外部の会社の人など、自分の所属している組織以外の人を指して使うことが多いようです。

それではいくつか例文を紹介します。

例文

・外部コンサルタントのAさんは、自分が気づかなかったことまで的確に指摘してくれて、まさに岡目八目だ。

岡目八目というように、行き詰った時は周りの人に意見してもらうのも1つの手だ。

岡目八目でああしろ、こうしろと意見するのは簡単だ。

岡目八目でいろいろと言いたいことはあるだろうが、今は彼の考えを尊重しよう。

「岡目八目」と「傍目八目」に違いはある?

「岡目八目」の漢字を一文字変えた、「傍目八目」という言葉もあります。

「岡目八目」と同じく「おかめはちもく」と読みます。「傍」は「そば」と読み、「傍目」は「はため」と読むため、「そばめはちもく」や「はためはちもく」と読んでしまいがちですが間違っています。

正しくは、「おかめはちもく」と読むので注意しましょう。

「傍目」には「わきから見る」という意味があり、「岡目八目」と同じ意味で使われる四字熟語です。

漢字が違うだけで、意味は同じであると覚えておくと良いでしょう。

「岡目八目」の類義語・言い換え表現

「岡目八目」には、いくつかの類義語があります。似たような意味の言葉も一緒に覚えておくことで、「岡目八目」を知らない人にも理解してもらえる伝え方ができるようになります。

また、ボキャブラリーを広げるためにも知っておいて損がないので、ぜひここで類義語もチェックしておきましょう。

「他人の正目」

読み方は「たにんのまさめ」です。「岡目八目」は「はちもく」と読みますが、「他人の正目」は「まさもく」と読まないので注意しましょう。

「他人の正目」の「正目」とは、縦にまっすぐ筋の通った木目のこと。利害関係のない人の方が、当事者よりも正しい判断ができることを指す言葉で、「岡目八目」と同じ意味で使われています。

例えば、「やはりAさんの指摘は正しかった。まさに他人の正目だ」というような使い方ができます。

この場合、当事者ではないAさんだからこそ、正しい判断・指摘できていた、ということを表現しています。

「灯台下暗し」

「灯台下暗し」は、身近にある物・事柄こそかえって見えなくなるという意味のことわざです。

灯台は遠くを照らすことはできるが、真下は暗くて見えにくいもの。これをたとえとしており、当事者ではない第三者は物事を客観視できる、ということを意味する「岡目八目」と似たニュアンスがあります。

「まさに灯台下暗しだった」というように、「まさに」をつけて使う場合がほとんど。

例えば、「コンサルタントに言われて気づいたが、ヒット商品の開発へのヒントがこんな所にあったなんて、まさに灯台下暗しだ」というような使い方ができます。

「秘事は睫」

「ひじはまつげ」と読む「秘事は睫」も、「岡目八目」の類義語にあたることわざの1つ。

「秘事」とは秘密や秘伝のこと、「睫」は顔の部位である「まつ毛」のことを指します。

目のすぐ上にあるまつ毛は、近くにあるのに自分では見えないですよね。

そのことから、「秘密や秘伝は、近すぎて気づきにくいだけで、案外身近にあるものだ」といった状況を表現しています。「岡目八目」の類義語である、「灯台下暗し」とも似ています。

例として、「自己啓発本を読み漁り、成功するための秘訣を探し続けてきたが、自分の両親こそ見習うべき人だということにようやく気づいた。これぞまさに秘事は睫だ」といった使い方ができます。

「岡目八目」の対義語

「岡目八目」の対義語には、「あばたもえくぼ」や「鹿を逐う(おう)者は山を見ず」などがあります。

「あばたもえくぼ」

「あばたもえくぼ」は、好きになった相手であれば、どんな欠点でも長所に見える、ということわざ。

「第三者の方が状況や物事を客観的に判断できる」という意味を持つ「岡目八目」とは異なり、客観的かつ冷静な判断ができない状態を表しています。

「鹿を逐う者は山を見ず」

「鹿を逐う者は山を見ず」とは、目の前の利益ばかり追い求めていると、状況を判断することができなくなる、という意味を表すことわざ。

ある事柄にとらわれてばかりいては、いつか大切なことを見逃してしまう、という注意喚起の意味が込められています。

「岡目八目」を英語で表現すると?

岡目八目は、英語で「bystander’s vantage point」と表現できます。

「bystander’s」には「傍観者」、「vantage point」は「観点・立場」という意味があります。

「岡目八目」を正しく使いこなせるようになろう

学校で教わることのない四字熟語は多く、まだまだ意味を知らない言葉がたくさんありますよね。

「岡目八目」も、今まで全く聞いたことがなかった、またはほとんど聞いたことがなかったという人もたくさんいるのではないでしょうか。

ですが、本やニュースなどの内容、人との会話の内容をより理解できるようになるためにも、知識を身につけておいて損はないはず。

正しく、かつ自然に「岡目八目」を使いこなしていれば、周りから「知的な人だ」という印象を持たれることもあるでしょう。

反対に意味を知らないと、ビジネスなどの大事なシーンで恥をかく可能性もあるので、ぜひこの機会に言葉の意味や使い方を確認しておいてくださいね。

(上色ゆるり)

※画像はイメージです

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