「目途」はどう読む? 「目処」との違いや使い方を解説
ビジネスシーンでは「目途が立つ」などの形でよく使われている「目途」。読み方は「めど」「もくと」どちらなのでしょうか? 今回は「目途」の意味や使い方、「目処」との違いなどを解説します。
「目途」という言葉を文章などで見かける一方、自分で文章を作る時には「目処」という言葉も変換に出てきて、どちらが正しいのか迷った経験のある人も多いのでは?
また、「目途」の読み方は「めど」「もくと」、どちらが正しいのでしょうか。
この記事では、「目途」の読み方や意味から「目処」との違いまで、きちんと使いこなすための情報を紹介していきます。
「目途」の読み方と意味
スケジュールを組む時などに使われる「目途」は、分かっているつもりでいると思わぬところで恥をかいてしまうことも。
そこで、「目途」の読み方や意味といった、基本的なことから改めて解説します。
正しい読み方は「もくと」
「目途」は「めど」と読んでいる人も多いですが、正しい読み方は「もくと」です。
「目」はそのまま「め」と読めますが、「途」は「と」という読み方はあっても、濁って「ど」と発音する言葉は限られています。
多くの人が「目途」を「めど」と読みがちですが、正しくは「もくと」であるということを知っておくといいでしょう。
「目途」は「目当てや見込み」を表す
まずは「目途」の意味を辞書で見ていきましょう。
もくと【目途】
めあて。見込み。めど。(『広辞苑 第七版』岩波書店)
これを見て分かるように、「目途(もくと)」には、「めど」という意味も含まれています。
主にスケジュール管理や進行管理の場で使われますが、日常的に使用する言葉ではなく、役所などの公的な文書で使われており、ビジネスシーン以外で見かけることは多くありません。
「目途」を正しく読んだり意味を理解したりする場面では、きちんと読み方や意味を理解しておくといいでしょう。
「目途」と「目処」の違いは?
「目途」と「目処」。
どちらを使うのが正しいのか迷った経験のある人も多いと思うのではないでしょうか。
結論から言うと、意味としては基本的には同じなので、どちらを使っても問題はありません。
ここからは「目処」の意味と使い分けるシチュエーションを紹介します。
「目処(めど)」の意味は「おおよその見通し」
「目処」は「めど」と読むのが正しいです。
めど【目処】
目指すところ。めあて。だいたいの見当。目標。(『広辞苑 第七版』岩波書店)
「目処」の意味は「おおよその見通し」を表し、期限までにできそうなこと、やるべきことに対して使用します。
また、前段の「目途(もくと)」の辞書的な意味を紹介した際、その中に「めど」が含まれていたと思います。
「目処」の持つ「おおよその見通し」は、「目途(もくと)」の「めど」と同じ意味合いです。そのため、「目処」「目途」どちらの言葉を使用しても同じ意味を表します。
例文
・1週間を目処に禁煙を始めてみよう。
・完成までの目処が立ったので、ご連絡させていただきました。
漢字の違いによって使えるシーンが異なる
「目途(もくと)」=目当て。見込み。めど。
「目処(めど)」=目指すところ。目当て。だいたいの見当。目標。
上記を見ても分かるように、「目途」と「目処」は本来の読み方こそ違いますが、基本的に同じ意味を表し、どちらを使っても間違いではありません。
現在では「目途」が「めど」と読まれることも多く、「目処」と同じように使われています。
ただし、「目途」は役所の文書や政治家の演説などで使われるのが一般的で、「目処」は日常的に使うことが多い言葉ということは押さえておきましょう。
そのため、基本的には「目処」を使うようにして、必要な場合のみ「目途」を使用するといいでしょう。
「目途」の使い方
前述の通り、「目途」の本来の読み方は「もくと」ですが、現在では「めど」と読まれることも多く、「目処」と同じように使われています。
ここでは、そんな「目途」の使い方や例文を紹介します。
「目途(目処)が立つ」
「目途(目処)が立つ」は、「目標や計画を立てる」といった意味になります。
例文
・合格までの目途(目処)を立てる。
・綿密な目途(目処)を立てることで、納期が遅れることを防ぐ。
「~を目途(目処)に」
「目途」の使い方でよく用いられているのが、「~を目途(目処)に」という表現です。
この表現では「めど」という意味を表し、「見通しが立った」時などに使います。
例文
・3月末を目途(目処)に、閉店することを決定しました。
・この計画は5月を目途(目処)に終了する予定です。
「目途」の類語
最後に、「目途」の言い換えにも使える類語を紹介していきます。
前述の通り、本来の「目途」は、公的な文書や政治家の演説などで用いられることが多いです。
一般的に使う言葉ではないからこそ、類語での表現方法も覚えておき、分かりやすい文章を作れるように準備しておくといいかもしれません。
「目標」
「目標」には、「達成したいこと」「目的地」といった意味があり、期限を対象にすることで「めど」としての意味を表すこともできます。
ただ、「目標」は達成するために努力をしなければいけないため、実現が難しい内容だと信ぴょう性がなくなってしまいます。
高い「目標」を掲げることは良いことなのですが、可能な限り実現可能な内容にとどめておきましょう。
例文
・今月末での完了を目標に仕上げ作業を行います。
・先月よりも売上げをアップさせることを目標にする。
「目的」
「目標」と同じような意味を持ち、「実現を目指す事柄」という意味のある「目的」。
「目途」や「目標」の言い換えに使用でき、3種類の言葉を相手やシーンによって使い分けるのが良いでしょう。
「目的」を使う場合、「目標」よりも現実的な内容を表す意味合いとなり、より実現可能な内容と一緒に使うのが適しています。
特に「目的」の内容が不明確だと、言われた人が困惑してしまうので、明確に表すことでより自分の気持ちや意図を伝えることができますよ。
例文
・この会議の目的は、先月の売上が大きく落ち込んだ原因を見つけることだ。
・当社の製品をアピールする目的で、SNSの運用を始めた。
「目安」
「目途」を「めど」という意味で使う時の類語には、「目安」が挙げられます。
「目安」には、「目当て」や「おおよその見当」といった意味があり、何かの基準を満たしたり条件を達成したりする見通しができた時などに使えます。
「目途」などに比べると、やや柔らかい意味を表しており、「達成できるかもしれない」のような推測の意味で使うことができます。
そのため、「目安」を使っても達成不可能な場合があり得るので、お互いに意味を取り間違えないように気をつけましょう。
例文
・来月を目安に、新しい人事を発表する。
・この基準を目安に、対応策を考えよう。
「目途」の意味や使い方をマスターして間違えないようにしよう!
「目途」の本来の読み方は「もくと」で、「目当て・見込み」などを表す言葉。主に、公的な文書などで使用されています。
現在では「目処」と同じように用いたり、「めど」と読まれることも多いですが、知識として、本体の意味や使い方も押さえておくといいかもしれません。
(kirara)
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