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「マネジメント」の意味とは? 役割や種類・必要な能力

上色ゆるり

「マネジメント」の意味を説明できますか? 仕事など組織を運営する上で重要な「マネジメント」。この記事では、管理職になったら知っておきたい「マネジメント」の役割や種類、必要な能力を解説します。

「管理職に昇進したけれど、マネジメントが何か分からない」

マネジメントは、管理職に求められる必須スキルの1つ。しかし、経験がないと、一体何をすれば良いのか分からないですよね。

そこで今回は、マネジメントとは何か、どのようなことをすれば良いのかなどを解説します。

また、マネジメントの役割や、必要とされるスキルも紹介します。初めての管理職で困っている人、マネジメントがうまくいかず困っている人は、ぜひ参考にしてくださいね。

「マネジメント」とは? 語彙の意味や「リーダーシップ」との違い

そもそもマネジメントとはどういう意味の言葉なのでしょうか。まずは単語の意味からチェックしていきましょう。

また、混同して覚えてしまいがちな「リーダーシップ」との違いも解説していきます。

「マネジメント」の本来の意味

マネジメントとは「管理」「経営」を指します。辞書では以下のように記載されています。

マネージメント【management】

1 経営などの管理をすること。
2 経営者。管理者。「トップマネージメント」

(『デジタル大辞泉』小学館)

マネジメントの語源は、英語の「management」から来ています。

語源である英語の「management」には、「経営・管理」という意味のほか、「経営者」や「管理者」という意味も含まれています。

しかし、カタカナ語の「マネジメント」は、基本的に「経営・管理」を指します。「経営者」や「管理者」を表す際は「マネージャー」という単語を使うのが一般的です。

ドラッカーによる「マネジメント」の定義

マネジメントにはさまざまな定義がありますが、最も一般的なのは、アメリカの経営学者として有名な「ピーター・ファーディナンド・ドラッカー」によるもの。

ドラッカーは、マネジメントとは「組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関」と定義しています。ビジネスではこの定義をもとに、組織に利益をもたらすための仕組みやツールのことを、マネジメントと呼ぶことが多いようです。

「マネジメント」と「リーダーシップ」の違い

「リーダーシップ」とは、組織が向かうべき方向を示し牽引していくことを意味します。一方「マネジメント」とは、組織を管理していくことを意味する言葉です。

組織の目標を決めるのがリーダーシップであり、その目標を達成するために何をすれば良いのか考えたり、目標に向けた行動ができているか管理したりするのが、マネジメントです。

マネジメントとリーダーシップを1人で行うこともあるので、2つの言葉が混同してしまいがちですが、それぞれに違う役割があるということを覚えておきましょう。

マネジメントの役割とは?

では、マネジメントとは具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか。ここからは、マネジメントの役割について解説していきます。

(1)目標設定し指導する

確実に目標達成へと近づけるためには、計画的に組織を運営していく必要があります。そのために、組織が具体的にどのようなことを行えば良いのか、細かく目標を設定するのがマネジメントの役割です。

また、計画通りに組織が運営できていない場合、軌道修正をするために目標を再設定したり、目標達成をするために指導したりするのも、マネジメントの重要な役割です。

(2)モチベーションをアップさせる

毎日同じ作業を繰り返していると業務がマンネリ化してしまい、メンバーのやる気が下がってしまうこともあるでしょう。

そこでモチベーションをアップさせるために、きっかけ作りを行うのがマネジメントです。積極的にコミュニケーションを取ったり、責任を与えたり、やりがいを感じられるようにアクションを起こします。

(3)評価する

自分が成長できているかどうか、改善すべき点はどこなのかを客観視するのは難しいこと。したがって、第三者の視点で評価したり、課題を見つけたりしてくれる人が必要になります。

評価と共に部下へ向かうべき方向を示す役割も、マネジメントが担います。具体的な行動の例としては、フィードバックする、アドバイスする、目標設定のためにサポートするなどが挙げられます。

部下の成長は、結果的に組織の成長にもつながるため、適切な評価はマネジメントの大切な任務です。

マネジメントに求められる能力とは?

実際にマネジメントをする立場になった時、具体的にどのようなことに気をつければ良いのか分からない人も多いでしょう。

ここからは、マネジメントに求められるスキルについて解説します。

参考記事はこちら▼

マネジメント能力がある人とは? こちらの記事も併せてチェックしてみてください。

(1)課題を分析し、解決する能力

目標を達成するためには、どのようなことを改善すれば良いのか、課題を見つける必要があります。まずは目標と組織の状況を観察、把握し、分析しましょう。

また、分析するだけでは組織の目標を達成できません。何をすれば解決できるのか考え、メンバーに指示することも大切です。

課題分析能力、課題解決能力は、急なトラブルが発生しても揺るがない、強い組織へと発展させることへとつながるので、身につけておいて損はないでしょう。

(2)プロジェクトを管理する能力

目標を達成するために組織が取るべき行動は何かを考え、指示をする管理能力もマネジメントに欠かせません。

プロジェクトが計画通りに進んでいるか、どの方法を取れば最も効率良く目標を達成できるのかなどを考慮する必要があります。

プロジェクト管理のスキルを身につけるためには、なぜこの行動をするべきなのか、常に目的を考えて仕事をすることが重要です。

また、目標から逆算して計画を立てたり、スケジュールと進行状況を比較しながらプロジェクトを進めたりすることも、管理能力の向上につながります。

(3)意思決定能力

マネジメントをしていると、予期せぬトラブルに巻き込まれることが多々あります。そのような時に軌道修正できるよう、解決手段を見つけて決断する能力がマネジメントには求められます。

意思決定の能力を高めるためには、誰かに決断を委ねるのではなく、まず自分でどのような行動をすべきか考える癖をつけておくと良いでしょう。

(4)コーチング能力

コーチング能力とは、部下の成長を促す教育スキルの1つ。ただ一方的に教えるのではなく、部下に自分で物事を考える力を身につけてもらうことが目的です。

コーチング能力を高めるためには、部下に意見を聞くこと、部下から答えを引き出すことが大切です。すぐに答えを教えてしまうのではなく、「どうすれば良いと思う?」と質問をすることで、部下に考えさせる力が身につきます。

また、部下からスムーズに意見を引き出すためには、信頼関係を築くことも重要です。よって、普段からコミュニケーションを積極的に取ることも、コーチングには欠かせないでしょう。

【階層別】マネジメントの種類

マネジメントにはさまざまな手法があり、経営層や現場など、置かれている立場によってそれは変化します。

それぞれ具体的にどのようなことをするのか、マネジメントの種類を階層別に紹介していきます。

(1)トップマネジメント

トップマネジメントとは、組織の目標や方向性を決定したり、経営の戦略を立てたりすることを指します。経営に関する判断や責任を委ねられる立場で、主に会長や社長、常務などの役職に就く人が担います。

組織全体を引っ張っていく立場にあるので、マネジメント能力だけでなく、リーダーシップ能力も強く求められます。

(2)ミドルマネジメント

ミドルマネジメントとは、トップマネジメントと後述するローアーマネジメントとの中間に位置する立場のこと。部長や本部長、支店長などの中間管理職に就く人が行うことが多いようです。

具体的には、トップマネジメントが示した戦略、方針をローアーマネジメントに伝える役割があります。

また、ローアーマネジメントからの意見を上層部に伝えることも、ミドルマネジメントの重要な役割です。

(3)ローアーマネジメント

ローアーマネジメントとは、現場の業務における指揮を執る役割のこと。

現場リーダーやチーフなどの役職に就く人が行うマネジメントで、監督者層と呼ばれることもあります。

トップマネジメントからミドルマネジメントに渡った、組織の目的や方針を現場に伝え、管理する役割を担います。

【業務別】マネジメントの種類

階層別のマネジメントの種類を紹介しましたが、他に取り組む業務の内容によっても手法が変わります。

ここからは、業務別のマネジメントの種類について解説していきます。

(1)チームマネジメント

チームマネジメントとは組織全体の指揮を執り、管理する役割のこと。

組織の生産性を上げることを目的とし、メンバーのモチベーションを上げたり育成したりする立場です。

(2)タレントマネジメント

タレントマネジメントは、メンバーの能力が最大限発揮されるよう適切な人材配置を行ったり、育成したりする役割を担います。

企業によって、人事部が行うケースもあれば、現場で行うこともあるようです。

(3)ナレッジマネジメント

ナレッジマネジメントとは、組織内での情報やスキル、ノウハウを管理する役割を指します。

組織全体へ情報を共有することで、生産性をアップさせるなどのメリットがあります。

(4)アンガーマネジメント

アンガーマネジメントとは、自分自身の怒りをコントロールすることを指します。

特に、人材育成をする時に重要な自分に対するマネジメントです。怒りをコントロールできずに叱ると、部下のモチベーションを下げてしまうなどの悪影響を及ぼす可能性があります。

また、怒りの感情が暴走してしまうと、冷静さを失ってしまいます。適切な手段を取るためにも、ビジネスではアンガーマネジメントが欠かせません。

(5)ストレスマネジメント

ストレスマネジメントとは、組織におけるメンバーのストレスを管理することを指します。

従業員のストレスは、モチベーションと組織の生産性が下がる原因です。

最悪の場合、退職者が出たり従業員が病気になったりしてしまうケースもあるので、チームを率いる立場にいる人は、ストレスマネジメントの手法を身につけておく必要があります。

加えて、自分自身のストレスマネジメントにも気を配ることは、健全な組織を運営する上で重要です。

マネジメント力を身につけて頼られる人材になろう

誰しも経験を積めば、マネジメントの実力は徐々に身についてくるでしょう。

しかし、成果を出せるマネージャーにより早くなるためには、知識を身につけておいて損はありません。

また、マネジメント能力は高ければ高いほど、上司からも部下からも信頼してもらえるはず。今回解説した手法やスキルを取り入れて、周りから頼られる人材を目指してみてくださいね。

(上色ゆるり)

※画像はイメージです

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